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BREITLING for BENTLEY ブライトリング唯一の角型にして唯一のジャンピングアワー。


ブライトリング・フォー・ベントレー ベントレー・フライングB
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ブライトリング・フォー・ベントレー
ベントレー・フライングB

オールド・ベントレーのボンネット・フードに輝く、ベントレーの伝統的なエンブレム「フライングB」に捧げられた、
同ブランド初のレクタンギュラー・モデル。ムーブメントにも、60分ごとに12時位置の数字がジャンプして時刻を表示する
ジャンピングアワー機構を採用しているのが特徴。ケース・サイズは縦57.3×横38.5mmと巨大だが、ケースバックを曲面にし、
手首に沿うように工夫されているためフィット感はいい。
自動巻き。ステンレススティール。100m防水。162万7500円。
問い合わせ/ブライトリング・ジャパン Tel.03-3436-0011
www.breitlingforbentley.jp



ひときわ“ベントレー”な時計


曲面と直線が見事に融合する分厚いレクタンギュラー・ケースのベゼルから
スムーズに立ち上がる分厚いサファイアクリスタル風防。
その下で主張するエッジィなベントレーのモチーフや優美な真珠母貝の
インデックスに、本誌編集長の目は釘付けになった。
語り=鈴木正文(本誌) まとめ=森 慶太
写真=高橋和幸/ドミニク・フレイザー


異彩を放つ

 一見して明らかなように、フライングBは文字どおり異彩を放っています。広くはこれも角形ウォッチだといえるのでしょうが、通常の角形とはとてもいえません。遊戯性や装飾性のきわめて強いデザインです。見るからに精密計器らしさが横溢している通常のブライトリングとは、そこが決定的に違う。
 もう少し詳しく見ていくと、たとえばドーム状に湾曲した角形の風防ガラス。これを削り出すには、素材のガラス円柱はまず直径が通常のものより大きくないといけないはずです。と同時に、それを同じくはるかに分厚く切り出して使う必要があります。外側に水平面がどこにもない巨大なケースともども、切削の難度はさぞや高いことでしょう。
1957年のS1フライング・スパーのノーズの先端、ラジエター・グリルの中央上部に座を占める元祖フライングB×2
1957年のS1フライング・スパーのノーズの先端、ラジエター・グリルの中央上部に座を占める元祖フライングB×2。
バッジとマスコット。はりついたのと屹立したのと。過剰といえば実に過剰。
 デザイン原案に徹底して忠実に、妥協することなく製品化されたフライングBは作り手にとってはナイトメア、悪夢なんだという話を聞いたことがあります。手にとってみると、それも無理のないことだとつくづく理解できます。


楽しみにも満ちた時計

 それにしてもいわくいいがたいこのカタチ、と思いながら手首につけて眺めているうちに、ハタと気がつきました。そのほどこされている面積が通常より大きくかつ平らなせいで、ダイアル周囲のダイヤ目の刻み模様がベントレーのトレード・マークの餅網グリルに見えてきたわけです。してみると、このケースの形状はラジエター・グリル外周部がデザインのモチーフになっているのではないか。
はたまた、ベルトとコオディネイトされた着色部分は、クルマでいうと内装の色に幌の色を合わせるのと通じている。
 というわけでフライングBは、見た目だけでなくその背後のデザインないしスタイリングのアイディアの読み解きの楽しみにも満ちた時計です。一部が重なりつつ長方形のなかに収まった大小2つのダイアルもまた異例なデザインですが、これに関してはS1フライング・スパーの写真をあれこれ眺めているうちにそっくりの意匠を発見してしまいました。ダッシュボードに備えつけられた時計がそれです。
 圧倒的なマスの存在感や手応えもふくめて、フライングBはひときわベントレーな時計です。この機種が導入されたことで、ブライトリング・フォー・ベントレーならではの立脚点がいよいよ明確になったといえるでしょう。


S1フライング・スパーの優美な姿
こちらはダッシュボードの一部
S1フライング・スパーの優美な姿。クローム・プレイティングのほどこされたラジエター・グリル外周部の形状は時計のフライングBのケースのそれのデザインの素であるように見える。


こちらはダッシュボードの一部。備えつけられた時計の意匠はフライングBの大小2連のダイアルのそれとそっくり。
5時の位置に半円形にはみ出した部分はサービス・ホールの蓋だろうか。



作り手が「悪夢」と例えるほどフライングBの製作は難しい
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機構上の見どころはなんといってもジャンピングアワー
作り手が「悪夢」と例えるほどフライングBの製作は難しい。オモテ面=風防ガラスがドーム状に膨らんでいるのに対してケース裏面は(2次元的な)凹状に湾曲している複雑な造形がわかるだろうか。サイズは十分に巨大。しかし5スポークのホイールを模した彫刻が絶妙な6.75と同様、手首へのフィット感はうまく考えられている。機構上の見どころはなんといってもジャンピングアワー。


クルーには家具工場もあるのかと疑いたくなるファクトリー内の木工部門
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多くの職人が削りと塗りや研ぎの作業に集中している
クルーには家具工場もあるのかと疑いたくなるファクトリー内の木工部門。多くの職人が削りと塗りや研ぎの作業に集中している。たとえばダッシュボードのウッドパネルが4分割だとすると、左右それぞれの2枚ずつは互いに木目が鏡面対称。かつ、左の2枚と右の2枚も鏡面対称。左のドア・トリムと右のドア・トリムも木目は鏡面対称。そのお約束がベントレーではきっちり守られている。



※価格は雑誌掲載当時のものです。


2008年11月号掲載


 
 
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