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フォード氷上試乗会報告


フォード・フォーカス2.0トレンド
FORD FOCUS 2.0 TREND/フォード・フォーカス2.0トレンド(248万円)
彫刻的でシャープなニュー・エッジ・デザインによるリア・スタイルは独特。エンジンは、1969cc直4DOHC。最高出力131ps/5500rpm、最大トルク18.2kgm/4500rpmを発揮。今回の氷上テストで使用したのは横浜ゴムのスタッドレス・タイヤ「ice GUARD」。外観同様、室内も幾何学的なラインが複雑に組み合わされる。ただし、使い勝手は非常に良い。



最後は、亀が勝つ!?


フォーカスのスポーティ・バージョン「2.0トレンド」の最大の特徴は、ラインナップ中唯一、ESPが標準装備されているところ。
女神湖の氷上でそのESPの効果をテストしてみた。
文=荻山 尚(本誌) 写真=柏田芳敬



フォード・フォーカス2.0トレンド


 昨年、100台限定で販売されたフォード・フォーカスのスポーティ・バージョン「2.0トレンド」が、今年からカタログ・モデルとしてラインナップに加わった。これにより、豪華仕様「2.0ギア」と「1.6ギア」、廉価仕様「1.6GLX」、さらに2.0ギアにはワゴンもあり、計5モデルとなった。
 フォーカスのセールス・ポイントのひとつは、全高1480mmという背高パッケージによる秀逸な室内の空間取り。しかも、エクステリアは幾何学的なラインが複雑に絡み合っており、デザイン性も高い。ここ日本では、欧州フォードのイメージがいまだ定着しておらず爆発的なヒットにはなっていないが、1999年と2000年には欧州と北米のカー・オブ・ザ・イヤーをそれぞれ獲得。このクルマのポテンシャルの高さがうかがえる。
 スポーツ・サスペンションや16インチ・アルミホイール、さらにはESP(スピン防止機構)を装備する2.0トレンド。おのずと走りにも期待が高まる。
 長野県白樺高原にある女神湖にて氷上テストの機会を得た。国定公園の女神湖は、冬季になると厚さ40cmほどの氷が覆い、氷上テストのメッカとなる。はたして、スタリティ・コントロール“ESP”の効果やいかに?
 氷上に作られたオーバル・コースを旋回する。「コーナー手前で十分に減速、立ち上がりでアクセルを踏み込む」という鉄則に従いコーナーに飛び込む。でも、ツルッツルッと止まらない。続いてゴリッゴリッとABSが作動するが、外側の雪壁が迫ってくる。アンダーステアだ。ステアリングとブレーキ操作で、なんとか雪壁を回避。でも、今度はブレーキを踏み過ぎて、オーバーステア。あわててステアリングとアクセルで修正するが、テールが雪壁に忍びよる。「もうダメだ」と思った瞬間、クルマの動きがスローになる。いくらアクセルを踏んでもタイヤにトルクを伝えない。ESPが効いて、エンジンの出力を落とし、同時に空転しているタイヤにブレーキをかけているのだ。そして、鈍亀のようにノソーッと動き出し、安定した姿勢でコーナーを脱出する。
 今度はESPをオフにしてコーナーに進入した。オーバーステア状態で(テールを流しながら)、アクセルを踏んだ分だけタイヤは回転、コーナーをクリアしていく。ドリフトが決まった!調子に乗ってアクセルをさらに踏み込む。結果、次のコーナーではお尻から雪壁に突っ込んでしまった。
 鈍亀状態はイライラするけど、ESPのもたらす安心感は捨てがたい。童話のように、最後は亀が勝つのか? ちなみに、ESPは2.0トレンド以外のモデルにはオプション装着の用意すらない。


フォード・フォーカス2.0トレンド
2台のSUVにも雪上試乗

 エクスプローラーとエスケープも試乗した。この2台はそれぞれ毎月150台を販売するフォードの人気車種。エクスプローラーは、全長×全幅×全高=4825×1880×1805mm、車重=2070kgという巨体で、まるでクルーザーでも操っているかのような“ゆったり”感。4.6リッターV8エンジンは十分すぎるほどパワフル。ただし、この巨体、駆動方式がFRベースのフルタイム4WDということもあり、雪道では予想以上に滑りやすい。
 一方、エスケープは“ゆったり”感が多少薄まるものの、FFベースのフルタイム4WDだけに雪道での安定感は高い。マツダとの共同作業で誕生したモデルなので、動力性能は“アメリカ車の豪快さ”、ボディ・サイズや室内の使い勝手は“日本車の気遣い”。ふたつが巧みに組み合わされており、イージーにアメリカンSUVを味わえる点も良い。右ハンドル車は山口県防府工場(マツダ)、左ハンドル車はミズーリ州カンザス工場で作られる。


フォード・フォーカス2.0トレンド
(写真左)エスケープ(2リッター直4=219万/3リッターV6=249万円)、(写真右)エクスプローラー(4リッターV6=382万/4.6リッターV8=452万円)。



(2003年4月号掲載)
 
 
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