ENGINE online/エンジン オンライン

本格的小型車市場に打って出たスマートforfourに乗る。


Smart forfour/スマート・フォー・フォー
SMART forfour/スマート・フォー・フォー
スマート誕生から6年、初の4ドアとなるforfour。トリディオンと四隅に配したタイヤ、張り出したフェンダーで変身コルト。
1.3の標準は14インチと鉄ッチン・ホイールだが、テスト車はオプションの15インチ・アルミを装備。タイヤはコンチ・プレミアムコンタクト。サイズは195/50R15。



……にしてはよくできている。


昨年のフランクフルトでデビューしたスマート初の4ドア、forfourが日本上陸。
早速1.3をテストする機会を得た。
文=今尾直樹(本誌) 写真=望月浩彦



Smart forfour/スマート・フォー・フォー
骨格は同じでも

日本仕様のスマートforfour は予定通り、1.3 と1.5 の2本立て。外観ではトリディオン・セーフティ・セルの色が1.3 はブラック、1.5 はシルバーになることで一目瞭然。もっとも、両方にチタニウム・グレーという共通のカラーが用意されていて、これを選ぶと、どっちなのかにわかにはわからない。
 ポリカーボネイト製のボディ・パネルは、それぞれ10 色から選ぶことができる。
 三菱との共同開発になるforfour は、コルトとプラットフォームを共用する。ボディ・サイズは全長×全幅×全高= 3790 × 1785 × 1460mm、ホイールベース= 2500mmちょうど。コルトより80mm短く105mm幅広く90mm低い。けれど、前1460 /後ろ1445mmのトレッド、ホイールベースはコルトとまったく同じ。骨格は同じでも着こなしでずいぶんガイジンぽく見えるといいますか、スマートのキャラクターがしっかりしていればこそできるテクニックだろう。
 エンジンは1.3、1.5ともに三菱のMIVEC エンジンをベースにしていながら、ボア×ストロークを微妙に変えてロング・ストロークに変更されている。コルトの1.3 は75.5x75.0mmでショート・ストロークの1343cc、スマートは75.0x75.4mmの逆さまで1332cc。最高出力と最大トルクはスマート1.3 が95psと12.7kgm で、コルト1.3 の90psと12.3kgmを上回る。コルトの1.3 はせいぜい140 万円ぐらいで、forfourは184.8万円と2割以上も高いのだから、この程度の差別化は必要というもの。1.5 の場合はこの差はさらに顕著で、forfour が109psと14.8kgm、コルトは98psと13.5kgmに留まる。車重はforfour1.3が1030kg、1.5が1060kg。コルトの方がグレードによってはちょっぴり軽い。
 機能面での違いは、パワー・ステアリングがforfour は電動のEPSなのに対して、コルトは通常の油圧、ギアボックスがforfourは6段ロボットAT なのに対して、コルトはCVT。タイヤ・サイズは1.3 は175/65R14で日独同じ、1.5 はともに15インチながら、forfourの方が扁平率が小さい195/50を採用している。


日本にあるかい

 スペックはかように似ていても、乗るとたぶん、ぜんぜん違う。直接乗り較べていないので、「たぶん」と書いたが、forfour はsmartブランドであるという説得力を持っている。まずもって見た目がスマートである。テスト車は1.3だからトリディオンはブラックとなり、ボディ・パネルに黒を選ぶと真っ黒けになってしまうけれど、そこでこの赤内装の鮮やかさを見よ。日本にあるかい、という感じ。
 走り出して印象的なのは、ソフタッチ・プラスと呼ばれるロボット式6ATが、本年2月にローマで開かれた国際試乗会時よりうんとよくなっていること。シフトが素早くスムーズに、上手になっている。これは日本上陸に際して、日本サイドからカイゼンを求めた結果だという。1.3ユニットの場合、高回転でやや振動を伴うのが玉にキズだが、マニュアルでバンバン、シフトして上まで回し、やや非力なクルマをスポーティに走らせる楽しみというのもある。
Smart forfour/スマート・フォー・フォー
ロールは控えめ。電動パワステはフィールがイイ。可変バルブ・タイミングを備える4気筒DOHC。1.3は95ps/6000rpmと12.7kgm/4000rpmを発生。スマート風に仕立てたインテリア。ヘッド・ルームはそうでもないが、総じて狭くはない。シートはスマート! つまり大いによろしい。後席は前後に150mmスライドする。三菱のアイディアながら便利。後席は分割可倒式でダブル・フォールディング。



 ステアリングはロック・トゥ・ロックが3回転で、特にシャープというわけではないが、とても素直で感じがイイ。乗り心地のよさは特筆すべきで、これはダンパーに高価なモノを使っておられるからでしょうか。オプションの195/ 50R15インチでも、硬すぎず、柔らかすぎず、ファームで、小型車としてはしっとり目。ロールも自然です。
 今回は限られた時間のチョイ乗りだったので、結論を急ぐことはしない。果たして本格的小型車市場に打って出たスマートが日本でどう受け入れられるか。真打登場というよりは、ツナギの代打だけれど、それにしてはよくできております、の太鼓判。
 
 
最新記事一覧
Driving Lesson
エンジン・ドライビング・レッスン
「エンジン・ドライビング・レッスン2017」の受講生募集を開始します。今年の開催は全3回…
Cars Driven/試乗記
SUBARU LEVORG/スバルBR…
新しいプラットフォームの採用で、一躍スバルの看板車となったインプレッサ。でも、ちょっと待った。
NEWS
Mercedes-Benz AMG GT3R…
メルセデスAMG・GTの走行性能をさらに際立たせたGT・Rが日本で買えるようになった。
NEWS
ポルシェ911が一部改良。
ポルシェはすべてのモデルで年次改良実施。新型パナメーラから導入された車内でオンデマンド・サービ…
Cars Driven/試乗記
BMW 530e & 430iENGINE R…
新型5シリーズ・ツーリングと時を同じくして上陸したBMWの新作2台、530eと430iに乗ってみた。まずは…
NEWS
VW up!/VW アップCAR PE…
新型アップ!に内外装をSUV風に仕立てたクロス・アップ!が限定販売ながら追加された。
NEWS
Porsche 911 GT2 RS/ポ…
ポルシェ911に、GT3RSを超える新たな頂が現れた。高出力化だけでなく、軽量化にも拍車がかかった怪物…
NEWS
全米熱狂のカーアクショ…
天才的なドライビング・テクニックを持つ若者を主人公にしたアクション映画が、全米で大ヒットしてい…
WATCH SPECIAL CONTENTS
バーゼル新作時計見本市…
バーゼルで時計の見本市が初めて開催されてから今年は100周年。スイス時計産業の歴史と伝統を語り…



バックナンバーページの定価表記について
「ENGINE 2014年3月号」以前の定価表記は、発売時の定価になっております。
予めご了承くださいますようお願い申しあげます。



▼試乗記 最新5件
 スバル・レヴォーグがマイナーチェンジ!
 530eに驚き、430iに感心する。
 レンジ・スポーツのディーゼルに乗る。
 7年ぶりに日本市場へ帰ってくる新型シビックのプロトタイプに乗る。
 キャデラックのセダンにイッキ試乗