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新型シトロエンC5箱根試乗会より報告。


CITROEN C5/シトロエンC5
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CITROEN C5/シトロエンC5

04年秋のパリ・サロンでデビュー。サルーンは全長×全幅×全高=4740×1780×1480mm。ブレークは100mm長く、90mm高い(ルーフ・レール分)。ホイールベース=2750mm。車重は2.0で1430kg。V6は+130kg、ブレークは各+50kg。プラットフォームはプジョー407と共通。


アバンギャルド復活!


2000年のパリ・サロンでデビューしたシトロエンの中型サルーン、C5が
フェイスリフトを受け、ニッポン上陸。C4似のスルドい顔が期待をあおる。
文=今尾直樹(本誌) 写真=神村 聖


新しくも力強い
 新型C5の最大の特徴は、フロントにダブル・シェブロンをアレンジしたグリルを得て、シトロエン本来のアバンギャルドっぽさを取り戻したこと。ヘッドライトはBMW5シリーズにも似たつりあがり型で、強気な印象。C4と共通イメージの顔を与えることで、シトロエンは新しくも力強いデザイン・アイデンティティを確立しようとしているのだ。
 一方、サルーンのリアはフロントに対応してブーメラン型のテール・ライトに。これらの意匠変更の結果、サルーンは前後オーバーハングが60mmずつ伸び、全長4740mmとなった。荷室が15リッター拡大しているのは実用性を重んじるフランス車の真骨頂というべきか。ブレークと呼ばれるワゴンはフロントのみ変更。フロントのボンネットはアルミ化された。
 日本仕様のエンジンは従来通り、2リッター直4と3リッターのV6。ただし、直4は可変バルブ・タイミング付きとなって6psと1kgmアップ。V6は吸気側カムシャフトのバルブ・タイミングが見直されると同時に、ニッポンのアイシン製6ATが採用された。ボディはサルーンとブレークと呼ばれるワゴンの2種類が選べる。
 ハンドルは右が基本で、V6サルーンのみ左も選べる。


ブレークのリアは変わらず
ブレークのリアは変わらず。
ハイドラクティブIII

 ということで箱根で開かれた試乗会では短時間ながら、2リッターのサルーンとブレーク、3リッターのブレークの3台に乗ってみた。最も好印象を得たのは、何を隠そう2リッターのサルーンである。
シルバーを効果的に使って、メリハリがついたインパネ(2.0)
写真上から、シルバーを効果的に使って、メリハリがついたインパネ(2.0)。贅沢な革内装(V6)。可変バルタイを得た2リッター直4。3リッターV6は210ps/6000rpm、30kgm/3750rpm。
 C5はハイドラクティブIIIと呼ばれる電子制御の油圧サスペンションを備える。オイルと窒素ガスがスプリングの代わりとして使われるシトロエンの代名詞、ハイドロニューマチック・サスペンションの最新版で、ハイドラクティブIIIの場合、本来はコンフォートとスポーツの切り替えが任意でできるのだが、今回、2リッターはそれが省略されている。省略されているのだからハイドラクティブIIIと呼ぶべきではないのでは? と推察するが、そこは鷹揚。乗り心地も鷹揚である。切り替えがない分、かえって懐が深いように感じられる。控えめに言って、乗り心地はもんのすごくよい。ふにゃらふにゃらと路面の凸凹をいなして走り、ほぼ完璧に角張ったショックを乗員に伝えない。見事なコンニャク戦法。芦ノ湖スカイラインのような山道では深々とロールして、ロード・ホールディングは素晴らしい。
 143ps/6000rpm、20.8kgm/4000rpmを発生する2リッター直4DOHCはなかなか活発。以前はギクシャクする原因だった4ATも改善されているようで、乗り心地のようにスムーズな変速を実現する。とはいえパワートレインはあくまで黒子。クルマ全体に軽快感があるのは、雲の上を行くような乗り心地ゆえである。
 ブレークは、荷物をたくさん積む必要がある人にはオススメだが、サルーンでも嵩張るモノは積める。静粛性で勝るのと、リアのスタイルがこっちの方が好きさ、ということで私は2リッターのサルーンを選ぶ。
 V6モデルは、硬軟切り替えのハイドラクティブIIIが、たとえコンフォートでもややツッパリ気味に感じた。まるでタイヤがひとまわり大きいみたい。事実は215/55R16で同サイズ、同銘柄のミシュラン・プレマシーだから、ああ、カン違い。ただし、指定空気圧は車重の重い分、V6の方が若干高くなる。V6はフロント荷重が120kgも重くなり、ノーズ・ヘビー感もある。パワーに比してステアリングの取り付け部が弱い印象も受けた。美点は2リッターより圧倒的に力強いこと。努力ナシで速い。革内装は2リッターでは28万3500円(消費税込み)のオプションだが、V6にはもれなくついてくる贅沢。シブ好みでないシトロエニスト向け。
 車両本体価格はC5サルーンの2.0が360万5000円、V6エクスクルーシブ(革内装)が458万6000円。ブレークはそれぞれ22万1000円高。
 昼行灯みたいだったC5が、輝きを取り戻した。これは自動車界全体にとって慶賀である。めでたい。




(2005年2月号掲載)
 
 
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