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ボルボの人気限定車V70R&S60Rに乗る。


VOLVO V70R
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VOLVO V70R

エンジンはともに2.5リッター直5DOHCターボで、最高出力は300ps/6000rpm、最大トルクは35.7kgm/1850-6000rpm。
価格はV70Rが709.0万円(700台限定)。S60Rは662.0万円(05年3月31日までの期間限定)。


シャープだぜ!


ボルボのハイパフォーマンス・カー、
V70RとS60Rの2005年モデルが特別限定車として発売された。
出るたびに完売のRシリーズの最新モデルに、
鹿児島は指宿で試乗した。
文=塩澤則浩(本誌) 写真=神村 聖


スポーティで豪華
 2003年夏に限定車として発売されたV70RとS60Rの2005年モデルが、ワゴンは700台の台数限定、セダンは3月末までの期間限定で発売された。両車は、ボルボ史上最強の300psのパワー・ユニットを搭載したハイパフォーマンス・カーで、2001年の東京モーターショウに参考出品したPCC(パフォーマンス・コンセプト・カー)の市販モデルだ。95年に登場したクリームイエローの850T-5Rに端を発するRシリーズは、通常モデルよりスポーティで豪華な仕様が特徴。これまでにも何度か限定というかたちで発売されているが、出るたびに完売するほど人気がある。V70とS60にはそれぞれ、カタログ・モデル上でもっともスポーティな2.4リッター・ターボで260psのT-5スポーツがラインナップされているが、Rには、2.5リッターまで排気量が拡大され、ターボの過給圧を上げた300psのエンジンが搭載されている。また、パワー・アップにともなって、電子制御アダブティブ・サスペンションのFOUR-Cにも、T-5スポーツにはないアドバンスト・モードが追加された。

VOLVO S60R
VOLVO S60R
S60Rの全長×全幅×全高は4635×1815×1430mmで、ホイールベースは2715mm。車重は1650kg。V70Rは4710×1815×1470mmで、ホイールベースは2775mm。車重は1720kg。
アルミニウムのベゼルとメタルブルーのフェイスが斬新なR専用メーター
(写真左)アルミニウムのベゼルとメタルブルーのフェイスが斬新なR専用メーター。ライトをオンにすると徐々に照度がアップする凝った演出は見もの。
(写真右)試乗車のシートは、メーカーオプション。コーティングを抑えた自然な風合いは良質なソファのよう。


仕立てのいいソファ

 試乗車のドアを開けると、控えめな北欧調のボルボにしてはアグレッシブな内装に驚く。オプションのエクスクルーシブ・ナチュラルハイドの内装は、10頭に2頭の割合でしか得られない最高級の皮革を使っているだけあって、肌触りの滑らかさは仕立てのいいソファのようだ。オプション代21万円は高くない。
 FOUR-Cと呼ばれるアダプティブ・サスペンションは、コンフォート、スポーツ、アドバンストの3つのモードが選択できるが、走りの仕立てもいい。コンフォートはもちろんスポーツでも決して乗り心地は悪くない。鹿児島市内から高速道路、指宿スカイラインというルートを走ってみたが、スポーツの硬すぎず柔らかすぎないフラットな乗り心地は洗練されていると思った。一方、R専用のアドバンストでは、劇的に走りが変わる。まるでジキルとハイド。ダンピングが強力で、悪路ではさすがに硬すぎると思ったが、滑らかな路面では吸い付くように走って痛快この上ない。
 2.5リッターのハイプレッシャー・ターボは、実用域を重視したボルボ得意のフラット・トルク型で、低回転から必要にして十分以上のトルクがある。ボルボ流のターボの躾はいたずらに過激にしないこと。もちろん最高出力が300psもあるので速い。でもその速さが暴力的でなく、どこか穏やかなのがボルボらしいと思う。
 もっとも感激したのはシャープになったハンドリング。以前プライベートで940のワゴンを所有していたことがあるが、かつてのボルボはどちらかというと走りはおおらかで、ハンドリングもお世辞にもシャープとはいえなかった。それがこのRはロック・トゥ・ロックが2.4回転(ノーマル・モデルは3回転、T-5スポーツでも2.7回転)とクイックになり、センター付近の不感帯もほとんどなくなっている。FOUR-Cの巧みな制御も手伝って、ステアリングを切り込んだ時のボディの動きが自然で、指宿スカイラインのタイト・コーナーが連続するセクションでは、思いどおりのラインで走ることができた。あまりに楽しいので、何度も往復してしまったほどだ。
300psを発生する2.5リッター直5DOHCハイプレッシャーターボ・エンジン
(写真上)300psを発生する2.5リッター直5DOHCハイプレッシャーターボ・エンジン。ブルーに塗られたヘッド・カバーはR専用。
(写真下)R専用の18インチ・アルミホイール。
リア・バンパーは新デザインを採用。スポイラーにはスリットが入る
リア・バンパーは新デザインを採用。スポイラーにはスリットが入る。
 V70RとS60Rでは、動力性能に差はない。ただ、セダンのS60Rの方がワゴン・ボディのV70Rより全長が短く70kg軽いこともあって、若干走りが軽快な感じがした。走って楽しいボルボ。限定などといわず、できればカタログ・モデルにして欲しい。




(2005年2月号掲載)
 
 
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バックナンバーページの定価表記について
「ENGINE 2014年3月号」以前の定価表記は、発売時の定価になっております。
予めご了承くださいますようお願い申しあげます。



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