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6年ぶりフル・チェンジのトヨタ・ヴィッツに乗る。


TOYOTA VITZ/トヨタ・ヴィッツ
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トヨタ・ヴィッツ
内外ともデザイン・レベルは高い。スポーツ・モデルの1.5RS。他モデルより+50mmの3800mmの全長。全幅は1695mm、全高1520mm。バンパー&スポイラー一体型のフロント・エンドは、他モデルより彫刻的にエッジが強められている。



よさそうだが無味乾燥


コンパクト・カー・ブームの火付け役となったトヨタのヴィッツ。
この欧州戦略モデルがフル・モデルチェンジ。試乗会に行った。
文=鈴木正文 写真=神村 聖



カッコいい

 あたらしいヴィッツ、カッコは好きだ。6年前にデビューした旧型もカッコいいとおもったが、そのイメージを踏襲しながら旧型にはなかった凝縮感を持ち、それでいて内側からパンと空気が張り出してきている、そんな充実感もある。いいスタイルだとおもう。サイドから見た姿=プロフィールもいい。フロントのサイド・ウィンドウが、ほとんど水平にちかく寝たAピラーの付け根にむかって、えぐれるように下降しているのが、ウェスト・ラインあたりのボディのふくらみを強調してダイナミックな印象を与える。全長3.75メートルのボディは2.46メートルという相対的に長いホイール・ベースの上に載るから、1520〜1540mmと背が高いのに、腰が浮いたような落ち着きのなさはない。ルーフが後端へとなだらかに落ちながら収束していくのも視覚的安定感をえるのにひと役買っている。そして、ボディのはじっこギリギリに配されたタイヤのホイール径が14〜16インチと十分なサイズなのは、小さいクルマでもしっかりしているゾ、走りがいいゾといっているようだ。
 メーターをダッシュボード中央にもってきて、それに連続するセンター・コラムにスイッチ類を集約したインテリアもモダンで、デザイン的にも水準が高い。おかげで何もないドライバー・サイドとパセンジャー・サイドのダッシュボードには大きな収納ボックスが設けられ、その他ステアリング・ポスト下部やセンター・コラムの両脇、助手席シート下等々、そこらじゅうに収納スペースがつくられている。そんなに入れるものないよ、といいたくなるぐらい。シートやドア・トリムに使われるファブリックも質感よし、だ。
TOYOTA VITZ/トヨタ・ヴィッツ
 1.0(71ps)、1.3(87ps)、1.5(110ps)の3種の直列4気筒DOHCを積むのは旧型とおなじだが、前輪駆動モデルについては“スーパーCVT-i”と呼ばれる新開発の自動無断変速機が全車に用意される。5段マニュアルは1.5リッターのスポーティ機種でのみえらべ、1.3リッターに設定される4WDは4ATのみの組み合わせとなる。
 新開発されたプラットフォームは、こんごファンカーゴ、イスト、bBなどにも使われていくことになるもので、ボディ剛性は大幅に強化され受動的安全性も飛躍的にレベル・アップしたという。


骨格しっかり

 トヨタのヨーロッパ戦略車種にして、コンパクト・カー・セグメントの大黒柱という重要なポジションのクルマにもかかわらず、試乗会がおこなわれたのは横浜のみなと未来地区と、高速道路も走れないし、ワインディング・ロードにもいけない場所だった。それゆえ、ディーラーでのチョイ乗りレベルのことしかできなかったので、ここでは本当にかんたんな第一印象でしか試乗の結果を語れない。
 という前置きでいうと、クルマとしての骨格はしっかりしているという印象はえた。おそらくもっとも多数出ることになるとおもわれる1.3リッターの14インチ・スティール・ホイールのモデル(121.8万円)なんかでも、ブレーキは頼もしい剛性感と節度感に満ちており、「トヨタ、やるなあ」とおもった。乗り心地は街中だけなので断定的なことはいえないが、16インチの195/50タイヤを履いたスポーツ・モデルの1.5RSは、路面が悪いとシャープな突き上げを許したものの、その他の機種は絶対的に小さくて軽い(どれも1000kg内外の車重)のに十分快適だった。ちなみに、オート・エアコン装着車には“花粉モード”が付いていて、顔まわりを中心に30秒ぐらいで衣服についた花粉もふくめて吸い込んでくれる、なんていう世界初の快適装備があった。親切だ。
 と、いいといえば、なかなかよさそうにもおもえるのだが、フィールの弱い電動パワステのせいなのか、モワッとしたCVTのせいなのか、運転してて無味乾燥きわまるのがどうにも腑に落ちなかった。

横置きされる1.5リッターDOHC4気筒は110ps/6000rpmと14.4kgm/4400rpmを発生する
横置きされる1.5リッターDOHC4気筒は110ps/6000rpmと14.4kgm/4400rpmを発生する。リア・シートはこれは6対4の分割可倒式だが、ほかに一体可倒式のものもある。274リッターのラゲッジ・スペース容量は旧型より30%以上も増大している。いちばん下は1リッター・モデル。パワーは71psにすぎないが、街中を走るかぎり、とくに動力性能的なハンディは感じない。価格は1.0リッターの105万円から1.5リッターのRSモデルの159.6万円まで。外装色は全11色と充実しており、内装色は3パターン。



(2005年4月号掲載)
 
 
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