ENGINE online/エンジン オンライン

13年目にして初登場のワゴン版ランエボにサーキットで乗る。


三菱ランサー・エボリューション・ワゴン
クリックすると拡大
Mitsubishi Lancer Evolution Wagon/三菱ランサー・エボリューション・ワゴン
6MTの「GT」と5ATの「GT-A」があり、2リッター直4ターボは前者が280ps、後者は272psの設定。全長×全幅×全高=4520×1770×1480mmでGT-Aは全長のみ10mm長い。ホイールベース=2625mm。車重=1500kg/1540kg。車両価格=346.5万円/341.25万円。


軽快と重厚の好バランス


1992年に初代が誕生し、今年3月には9代目まで進化した
ランサー・エボリューションに初のワゴン・ボディが登場した。
ATモデルも用意される新スポーツワゴンの実力は?
文=村上政(本誌) 写真=神村 聖


「速く快適に」の考え方から
 13年目にして、なぜワゴンなのか。その背景には、ここ数年のランエボの性格の変化がある。そのきっかけとなったのは、2002年1月登場の「エボVII」にシリーズ初のATモデルが投入されたこと。以来、それまでの「速さ」の追求に加えて、「快適さ」をも兼ね備えたトータルなドライビング・プレジャーを実現することが、もうひとつの進化の流れになっていたのだ。
 その「速く快適に」の考え方をさらに推し進めたのが、今回のランサー・エボリューション・ワゴンということになる。基本プラットフォームは、今年3月に登場した「エボIX」のものを流用。それにランサーワゴンのボディ・サイド・パネルとルーフ・パネルを結合したものだが、むろん「エボ」の名に恥じぬようボディ剛性を高めるべく、リアまわりを中心に大幅な補強が施されている。テールゲート開口部に50点あまりに及ぶスポット溶接の増し打ちをするとともに、リア・シートの後ろに大型のリア・フロア・クロスメンバーを追加。また、遮音材もセダンより多く使って、快適性の面でも、さらなる向上(写真下)がなされている。
 エンジンとトランスミッションの組み合わせは2種類。6速MTモデルの「GT」には、エボIXで新開発された吸気側に可変バルブタイミング機構を持つ280psのMIVECエンジンを、トルクのみ1.5kgm抑えた40.0kgmにして搭載。一方、5速ATモデルの「GT-A」には、エボVIIのATモデルと同じ272psのものを採用している。いずれもサスペンションはエボIXと同じで、ダンパーはビルシュタイン。フロント・ディフは、GTがヘリカルLSD、GT−Aがオープン・タイプのノーマル・ディフになる。センター・ディフは三菱独自のアクティブ・センター・ディファレンシャル・システムで共通。リアの機械式LSDも共通だ。

(写真右中)エンジンはGT用の2リッター直4ターボMIVEC。最高出力=280ps/6500rpm、最大トルク=40.0kgm/3000rpmを発生。GT-A用は最高出力=272ps/6500rpm、最大トルク=35.0kgm/3000rpmとなる。
(写真右下)ブラックを基調とする内装はエボIXとほぼ共通だが、細部にメッキを施し、質感を向上させている。
(写真下)フロント・シートはレカロ製のバケット。リア・スタイルは平板な印象。荷室にはタイヤ・ハウスが張り出す。

三菱ランサー・エボリューション・ワゴン
Mitsubishi Lancer Evolution Wagon


ノーズがグイグイと内に

 最初に試乗したのはGT-A。外観上の識別点は、フロントのナンバー・プレートが中央にあることだ。GTではインタークーラー冷却のために、フロント・バンパー左下につけられている。
 専用のレカロ・シートは、セダンより若干ゆったり目で、サイド部が低められて乗り降りしやすい設定。走り出してまず感心したのは、剛性感が十分にあり、ワゴンのユルさはまったくないということだった。安定感は抜群で、リアがセダンより重くなっている分、どっしりと落ち着いた印象がある。ステアリングやペダル類の操作系はやや重めの設定で、手応えがある。
 速さはこれでも十分すぎるくらいで、なによりビックリしたのは、コーナリング中にノーズがグイグイと内に入っていくような動きを見せることだった。切り始めはあまりシャープとは思えないのだが、一呼吸おくとノーズがグイグイ入り始める。あとはアクセルを踏んでいけば、LSDがうまくトラクションをコントロールしながら、物凄いスピードで立ち上がれる。
 全体的に軽快さと重厚さのバランスが絶妙で、乗り心地も快適。セダンとはひと味違う乗り味だと思った。
 一方、GTの方は、これとは比較にならないくらい速く、軽快感が強い。クルマを振り回しながら乗れる感じで、ワゴンといえども明らかにスポーツ志向。ノーズの入り方もさらに鋭くなる。ただし、ワゴンとしてのトータル・バランスを考えればATモデルの方がお勧めだ。残念なのは、リア・スタイルがあまりに平板なこと。もう少しスタイリッシュにして欲しい。

Mitsubishi Lancer Evolution Wagon/三菱ランサー・エボリューション・ワゴン
Mitsubishi Lancer Evolution Wagon/三菱ランサー・エボリューション・ワゴン


(2005年11月号掲載)
 
 
最新記事一覧
SPECIAL
今年もやります!“FUJIオ…
エンジン・ドライビング・レッスンの午前中のプログラムとしてお馴染みのオーバル・レッスン。
Driving Lesson
エンジン・ドライビング・レッスン
「エンジン・ドライビング・レッスン2017」の受講生募集を開始します。今年の開催は全3回…
NEWS
東京の代官山スクエアを…
BESSが木の文化に親しんできた日本人の感性でつくり、世界に向けて発信する新世代ログハウス「G-LOG(…
NEWS
ヴァンクリーフ&アーペ…
3月1日(水)〜4月18日(火)の20:30〜26:00、ヴァンクリーフ&アーペル銀座本店のウィンドウが、光…
NEWS
東京の日本橋三越本店本…
3月15日(水)〜28日(火)、東京の日本橋三越本店本館6階 時計サロンにて、「ラルフ ローレン SAFAR…
NEWS
ミュージカル映画を仕掛…
2月26日に授賞式が行われるアカデミー賞。その大本命とされるミュージカル映画を仕掛けたのは、3年前…
NEWS
「トヨタ・マスター・プ…
4月15日(土)〜26日(水)、トヨタ自動車はウィーン国立歌劇場の特別協力のもとウィーン・フィルハー…
NEWS
全国16カ所のスキー場に…
3月31日(金)まで、全国16カ所のスキー場にあるサロモンレンタルステーションと、全国11ヵ所のサロモ…
NEWS
CORVETTE GRAND SPORT CO…
「ENGINE大試乗会」の1台でもあったシボレー・コルベット・グランスポーツ。内外装をさらに精悍なイ…
NEWS
東京オートサロンで決起…
NASCARに挑戦する日本人ドライバー、古賀琢麻選手が東京オートサロンで決起集会!



バックナンバーページの定価表記について
「ENGINE 2014年3月号」以前の定価表記は、発売時の定価になっております。
予めご了承くださいますようお願い申しあげます。



▼試乗記 最新5件
 ポールスター・エディションを試す。
 メルセデスSUVのリーダー、Mクラスがモデルチェンジ!
 ルノー・スポールが手掛けた3台の最新モデルに富士スピードウェイでイッキ乗り。
 メルセデス・ベンツSLの頂点、63AMGが上陸!
 パサートCC改めフォルクスワーゲンCCになって新型登場。