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ルノー・メガーヌ、4年目のお色直しを受ける。


RENAULT MEGANE/ルノー・メガーヌ
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ルノー・メガーヌ1.6(4AT/240万円)
ルノーの中核モデル、メガーヌの2代目として、2002年秋にデビュー。全長×全幅×全高=4240×1775×1460mm。ホイールベース2625mmは、2575mmのゴルフより50mm長い。衝突安全テストのユーロNCAPで最高の5つ星を獲得しながら、車重は1250kgと、1.6リッターのゴルフEより70kgも軽い。そのわりにドライブ・フィールはボテッとしているのが不思議。乗り心地がきわめてフラットで、上下動が小さいのも、そう感じる要因か。日産ラフェスタと共通の二重床構造のダブル・フロア・プラットフォームの恩恵で、走行時の騒音レベルがきわめて低い。床に物入れがあるのも二重床構造ならでは。






ちょっと穏健派に転向。


本国では2002年秋に発表となった現行メガーヌが4年目のフェイスリフトを受け、
日本市場でも発売となった。
文=今尾直樹(本誌) 写真=柏田芳敬



フロント・マスクのカドがとれた

 これから書くことは、ものすご〜く細かい話である。それというのも、現行メガーヌは発売以来、独創的なお尻美人スタイルが好評を博し、05年は西ヨーロッパで約62万台を販売、Cセグメントで販売台数第1位を記録した大ヒット作であるがゆえに、ルノーのデザイン・チームは外観にほとんど手をつけなかった。メカニズムもまたしかり。それでも、ルノーはビフォー/アフターの差別化を図らなければならず、私はその微小な差異を語らねばならない。
 まずもってフロントである。上の写真をよ〜く見ていただきたい。整形前との違いがお分かりになるであろうか。整形前はグリルが水平基調で、ヘッドライトとのつなぎ目に150°ぐらいの緩い角度がついていた。角度がついていると、当然のことながら、カドが立つ。グリル周辺も、面と面が折り紙細工のように複雑にペキペキしていて、カドが立っていた。その微妙なカドの立ち方に人間は新鮮さを覚えた。
 いま再び、新型メガーヌのフロントまわりを見ていただきたい。菱餅形のルノーのマークを中心にして、グリルとヘッドライトのラインがまっすぐ伸び、翼を広げているよう
RENAULT MEGANE/ルノー・メガーヌ
にも見える。菱餅形のマーク自体は基本的に変わっていないが、その周囲は円満な曲面を描く。バンパー下方のグリルも、水平基調から曲線基調に変更された。ルノー・メガーヌはデジタル的で複雑な面構成とオサラバし、つまりは成功後、何かとカドを立てようとした急進派的姿勢を改めようとしたわけだ。
 なお、2リッターモデルは、バンパーとサイド・モールがボディと同色になったが、試乗会で筆者に割り当てられたのは廉価版の1.6モデルであった。それゆえ、バンパーとサイド・モールは黒いままである。
 リアはテールライトの形状が変更を受けた。以前は白い部分が縦型だった。縦方向のモノは倒れる可能性がある。すなわち不安定方向のデザインなのである。成功を手に入れ、水平方向に転向したわけである。水平が意味するもの、それは安定。



ステアリング・フィールがよくなった

 メカニズム上、変更点はない。これから書くことは、ものすご〜く細かい装備レベルの話である。前述のごとく、私が試乗会で割り当てられたのは廉価版の1.6モデルであった。1.6の改良ポイントは大きく申し上げて、といっても細かい話だが、2つ。ひとつは、ステアリングが革巻きになった。ドライバーが自動車を運転している間、ずっと手にしているのはステアリングである。それの触り心地がよくなった。手で触っていて気持ちイイものは、ただ触っているだけで気持ちイイ、という事実は多くの読者の知るところであろう。ふたつめはアロイ・ホイールが標準になった。それやこれやで、メガーヌ1.6は、5MTが220.5万円から230万円に、4ATは231万円から240万円に値上げされた。2.0は6MTが265万円、4ATが270万円である。
 試乗してみると、電動パワー・アシストのステアリング・フィールが自然でダイレクトになっている。フィールを改善すべく、ステアリング機構の一部ゴム部分が取り除かれたことが効いているのだろう。これは、05年に登場したメガーヌRSの限定車、トロフィーで施された改良が全モデルに適用されたもの。全体に静かなことは印象的で、リアがどっしり安定しているがゆえに、もう少し前輪を軸に回る、FFらしいキビキビ感があったほうがいい、と私なんぞは思うが、これを安定感と解釈するむきもあろう。
 メガーヌは、廉価版の1.6も含めて、8エアバッグが標準装備される。自動車の安全性は人間の生存権にかかわる。生存権は基本的人権のひとつとして、わが日本国憲法でも認められている。でも、財政破綻した夕張市の報道とかを見ていると、わが国の生存権は、8エアバッグは多すぎるので減らしなさい、と判断されそうなレベルである。フランスはエライ感じ。


1.6も革巻きステアリングに昇格。2.0ではシルバー・パネル部分が増えて、質感が向上。
1.6も革巻きステアリングに昇格。2.0ではシルバー・パネル部分が増えて、質感が向上。シート生地は明るくなった。1.6リッター直4DOHCは113ps/6000rpmと15.5kgm/4200rpmで変更なし。ゴルフEの6ATに対して、4ATしかないのがスペック上の弱点だが、価格は4500円安。これが標準装備化されたアロイ・ホイール。タイヤはミシュラン、サイズは205/55R16。



(2007年2月号掲載)
 
 
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