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日本に上陸したフリーランダー2に乗る。


ランドローバー・フリーランダー2
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LAND ROVER FREELANDER 2


ランドローバーフリーランダー2
イギリス本国ではディーゼル仕様が9割以上を占めるフリーランダー2だが、日本に輸入されるのはガソリン・エンジンを積む“i6”のみで、S(390万円)、SE(460万円)、HSE(530万円)の3グレード構成。今回試乗したHSEはレザー・シート(前席は電動調整式でヒーター付き)、自動防眩ルームミラー、プライバシー・ガラス、DVDナビ、アダプティブ・フロントライティング・システム、18インチ・アルミなどを装備した豪華版。エンジンはボルボXC90/S80/V70用と基本的に同じ3リッター直6を横置きに積む。
最高出力232ps/6300rpm、最大トルクは32.3kgm/3200rpm。全長×全幅×全高=4515×1910×1765mm。
i6はアイシン製6AT仕様のみ。



530万円は大バーゲンか!


オフロードの貴族、レインジ・ローバーの末弟、フリーランダーが10年ぶりに
2代目に進化。最上級グレード“i6 HSE”に朝霧高原で試乗した。
文=数藤 健(本誌) 写真=望月浩彦



 梅雨の朝霧高原はミルク色の濃霧に覆われていた。試乗会基地の「朝霧スクエア」駐車場にズラリと並ぶ色とりどりのSUVの姿は、ぼうっと霞んで見えた。しかし、遠目からもそれらがランドローバー家の一員であることはハッキリとわかった。それぐらい特徴のあるプロポーションを有している。
 フリーランダー2の外観デザインはひとことでいえば“ミニ・レインジ・ローバー”である。クラムシェル(貝殻)ふうのボンネット、シルバーに塗られたダイアモンド・メッシュ模様入りのフロント・グリルとフェンダーの通気孔、一部がつながった丸目4灯……。フリーランダー2は、ランドローバー伝統のデザイン・キューを巧みに取り入れている。

 水平のラインと垂直のラインが交錯する建築風のインテリアも、レインジを彷彿とさせる。インパネには旧型よりメッキ・パーツが増え、高級感が上がった。「角目の2代目レインジやディスカバリー1、2から乗り換えるかたも結構います」と広報の森川修さん。確かに、この内外装ならグレードダウン感はあまりない。
 エンジンをかけて、霧の中、一般道を流す。乗り心地がとってもイイ! 大きくうねった路面ではしなやかに脚を伸縮させて、ショックをスーッといなす。タップリととられたサスペンション・ストロークの恩恵だ。スプリングは柔らかいが、ダンパーの減衰力が十分確保されていてムダな上下動がほとんどない。
 本栖湖が近づいてくると霧が消え、ペースを上げた。アスファルトに開いた大穴に気づいたときは、すでにスピードに乗っていて避けることができなかった。「ドカン!」というきついショックに身構える。
 しかしフリーランダーは肩すかしを喰わせるように「タンッ」という音を残しただけでショックを一発で収束、ボディをミシリともいわせずに次のコーナーに向けて突っ走っていった。試乗前のプレス・カンファレンスでの「フリーランダー2よりボディ剛性が高いSUVは、ポルシェ・カイエンとレインジ・ローバーだけです」という説明に偽りはないのだった。


ランドローバー・フリーランダー2
LAND ROVER FREELANDER 2
ランドローバー・フリーランダー2
(写真左)エア・サスではないため上級車が持つ車高調整機能は持たない。
(写真中)シフトノブ前に 1)通常走行 2)草地・砂利・雪 3)泥・轍 4)砂地の4つの走行モードを切り替えられる“テレイン・レスポンス”のダイアルが備わる。
(写真右)後方が一段高い“ステップト・ルーフ”も初代から受け継ぐ。


スポーティ!

 特筆すべきは、車重1920kg、全高1.7m超のSUVとは思えない俊敏な身のこなしを見せること。ロック・トゥ・ロック2.6回転のステアリングは接地感にあふれ、レスポンスもいい。スタビライザーのおかげでロールは小さく、アンダーステアも軽い。フルタイム4WDゆえトラクションにも優れ、霧雨で濡れたスリッパリーな山道を安心してたのしく走れた。
 ボルボ製3リッター直6エンジンは、2000rpmで最大トルクの90%を発生する。回転感は旧ローバー製2.5リッターV6より圧倒的に緻密、かつスムーズ。トルキーなうえ、高回転も得意だ。マニュアル・モードに入れて6500rpmのレブ・リミットまで引っ張ると、「クォーン!」という快音を発する。その際、不快な振動は発生しない。
 特設のオフロード・コースは濃霧のために1周しか走れなかった。しかし、ランドローバーのアイデンティティともいうべき高いオフロード踏破性能は、昨年11月にモロッコで開催されたフリーランダー2の国際試乗会で確認済みだ。砂丘の、斜度約30度の急勾配を、ステアリング以外はクルマ任せでそろりと下った。窓を開けたら水が入ってきそうなほど深い河も渡った。大砲の弾のような大きな石がゴロゴロ転がるガレ場も、這うような速度でしっかり踏破した。こんなところを走れるクルマが世の中にあるのか! ランドローバーのオフロード性能はやはり別格だ、とあのとき思った。
 フリーランダー2は高級4×4メーカー一族らしい内外装に進化し、オンロード、オフロード双方での走りの能力を飛躍的に高めた。トップモデルのi6 HSEは、イギリス本国でも“コンパクト・プレミアムSUV”という位置づけで、税込み価格は3万4095ポンド。1ポンド=253円として、約863万円だ。日本でのプライス、530万円は大バーゲンかもしれない。


下り坂を安全に一定速度で下る“ヒル・ディセント・コントロール”も備える。
下り坂を安全に一定速度で下る“ヒル・ディセント・コントロール”も備える。



(2007年9月号掲載)
 
 
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