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6年ぶりにフルモデルチェンジしたキャディラックCTS、日本上陸!


CADILLAC CTS 3.6/キャディラック TS 3.6
キャディラックCTS 3.6
大型化したグリルとエッジの効いたヘッドライトが鮮烈な印象を与える新型キャディラックCTS。クロームのアクセントはアメリカ車が華やかだったころを思わせる。バンパー下部のフォグランプの内側にブレーキ冷却用のエア・インテークが設けられている。



存在感と高級感で勝負!


欧州の高級車に負けない仕上がりの良さを追求したという新型キャディラックCTS。
バリュー・フォー・マネーも魅力です。
文=荒井寿彦(本誌) 写真=望月浩彦

ルネッサンス計画
 新型キャディラックCTSの試乗会が横浜で開催された。初代のデビューは01年。キャディラックをグローバルなプレミアム・ブランドに変革し、世界の高級車市場で戦えるランナップを構築するというGMの「ルネッサンス計画」第1弾として登場したミドル・サイズのFRセダンである。この作戦、北米では成功をおさめCTSは約30万台をセールス、キャディラック購入者の平均年齢も10歳以上若返ったという。
CADILLAC CTS 3.6/キャディラック TS 3.6
全車iPod接続対応で、繋げるとディスプレイ上で操作できる
全車iPod接続対応で、繋げるとディスプレイ上で操作できる。ボーズ社製のオーディオ・システムは10スピーカー、300W。走行中の騒音を消す逆位相システムを備え、再現される音色は極めてクリア。
 07年のデトロイト・ショウに登場した2代目の開発コンセプトは「Pursuit(追求)」。製品としての仕上がりに磨きをかけ、ヨーロッパや日本のプレミアム市場でも確固たる地位を築くのが狙いだ。
 全長×全幅×全高=4870×1850×1470mmのサイズは、長期リポート車として毎日乗っているメルセデス・ベンツE320CDIにほぼ同じ。試乗会場に到着すると、CTSは乗りつけたE320CDIより大きく見えた。先代より大胆なデザインになったキャディラック・グリル、ホイールハウス周辺が膨らんだ前後フェンダー、随所にスパイスを効かせるクローム・メッキなどにより、見た目がとてもアグレッシブなせいだ。
 鮮烈な印象を与えるスタイリングはクルマ好きの琴線に触れるかもしれない。新型CTSの第1の魅力は存在感のある外観だ。
 インテリアの質感も大幅に向上した。滑らかなタッチの本革シート、スティッチの入った人工皮革のダッシュボード、レザーのドア内張り、ウッドのドア・トリム、クロームにふちどりされたエアコンの吹き出し口、アルミ調のセンタースタックなど、リッチな感じに隙がない。
3.6リッターV6は直噴化
 エンジンは先代を受け継ぐ2.8リッターと3.6リッターのV6。3.6リッターV6は直噴化され、最高出力は旧型比56psアップの311ps/6400rpm、最大トルクは3.4kgm増の38.1kgm/5200rpmとなった。
 クリスタル・レッドの3.6リッターモデルで首都高速、横羽線を走る。踏み始めのスロットル・レスポンスが鋭く元気がいい。スタート・ダッシュでも追い越しでも、スルスルっと期待値まで素早くスピードを上げる。新しく採用されたZF社製の6ATはシフト・ショックが小さく、マニュアル・モードのシフト操作に対する反応も素早くて気持ちがいい。
 3.6はスポーツ・サスペンションを標準装備するせいか、乗り心地は硬め。ダンパーが突っ張った感じで、首都高の継ぎ目を通過したときにボディが上下動するのが気になった。235/50ZR18のミシュラン社製タイヤ(パイロット・スポーツ)の当たりも硬くゴツゴツしている。ソフトな和み系の乗り心地を求める人は、標準サスペンションの2.8の方がいいかもしれない。
 一方、コーナーでは俊敏な印象を受けた。旧型よりフロントで44mm、リアで50mm広がったワイドトレッドにより姿勢も安定している。
CADILLAC CTS 3.6/キャディラック TS 3.6
(写真上)311psが自慢の3.6リッターV6。直噴化により燃費は3%向上したという。レギュラー・ガソリン指定も嬉しい。
(写真下)縦長のテール・ランプが特徴の後ろ姿。



 100km/h巡航は6速1800rpm。静かである。iPodコネクターが標準装備なので、自分のiPodでエリック・クラプトンのライブを再生してみた。ボーズ社のオーディオ・システムが素晴らしい。特にサラウンド・システムをオンにしたときの臨場感には舌を巻いた。まるで目の前でクラプトンがギターを爪弾いているよう。豪華な内装と素晴らしい音色に囲まれてクルージングするリッチな気分こそ、キャディラックの真骨頂なのかもしれない。それにしてもオーディオの音がここまでいいと、クルマの高級感さえ増すというのは新たな発見だった。
 欧州のライバル車たちよりエッジの立った外観、ぐっと高級になったインテリアを持つ新型CTS。メルセデス・ベンツE350より219万円、BMW530iより144万円安い620万円という価格を考えると魅力な1台だ。2.8なら3.6と同等の豪華装備で495万円である。


CADILLAC CTS 3.6/キャディラック TS 3.6
クラフツマンシップを意識したインテリアは旧型から質感が大幅に向上した。メーターは2連式から3連式になりスポーティな印象を与える。フロント・シートは8ウェイ・パワー式で、3段階調整のヒーターとベンチレーション機能を備える。ボディ・カラーと内装は6色が用意される。



(2008年5月号掲載)



 
 
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