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新型ジープ・チェロキー、ニッポン上陸!


JEEP CHEROKEE/ジープ・チェロキー
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ジープ・チェロキー・リミテッド
6年ぶりに全面改良を受けたチェロキーは、ひと目でジープとわかるフロント・フェンダーと7本スロットのグリルを持つ。
インテリアはシンプルで機能的。オート・エアコン、HDDナビ、リア・パーク・アシスト、2トーンのレザー内装等は標準装備。
足回りは新開発の前ウィッシュボーン/コイル、後5リンク・リジッド/コイル。全長4500×全幅1830×全高1785mm。ホイールベース2695mm。車重1930kg。
価格444万1500円。スカイ・スライダー(キャンバス・ルーフ)は462万円。




偉大なる勇者


6年ぶりに全面改良を受けたジープ・チェロキー。
富士の裾野で開かれた試乗会に参加した。
文=今尾直樹(本誌) 写真=池亀孝一



SUVはきれい系に向かう

 日本におけるSUVの販売は勢いを取り戻しているという。なるほど、ハイエンド・クラスではポルシェ・カイエンがあいかわらずグイグイいってるし、今月はBMW X6なんて新手も出た。ハイエンドが活況を呈し、カテゴリー全体を引っ張れば、おのずとSUVのイメージも変わるというもの。大雑把にいえば、SUVはきれい系に向かっているように見える。
メルセデス式シフトレバーの隣は駆動方式の切り替えスイッチ
メルセデス式シフトレバーの隣は駆動方式の切り替えスイッチ。
JEEP CHEROKEE/ジープ・チェロキー
3.7リッターV6SOHCは先代からのキャリー・オーバー。205ps/5200rpm、32.0kgm/4000rpm。4段ATのみとの組み合わせ。低速トルクが豊か。
 ジープ・チェロキーというと、北米で1983年に1984年モデルとして発売となり、01年まで生産された、あの四角いチェロキーが思い浮かぶ。あの四角いチェロキーは、一時200万円台まで価格が下がったこともあって日本でも大人気となり、累計60万台販売された。新型チェロキーはあの四角いチェロキーを髣髴させる。
 クライスラー日本が想定する新型チェロキーのライバルは、ランドクルーザー・プラド、三菱パジェロ、ランドローバー・フリーランダーIIあたり。ライバルたちに対するチェロキーの優位性は、ジープ・ブランドであること。卓越した4WD性能、快適なオン・ロード性能の両面に磨きをかけたことだそうだ。オン/オフ両刀づかい、それがチェロキーのコンセプトなのだが、先代ではリア・ドアに背負っていたスペア・タイヤは床下に移動し、都会派、きれい系にちょっと寄った。
 早速、オン・ロード・コースへ向かった。日本仕様は、3.7リッターV6SOHC+4段ATの基本的に1種類。ただし、“スカイ・スライダー”と名づけられた開口部の広いキャンバス・ルーフ仕様もある。駆動方式は新開発のセレクトラックIIと呼ばれる電子制御の4WDシステムで、後輪駆動と4WD、それに4WDのロー・モードの切り替えがスイッチにより可能。


JEEP CHEROKEE/ジープ・チェロキー
オフ・ロード会場でのデモンストレーション。ブレーキをLSD代わりに使う。
モッサリのワケ

 走りはじめてビックリしたのは、着座位置が高いのはいいとして、目がボンネットの先端に行ってしまうこと。そうすると、ボンネットがブヨブヨと揺れている。揺れているのをつい見つめてしまう。そうすると、波間に浮かぶ船に乗っているような気分になってきて、酔いそうになる。あえてシートバックを倒し、前方のできるだけ遠くを見るように意識する。ボンネットの先端が高いせいなのか、視界そのものが狭いと感じる。ステアリングは路面フィールと無縁だし、乗り心地はブヨブヨしているし、エンジンはモッサリ、6000まで回ることは回るが、回すとうるさい。美点は60km/h巡航だと意外と静かだという発見があったこと。そうやって走っているうちに、だんだん慣れてはきた。
JEEP CHEROKEE/ジープ・チェロキー
荷室には泥のついた靴等を収納する仕掛けも。リアはスペア・タイヤが床下に移動してスッキリ。ミニバンのようにも見える。
 オン・ロードのあと、主催者が用意したオフ・ロードのテスト会場に向かった。あいにくの雨で路面はヌルヌルだった。コースインする前にインストラクターが「みなさんが乗っているのはジープ・ラングラーでもアンリミテッドでもない。チェロキーです」と呼びかけた。タイヤはP235/60RR18のGYイーグルRS-Aというオール・シーズンのオン・ロード・タイヤ。車重は2トンある。ギアは4WDのロー・モード。ATのセレクターは1を選ぶ。
JEEP CHEROKEE/ジープ・チェロキー
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 チェロキーはヌルヌルの岩場の石にフロント・サスのアームをカキ〜ンと当てながら、不安なく前進していく。セレクトラックIIは車輪の空転が起きる前にそれを予測して防止する電子制御の前後トルク配分システムゆえ、タイヤが空転しない。下り坂ではHDC(ヒル・ディセント・コントロール)が威力を発して、安全に減速してくれる。HSA(ヒル・スタート・アシスト)なんて機構も備えている。エンジンがモッサリしていたワケも理解できる。ときにはアクセルに対して鈍感なほうがいいのだ。大径のステアリングホイールにも意味がある。そのほうがオフ・ロードで扱いやすい。
 オン・ロードではパッとしなかったチェロキーだけれど、オフ・ロードでは瞠目。SUVは結局オフ・ロードでの実力が素晴らしければ、オン・ロードはどうでもいいのである。チェロキー、偉大なる勇者だ。



(2008年8月号掲載)
 
 
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