ENGINE online/エンジン オンライン

リンカーン・ブランドの本命SUV、MKX発売!


LINCOLN MKX/リンカーン MKX
クリックすると拡大
LINCOLN MKX


リンカーン MKX
2004年の北米国際オートショウで発表された「MKXコンセプト」そのまま、といっていいスタイリングで発売された。SUV
ベースはマツダCX-7だが、リンカーン・ブランド用に乗り味、内装ともまったくの別モノに仕立て直されているといっていい。シートをはじめとした質感の高いインテリアは一見の価値あり。
地デジ対応のHDDナビも標準で装備する。ボディ・カラーはブラックとライトアイスブルー(20台限定)がある。
全長×全幅×全高=4750×1925×1705mm。ホイールベース=2820mm。車重=2060kg。価格=650万円。



威厳をもって乗るべし


ナビゲーターに続くリンカーン・ブランドの第2弾として登場したMKX。
横浜で行なわれた試乗会からの報告。
文=塩澤則浩(本誌) 写真=神村 聖



 リンカーン・ブランドのSUVの第2弾として発売されたMKX(エムケーエックスと読む)の実車を見た時は、正直言ってホッとした。第1弾のナビゲーターは5.295mもあるし、フォード・ブランドのエクスプローラー・スポーツトラックは5.37mもある。駐車場には難儀するし、第一、運転するのに気を使う。最近のフォード・ジャパンは大物好きだなあ、と思っていたので、MKXの常識的なサイズは大歓迎である。
 常識的と言っても全長は4.75m、全幅は1.925m、全高は1.705mで、BMWのX6やフォルクスワーゲンのトゥアレグとほぼ同じくらい。BMWのX3やいま欧州で大ヒット中のフォルクスワーゲンのティグアンと比べると、やっぱり大きい。日本の生活環境を考えると、ほぼ上限といっていいサイズだ。
 MKXの売りはまずもってそのデザインである。クロームメッキの巨大なグリルが目を惹くナビゲーター譲りのフロント・マスクは、相当に押し出しが強い。全体のシルエットは室内を広く取ったキャビン・フォワード型で、ウェストラインが高く、サイド・ウィンドウの天地を狭めたデザインはモダンで斬新だ。ボンネット・トラックが人気のアメリカ製にしてはめずらしい、と思ったら、ベースはエンジン横置きのマツダのCX-7だと聞いて納得した。言われてみれば、フロント・グリルやリアのデザイン以外のシルエットはよく似ている。
LINCOLN MKX/リンカーン MKX
クリックすると拡大
LINCOLN MKX
 室内はリンカーンの名に恥じない豪華さだ。内装色はブラックで統一されているが、明るいメイプルのウッド・パネルが随所に使われていて高級なラウンジのように見えるし、ウッド・パネルと同色のパイピングが施されたシートは、見た目も、手触りも、座り心地も上等である。さらに、ルーフは全面ガラス張りで、開閉式のフロント側を開ければ、贅沢な開放感まで味わえるのだから、至れり尽くせりである。


LINCOLN MKX/リンカーン MKX
リア・シートは最大15度までリクライニングが可能。ニー・スペースの広さは特筆モノで、脚を組んでも前席に当たらない。ラゲッジのゲートは電動開閉式。


エンジンが遠くにある

 乗ってまず驚いたのは室内の静かさだ。街中を普通に走っていると3.6リッターV6は1000rpmちょっとしか回っていない。その上、遮音がしっかりしているので車内はシンとしている。高速道路も走ってみたが、エンジンが遠くにあるように感じるほどの静かさで、風切り音もロード・ノイズもほとんど侵入してこない。フロント・サスペンションがマウントされたサブ・フレームには、オイル封入式のブッシュが使われており、振動もよく遮断されている。最近、これほど静かなクルマには乗ったことがない。
 乗り心地はいい。低速でのゴツゴツ感は皆無だし、高速道路の目地段差もコトッというだけで何事もなかったように乗り越えてしまうほどしなやかだ。その上ハイスピードでも十分フラット感が保たれているので、文句のつけようがない。足回りの構造はCX-7ともちろん同じで、フロントがストラット、リアはマルチリンクで、前後ともスタビライザー付。フォードがほどこしたMKX専用チューニングは大したもので、すばやいレーンチェンジをしてもロールが小さくスパッと決まる。高速での安心感は高いと思った。
 とは言うものの、MKXにX6のようなスポーティさを期待してはいけない。最高出力が269ps/6250rpm、最大トルクが34.6kgm/4500rpmの3.5リッターV6デュラテック・エンジンの性格はあくまで紳士的。X6のような胸のすく加速感や心が昂ぶるサウンドはない。しかし、静かに、上品にシューンと加速して、気がつけばスピードが出ているといった感じだ。新開発の6段ATはウルトラ・スムーズだが、マニュアル・モードは付かない。4WDも基本はFFのスタンバイ・タイプで、オンロード用である。リンカーン・ブランドのMKXは、ワインディングを攻めたり、オフロードを激走するようなクルマではない。押し出しの強いスタイリングが暗示するように、ステータス・カーの威厳をもって慌てず騒がず乗る“ラグジュアリー・カー”である。
LINCOLN MKX/リンカーン MKX
(写真上)リッターV6DOHCのエンジンは吸気側のみが可変式。(写真下)ルーフ全面を覆う厚さ5mmのガラスは遮音性も高い。ドア・ミラーやホイールなどクローム・パーツが高級感を演出する。



(2009年1月号掲載)
 
 
最新記事一覧
Driving Lesson
エンジン・ドライビング・レッスン
「エンジン・ドライビング・レッスン2017」の受講生募集を開始します。今年の開催は全3回…
NEWS
BMW M4 CS/BMW M4 シー…
BMWはM3とM4に一部改良を施すとともにM4にサーキットでの性能を高めた限定車を投入した。
NEWS
AUDI Q2/アウディCAR PE…
「新しいアウディを創造しました」
NEWS
VW up!/VW アップCAR PE…
2016年のジュネーブ・ショウでデビューした新型アップ!
NEWS
en Provence/アン プロ…
早くも2017年に入って3つ目の限定車が登場した。
NEWS
Porsche 911/ポルシェ91…
1963年の1号車ラインオフから54年の時を経て、100万台めの911がツッフェンハウゼン本社工場を出た。
WATCH SPECIAL CONTENTS
セイコー アストロン ジ…
世界初のGPSソーラー・ウォッチを世に送り出したセイコーが、ドライバーのためのスペシャル・モデルを…
Cars Driven/試乗記
CADILLAC/キャデラック…
キャデラック・セダン・シリーズに交代で乗りながら、ワンデイ・トリップを楽しんだ。
NEWS
写真作家・柏木龍馬氏の…
フランス・パリのギャラリー「PHOTO4/LWS」に所属する写真作家、柏木龍馬氏。



バックナンバーページの定価表記について
「ENGINE 2014年3月号」以前の定価表記は、発売時の定価になっております。
予めご了承くださいますようお願い申しあげます。



▼試乗記 最新5件
 キャデラックのセダンにイッキ試乗
 トヨタのコンパクトSUV、C-HRに公道で試乗!
 ポールスター・エディションを試す。
 メルセデスSUVのリーダー、Mクラスがモデルチェンジ!
 ルノー・スポールが手掛けた3台の最新モデルに富士スピードウェイでイッキ乗り。