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フォルクスワーゲンの“4ドア・クーペ”がやってきた!


フォルクスワーゲン・パサートCC
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VOLKSWAGEN Passat CC


VW パサートCC
パサート・ベースの“4ドア・クーペ”。流麗なボディと豪華な内装でプレミアム・セグメントに挑むVW社の新境地的モデルとなる。ダンパーの減衰力特性が状況に応じて変化する「DCCアダプティブ・シャシー・コントロール」、前走車との車間距離を一定にしながら追従する「アダプティブ・クルーズ・コントロール」、追突の危険を知らせる「フロント・アシスト」などVWのハイテク技術も満載。
3.6リッターV6(DSG/4MOTOIN)が602万円、2リッター直4ターボ(6AT/FF)が500万円。



えっ!? ワーゲンなの?


08年1月のデトロイト・ショウでデビューしたVWパサートCCが上陸!
エレガントでスポーティな“4ドア・クーペ”でプレミアム・セグメントに殴りこみをかける。
文=荒井寿彦(本誌) 写真=小野一秋



華やかなフォルクスワーゲン

 東名、御殿場インターを出て信号待ちをしていると、隣に並んだトヨタ・マークXのドライバーがこちらを指差していた。マークXにはゴルフ・ウェアを着た50代ぐらいの男性がほかに3人。全員こっちを見ている。リアのサイド・ウィンドウがスーッと下がった。
 「カッコイイねえ。えっ? ワーゲンなの?」
 フォルクスワーゲンの新しいミディアム・サルーン、パサートCCにはおじさん達を振り向かせる華やかなオーラがある。そこがいままでのフォルクスワーゲンとは決定的に違うところかもしれない。49歳の筆者も東京、赤坂のVWグループ・ジャパンでパサートCCを借り出したとき、流麗なスタイリングにグッときた。
 北米ではフォルクスワーゲンCC(コンフォート・クーペ)という名で発売、パサートを名乗らない。たしかに、外観はずんぐりとしたパサート・セダンとは別物である。前後のウィンドウは大きく傾斜し、グリーン・ハウスは小さい。リアに向かって緩やかに上昇するショルダー・ラインがスポーティな印象を与えている。4815×1855×1425mmはパサート・セダンより30mm長く、35mm広く、50mm低い。ワイド&ローなシルエットだ。 内装は高級感あふれるもの。まず、標準装備のナパ・レザーを用いたシートの肌触りと掛け心地が素晴らしい。しかも試乗車はブラック&アイボリーのツートーンでお洒落だ。フラッグシップ・モデルのフェートンを元に仕立てたというインパネもBMWやアウディに負けない質感である。


フォルクスワーゲン・パサートCC
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VOLKSWAGEN Passat CC
フォルクスワーゲン・パサートCC
基本的なデザインはパサートと共通のインパネまわり。クロームを多用するなど高級感が増している。後席は左右独立の2名乗車とし、居住性の向上を図った。頭上や足元は広く、長距離移動にも問題ないと思った。V6モデルは高級オーディオ・メーカー、ディナウディオのスピーカーを標準装備する。
鋭いダッシュとしなやかな脚

 日本仕様は3.6リッターV6と2リッター直4ターボの2種類。V6モデルは6段DSGが組み合わされる4WDとなり、直4モデルは6段ATのFFだ。御殿場で声をかけられたのはシルバーに輝くV6モデル。乗り出して最初にオッ! と思ったのは、スタート・ダッシュの鋭さだった。最高出力299ps/6600rpm、最大トルク35.7kgm/2400〜5300rpmを発生する直噴3.6リッターV6は、パサート・ヴァリアントの高性能モデルR36と同じ。0-100km/h加速5.6秒はポルシェ・ケイマンより0.2秒遅いだけだ。ただし、吹け上がりがとろけるようにスウィートだとか、上まで回すと官能的なサウンドに変わるといったことはない。豊かなトルクにまかせて静かにスーッと速度を上げていくタイプだ。スタビリティは高く、高速道路ではフォルクスワーゲンらしい骨太な感じを頼もしく思った。
 減衰力可変式の電子制御ダンパーは、コンフォート/ノーマル/スポーツの3つのモードを選ぶことができる。ノーマルでも十分しなやかで、乗り心地はフラットで快適である。
 「フツーのパサートと全然違うじゃん!」
 こう叫んだおじさんは2リッター直4ターボで待ち合わせの富士あざみラインに現れた編集部のシオザワ。本誌長期リポートで1.8リッター直4ターボのパサート・ヴァリアントに乗っているシオザワが驚いたのは、峠道のハンドリングだという。
コンチネンタルと共同開発の「モビリティ・タイヤ」を標準装着
コンチネンタルと共同開発の「モビリティ・タイヤ」を標準装着。トレッド面内部に粘着性の強いシーラント材が入っていて、直径5mmまでのクギなら貫通しても自動的に穴をふさぐ。タイヤ・サイズは235/45R17。
 早速、乗り換えてワインディングを走ってみた。電子制御ダンパーはスポーツにしても突っ張った印象はなく、4輪はしなやかに路面を捉える。それでいて、フツーのパサートより低く、トレッドも前+10mm、後+20mmのパサートCCは速いコーナリングでもロールが小さい。V6モデルとの比較では車重が230kgも軽い(車検証)直4モデルのほうが気持ちよかった。
 東京へ帰る高速道路でも力不足を感じなかったので、2リッター直4ターボがお薦めだ。V6モデルとまったく変わらない豪華な内装でV6より102万円安い500万円。アウディA4やBMW3シリーズを検討している方は試乗してみることをすすめる。「えーっ! ワーゲンで高級車なの?」と思うかもしれない。しかし、この「ワーゲン」は「高級車」のテイストなんですよ。



(2009年1月号掲載)
 
 
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予めご了承くださいますようお願い申しあげます。



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