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ハイブリッド・クロスオーバー、レクサスRX450h初試乗。


LEXUS RX450h /レクサスRX450h
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レクサスRX450h
1997年、初代プリウスと同じ年に誕生したクロスオーバーSUV。FFプラットフォーム・ベースの、限りなくサルーンに近いマルチ・パーパス・カー、というコンセプトが新しかった。レクサスRXとしては本年1月に国内初登場。全長×全幅×全高4770×1885×1690mm。ホイールベース2740mm。車重2150kg。テスト車は“version L”で、価格は625万円。ただし、ハイブリッドなのでエコカー減税&補助金の対象となる。自動車重量税と自動車取得税は100%減税! 25万円、もしくは10万円の補助金ももらえる。こんなでかいクルマがどうしてエコなんじゃぁ、とだれか国会で質問してほしい。





プリウスの上のハイソ・カー(古い)!


レクサスRXの大本命、450hがついに発売となった。
ハイブリッド旋風吹き荒れる日本列島に新しい高気圧誕生か?
文=今尾直樹(本誌) 写真=小林俊樹


借り物ですから

 箱根からの帰り、レクサスRX450hをそのまま返却するべくレクサスの広報車の貸し出し所近くのガソリン・スタンドに行った。満タン、洗車をお願いして、休憩所でスポーツ新聞を読んでいたら、「いいクルマですねぇ」と給油所のオーナーとおぼしきオジサンが目をキラキラさせながら話しかけてきた。私をセレブ実業家と間違えたに違いない。先代だけど、レクサスRX450h、ポール・マッカートニーも乗ってたもんなぁ。離婚裁判のときにチラッとテレビに映った記憶がある。助手席だったと思う。
 「いや、借り物ですから。たいしたことないですよ」と私は答えた。実際、たいしたことない、と私は思っていた。山道を含む箱根往復358kmは平均燃費8.9km/リッターで、車重2トンのクロスオーバーSUVとしては優秀だけれど、エコ・カー神話を語る上での数値としては物足りない。そういう私の内心をオジサンたちは知らない。4人ぐらい総出で、ちょっと遠巻きにしながらRX450hを見ている。それはまるで、50〜60年代のアメ車か、70年代のスーパーカーでも見るような憧れの眼差しだった。考えてみたら、205万円のプリウスがカローラにとって代わろうとしているいま、プリウスの2倍以上も高価なRX450hは新時代の「ハイソ・カー」(古い?)の有力候補ではないか。
LEXUS RX450h /レクサスRX450h
 テスト車の場合、ドアを開けると、アイボリーの内装が目に飛び込んできて輝くばかりに明るい。なんて日本車離れしてるんだ、と私は思った。着座位置の高い運転席に座り、スターター・ボタンを押すと、レクサス共通の♪チャラララランという電子音がどこからともなく流れてくる。ハイブリッド・システムは、国内ではトヨタ・ハリアーと呼ばれていた先代の450h用をより高効率化したもの。3.5リッターV6エンジンはアイドリング・ストップをモットーとしていて、触媒が冷えている場合、あるいはバッテリーが十全でない場合を除き、化石燃料を燃やすことはない。



メチャクチャ静か

 プリウスも電源ONで内燃機関は基本的にウンともスンともいわず、アクセルを踏めばたいていモーターだけで走り出す。そういうハイブリッド・カーに、私を含む日本国民はもはや慣れている。慣れているハズだけれど、全高1.9m、車重2トンを超えるレクサスRX450hのように巨大なモノが音もなく動き出すさまはやっぱり異様に感じる。
 そもそもでっかいモノというのは、ドシ〜ン、ドシ〜ンと地響きを立てながら前進して、ゾウの鳴き声みたいな叫び声を発し、放射能を吐くのだ。ま、ゴジラですけど。そういう刷り込みが私たちにはあるのに、RX450hときたら、40km/hぐらいまでモーターだけで、バッテリーの続く限り、数百m〜1kmぐらい走り続ける。聞こえてくるのは、タイヤの発するロード・ノイズと風切り音だけ。メチャクチャ静か。
 速度が40km/hを超える、あるいは急加速すると、エンジンが目覚める。その際もボディがシェイクしたりすることはない。ショック皆無で、エンジン音だけごく控えめに加わる。ホントに静かだから、走行中でも音声コマンドで携帯電話がかけられるし(思わずかけてしまった)、カーナビの目的地設定もできる。家電に乗ってるのかと思うくらい。感動モノである。
 RX450hのハイブリッド・システムはリアにもモーターを持っていて、全開加速時や滑りやすい路面のときは4WDとなる。アクセルをちょっとでもゆるめたり、ブレーキを踏んだりすると、リアのモーターは発電機として働き、フロントのモーターとダブルでエネルギーを回生してバッテリーにため込む。弱点は、ダブル回生のせいか、フリクション感が大きいことだが、結局これは慣れる。有料の箱根スカイラインは通常350円のところ、ハイブリッド・カー価格で180円。いろいろ新しいがゆえに発見も多い。


LEXUS RX450h /レクサスRX450h
左端)3.5リッターのV6は249ps/6000rpm、32.3kgm/4800rpm。フロントのモーターは167psと34.2kgm、リアは68psと14.2kgmを発揮。力を合わせて4.5リッター並みの動力性能を得る。アッという間にリミッターに到達する。右端)“L”は革シートが標準。室内は広い。乗り心地は19インチでも悪くない。タコメーターがない代わりにハイブリッド車専用の計器を持つ。



(2009年8月号掲載)
 
 
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バックナンバーページの定価表記について
「ENGINE 2014年3月号」以前の定価表記は、発売時の定価になっております。
予めご了承くださいますようお願い申しあげます。



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