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ボルボ、C70もマイナーチェンジ


VOLVO C70/ボルボC
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VOLVO C70/ボルボC70


家族で乗れる。


冷たい雨に屋根を閉めたまま乗ったC70は、
なぜか家族を思い起こさせるのだった。
文=齋藤浩之(本誌) 写真=小野一秋



 横浜横須賀道路も残すところあと数kmというあたりで、雨が落ちてきた。細かい粒がウィンドシールドを叩きつける。これからせっかくオープン・カーの試乗だというのに、あ〜、ついてない。
 試乗開始よりずっと早く着いたので、会場になった横須賀美術館を見学させてもらうことにした。本館とは別に常設されている谷内六郎館へ移ると、1956年の創刊から26年間にわたって『週刊新潮』の表紙絵を担当したそのひとの原画がずらりと並んでいた。そこに描かれた野辺に遊ぶ子どもの姿に、自分の幼かったころを思い出した。子どもたちだけで完結していた時間が懐かしかった。そういえば、父親とまともに話すようになったのは、小学4年で自動車雑誌を読むようになって、父の次のマイカーに意見するようになってからだった。
仕切り板の上にルーフが収まる。
仕切り板の上にルーフが収まる。この状態でも下に200リッターの容量が残る。
 思い出に耽っている間に時間は過ぎ、ボルボの新しいC70に試乗する時間がやってきた。なのに、雨脚はさらに強くなって、横殴りの風も吹いている。3月も中旬に入ったというのに、外へ出ると冷たい空気が肌に痛い。こんなだと、メタル・ルーフを閉じてクーペのまま走るしかない。
 ビッグ・マイナーチェンジを受けた新型C70はダッシュボードも新しくなった。質感はさらに上がっている。試乗車は“ラグジュアリー・パッケージ”を加えた仕様で、シートは最上級のソフト・レザーになっているから高級感もある。
 新型は2.52リッターから230psと32.6kgmを生むターボ過給型だけになったが、これだけ力があると、1730kgあるC70も軽く感じる。5ATの働きぶりも優秀だ。アシストが強めに効いて軽やかな手応えをみせるステアリングは、直進自己復元力がしっかりあって運転しやすい。メタル・トップはかなりの大きさになるというのに、上屋だけが重い感じも、ボディがヤワな感じもとくにない。作り慣れて、上手くなったみたいだ。居心地がいい。
 信号で停まって何気なく振り返ると、後席も快適そうではないか。駐車場を見つけて急いで後ろに乗り移ると、予想外だった。この手の4座オープンは往々にして後席の着座位置が小高くて、そこに座ると、どことなくバツのわるい感じがしたりするものなのに、C70にはそれがぜんぜんない。落ち着ける。クーペのままでも、だから狭くない。
 居住性がこれだけきちんとしているのは、ルーフが大きいからだ。でも、それを格納すると荷室がなくなってしまうんじゃないかと思って雨の中出てトランクを開けると、このクラスのほかのクルマに遜色がなかった。巨大なルーフが巧妙にたたみ込まれて、しっかりと荷物スペースをその下に残している。
 このクルマだったら、ファミリー・カーとすることだってできそうだ。子どもたちも一緒に出かけたがるかもしれない。息子もクルマを話題にしてくれるんじゃないか、と思いたくなった。
 ボルボはそういうところがうまいのだ。


計器周りの造形を変えて上質感が増した。
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先のC30と同じように、見事に顔つきを変えたC70。
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計器周りの造形を変えて上質感が増した。ソフト・レザー・シートも上等。
先のC30と同じように、見事に顔つきを変えたC70。



(2010年5月号掲載)
 
 
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