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スポーツ・レシオの効果絶大。


LOTUS EVORA/ロータス・エヴォーラ
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LOTUS EVORA/ロータス・エヴォーラ



パズルが完成した!


低められた6MTのギアリングがエヴォーラを駆る歓びをグッと増す。
文=齋藤浩之(本誌) 写真=小野一秋



これこれ、こうでなくっちゃ!

 深く回り込む高速の流入路で穏やかに加速すると、すぐさま快感が蘇った。このステアリング! クイックなのに神経質なところが少しもなくて、寸分の狂いなく鼻先がピタリと望むラインに乗る。ひたっと路面に張り付いたまま、嬉々として軽やかに駆け抜ける。エヴォーラはこの鮮やかなステアリングの感触だけでも、大きな歓びに浸れる。
 本線に合流しつつシフトアップしながら加速していくと、しかし、もうひとつの歓びが待っていた。2速から3速、そして4速、5速と上げていく。加速力のツキがいい。
3速から上のギア比が低められたことで、エンジンを歌わせやすくなった
3速から上のギア比が低められたことで、エンジンを歌わせやすくなった。
駆動力の落ち込みが少なくて、すぐにトルク・バンドに乗ってくる。乾いたテノールで歌うエグゾースト・ノートがスウィートに連なり駆け上がっていく。2GR-FEという3.5リッターのV6エンジンは、その感触においてトヨタ最良のユニットだと思うけれど、それがこんなにも艶やかに歌うものなのか!
 この純白のエヴォーラは輸入元であるLCIリミテッドが2台目のデモ・カーとして用意したクルマで、6段マニュアル・ギアボックスの3速から上のギア比を低くした“スポーツ・レシオ”オプションが組み込まれている。そのおかげで、ステップ・アップ比が小さくなり、駆動力にも余裕が生まれて、繋がりが良くなったのだ。
 エヴォーラの標準型段6MTは実質的に4段+オーバードライブ2段というギア比設定になっていて、走らせると、上のほうが速すぎるように感じる。実際のところ、それは意図的にというよりも、やむを得ずハイギアードになってしまったものといっていい。2GRエンジンの350Nmというトルクを受け止められるトヨタ製の横置きMTは、欧州で販売されているアヴェンシスのディーゼル用しかなく、400Nmを受け止められるそのトランスミッションを使って、1速から3速に2.2リッター用の高めの、4速から6速に2.0リッター用の低めのギア・セットを組み込んで、エヴォーラに使っている。しかし、それでも上のギアは速すぎる。エコ・シンドロームが起きる以前であったなら、このギア比で発売されることはなかっただろう。
 ロータス自身、そんなことは先刻ご承知で、最初からこの“スポーツ・レシオ”を設定してきた。標準セットの3速以上を抜き出して、エヴォーラ専用に起こしたギアと入れ替える必要があるので、エクストラ・コストとなる。日本では28万円である。しかし、その価値は十二分にある。欧州大陸はもちろん、同じ島国の英国よりも低い平均速度に甘んじなければならない日本では、いっそうありがたみがあると、僕は思う。
 ギア比が低められたとはいっても、実質それは5段+OD1段の配分なので、低すぎるということはない。2速6300rpm、3速4300rpm、4速3300rpm、5速2500rpm、6速2250rpmという100km/h走行時のエンジン回転数を見ても、それがわかる。高くもなく低くもない。とりわけレヴリミットが高いわけではない2GRエンジンに、正に適切なギア比という感じなのだ。
 ピック・アップが良くなるから上のギアを心理的に使い易くなって、実用燃費すら上がると思う。

ギア・セットを入れ換えただけなので、シフト・フィールは良好なままだ
2DINサイズのナビもきれいに収まった革張りのインパネは、質感も高い

ギア・セットを入れ換えただけなので、シフト・フィールは良好なままだ。

2DINサイズのナビもきれいに収まった革張りのインパネは、質感も高い。



(2010年7月号掲載)
 
 
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バックナンバーページの定価表記について
「ENGINE 2014年3月号」以前の定価表記は、発売時の定価になっております。
予めご了承くださいますようお願い申しあげます。



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