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ミニ・クーパーSにスペイン・バルセロナで乗る


MINI COOPER S/ミニ・クーパーS
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運転痛快、クオリティ上々!


新開発の4気筒1.6リッター・ターボを搭載して、BMW製ミニの2代目が
まずシリーズ最強のクーパーSとしてデビューした。
リッター110psの痛快ミニの痛快度は?
文=数藤 健(本誌) 写真=小林俊樹



プレミアム・コンパクト

 2001年秋に発売された初代“BMWミニ”はメーカーの予想を上回る大ヒット作となった。当初の生産計画は年10万台だった。しかし世界中からの注文はひきもきらず、04年秋に追加されたコンバーチブルの生産が軌道に乗った05年には、ついに年産20万台を達成。デビューから06年9月までの生産台数は、約87万5000台に達している。
 高級車メーカーが1.6リッター級の小型車のジャンルに進出するのは非常に難しい。ご存じのとおり、メルセデスは初代Aクラスで辛酸をなめた。
 しかし永遠不滅・好感度抜群のキャラクター、ミニを英国ローバーから手に入れ、かねてから開発を進めていた
こちらは先代のクーパーS。ウインカーはバンパー上にある
こちらは先代のクーパーS。ウインカーはバンパー上にある。
入魂の横置きFFメカニズム、強いボディ、質感の高いインテリアと組み合わせることでBMWは“プレミアム・コンパクト”というジャンルを創出。かねてからの悲願であった小型車マーケットへの進出を、みごと成功させた。
 いまや“MINI”はブランドである。中古車は高値安定。日本のディーラーではいまだに値引きゼロ。ウェアやキャラクターグッズの売れ行きも好調だという。そんなブランド・カーのモデルチェンジである。BMWは当然のごとく“キープ・コンセプト”路線を選択した。
 国際試乗会の4日前、新型がお披目されたパリ・サロンの会場で、ミニのブランドマネージャーを務めるカイ・セグラー博士はこう語った。
「顧客に熱烈に支持されているカタチを大きく変える必要はありません。5年経っても右肩上がりの売れ行きのクルマをモデルチェンジするのは、安全・環境対策と、バリエーション拡大のためです。エンジンやシャシーといったコアな要素を今のうちにアップデートしておかないと、コンバーチブルや、第3、第4のモデルの市場投入が遅れますから」
 車種拡大、さらなる拡販のためのモデルチェンジ――。そう、ミニはBMWの小型車戦略の尖兵なのだ。第3のモデルとは、すでにテスト走行姿がスクープされている“トラベラー”(ステーション・ワゴン)のことか。第4のモデルもあるとは驚いた。「おそるべしBMW」の想いを胸に、パリからバルセロナへ飛んだ。


まごうかたなき“MINI”

 快晴のバルセロナ空港から30分ほどバスに揺られ、92年のオリンピックの際につくられたスタジアムに着く。そこには青と赤、計40台以上のクーパーSがずらり待機していた。
 ミニは一種のキャラクター商品だから、キープ・コンセプトのモデルチェンジは正しい。旧型と同じボディパネルはひとつもないのだが、前後左右どこからみてもまごうかたなき“MINI”だ。デザイン文法を忠実に守ったこのルックスなら、現オーナーたちも落胆しないだろう。
 新型を象徴するのが、寝かされた丸形ヘッドランプだ。旧型ではバンパーに埋め込まれていたウインカーは、ヘッドランプ内に組み込まれた。質感は相変わらず最高。磨き込まれたステンレススティール・ケースの腕時計のようにキラキラ光る。
 全長(3714mm)は旧型比で60mm長い。フロント・オーバーハングが38mm伸び、ボンネットが20mm高くなったのは、衝突時の衝撃吸収性を高め、歩行者を保護するためである。
 ショルダーラインは旧型より高い。張り出しも強く、やや怒り肩である。全高が旧型比で48mm低められた(1407mm)こともあり、ガラス部分の面積は狭くなった。ウインドウのラインはボディ後端へ近づくにしたがってゆ
初日に乗ったクルマは標準の195/55R16を履いていた
初日に乗ったクルマは標準の195/55R16を履いていた。スポーツ・サスペンション仕様(オプション)のタイヤは205/45R17となる。いずれもランフラット。
るやかに上昇している。寝かされたヘッドランプと相まって、軽いくさび形の“走りそう”なサイド・ビュウに変わっている。
 クロームメッキされたドア・ハンドルを引いて乗り込む。センター・コンソール上のスピード・メーターが目を引く。まるでメインディッシュを乗せるプレートのようにデカい。が、それにはちゃんと理由がある。メーターの下半分にオーディオとオンボード・コンピューターの操作スイッチを組み込み、その分センター・コンソールをスリムにして前席足元のスペースを広げているのだ。ちなみにこの“大皿”はオプション装備のカーナビの収容場所にもなる。
 スイッチ類のレイアウトは、旧型とほぼ同じ。パワーウインドウは、引き続きトグル型のスイッチを使う。インテリアの質感はとても高い。インパネ表面のシボ模様やスイッチ類の質感は個人所有しているBMW1シリーズのそれと良く似ている。聞けば、すべての内装マテリアルはBMWとまったく同じ基準で仕上げられているのだという。  ホイールベースは2467mm。先代の日本仕様は2465mmだから、同寸といっていい。よって、後席の足元は相変わらず狭い。大人ふたりの長時間乗車はつらいだろう。




MINI COOPER S
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ミニ・クーパーS
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(右)ルーフが空中に浮いているかのような印象を与えるサイド・ビュウはミニの変わらぬアイデンティティ。ウエスト・ラインは先代よりもBピラーの位置で18mm高い。ボディカラーはクーパーS専用の新色、レーザー・ブルー。オートマチック・スタビリティ・コントロール+トラクション(ASC+T)は標準装備。走行状況に応じてブレーキへの介入、エンジン出力の抑制を行うダイナミック・スタビリティ・コントロール(DSC)はオプション。
(左)インパネ中央に大型の速度計が鎮座する。


先代のシートはやや小振りだったが、サイズ、形状とも一新
先代のシートはやや小振りだったが、サイズ、形状とも一新。シート表皮のカラーは4色から選べる。


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