ENGINE online/エンジン オンライン

スマート・フォーツーにサンフランシスコで乗る。


SMART fortwo/スマート・フォーツー
SMART fortwo/スマート・フォーツー SMART fortwo cabriolet/スマート・フォーツー・カブリオレ
スマート・フォーツーのおさえどころ
●初代フォーツーのコンセプトを継承する2座マイクロ・カー。
●全長は18cm延ばされて2.72m、全幅は45mm拡がり1.56m。
●リアの3気筒エンジンは自然吸気の1.0リッターへ拡大。
●変速機も刷新。5段型の自動変速モード付き2ペダルMT。
●あつかいやすさを重視した変更と改良が目白押し。
●日本での価格はクーペが176.0万円、カブリオレが205.0万円。



本物のカイゼンを果たした。

東京モーターショウで日本初お目見えとなった新型スマート・フォーツーは、時を同じくして、アメリカ合衆国への上陸もついに果たすことになった。
新型の真価はどこにあるのか? 本誌サイトウがサンフランシスコから報告する。
文=齋藤浩之(本誌) 写真=メルセデス・ベンツ日本



 10数年ぶりに訪れたアメリカは、想像とは違っていた。大型のSUVやらピックアップ・トラックがもっとずっと幅を利かせているのかと勝手に思い込んでいたのだけれど、じっさいには欧州や日本のメーカーの作る中型、小型のセダンがたくさん走り回っていた。GMやフォードの作るセダンも同じようにいっぱいいる。しかも、主流をなしているのはマルチ・シリンダーの大排気量エンジンを積んだモデルではない。2リッター以下の4気筒エンジンを乗せたクルマのほうがむしろ多いのではないか。そんな気さえする。
 もちろん、そこがサンノゼやサンフランシスコだったからということはあるかもしれない。カリフォルニア州は合衆国のなかではひときわ大気汚染にうるさい所だ。ブッシュ大統領のアメリカは京都議定書を批准していない国だけれど、それは政治の表舞台でステレオタイプに語られていること。現地のひとに聞けば、実際には多くの州がすでに独自に二酸化炭素排出量削減へ向けて真剣な取り組みを開始しているという。その昔、最大の都市ロスアンジェルスがひどい大気汚染に苦しんだことから、合衆国のなかでどの州よりも厳しい大気汚染防止法をいち早く制定し、いまもその方向性を断固崩していないここはカリフォルニア州なのだから、いま目の前にしている自動車事情は、考えて見ればしごく当然のことなのかもしれない。
 ましてやいま、世界は原油価格高騰のまっただなかにある。かつては飲み水よりも安かった合衆国のガソリン価格もずいぶんと値上がりし、西ヨーロッパや日本の価格に比べればまだまだそれでも安いとはいえ、燃料タンクから垂れ流すかのように消費しながら走ることにブレーキをかけるのにじゅうぶんなぐらいには値上がりしている。全米で最もガソリンの高いカリフォルニア州では、すでに1リッターあたり100円の水準に近づきつつある。他州でもすでに90円/リットルを超えている。
回転計と時計はオプション
回転計と時計はオプション。
SMART fortwo/スマート・フォーツー
いよいよアメリカ上陸

   機は熟した。「いまこそスマートがアメリカ市場に乗り込むに相応しい時期なのです」とダイムラーAGのスマート・ブランドをマネジメントする部門のボスは、プレス・ブリーフィングで明言した。
 そして2008年1月、いよいよアメリカで新型スマート・フォーツーのデリバリーが開始され、車輪に載った国と呼ばれてきた世界最大の自動車大国を小さな2シーター・カーが走り始めることになる。
 スマートが新型フォーツーの国際試乗会をわざわざサンフランシスコで開いたのは、だからなのである。  この試乗会にはしかし、アメリカや同じ時期に新型フォーツーの販売が立ち上がることになった日本からのプレスだけが呼ばれていたわけではない。初代スマート・フォーツーはすでに世界36カ国で販売されていると聞いて驚いたが、すでに新型が販売されている国も含めてそうした国々からのプレスが招待されて、サンノゼからシリコン・バレーへ、そしてサンフランシスコへと回る試乗の機会が与えられた。世界最小の実用的量産小型車であるスマート・フォーツーがアメリカへ上陸するというのは、それほどにインパクトのある出来事だからである。自動車の世界に詳しい人間にとってそれは、本丸が落城したようなショックを与えるに違いない。
 試乗の場所にカリフォルニアが選ばれた理由はもうひとつある。僕はすっかり忘れていたけれど、初代スマートはメルセデス・ベンツ(現ダイムラー)のカリフォルニア・スタジオでデザイン開発が行われて世に送り出されたクルマだったのだ。新型スマート・フォーツーにとってそこはふるさとであり、合衆国上陸は、晴れて生まれ故郷に錦を飾ることにも等しいのである。
SMART fortwo/スマート・フォーツー
(左写真から)大人びた走行性能をもたらした心臓。荷室真下に配置されている。/トランクリッド裏を有効活用するのは新型も同じ。カブリオレのルーフ・バーもここに収納する。/ATのメインセレクターはP-R-N-Dの一列配置。Dから横へずらして前後ティップ操作することでマニュアル変速が可能になる。


前のページ
1
2
次のページ



page1 本物のカイゼンを果たした。
page2 これこそカイゼンだ

 
 
最新記事一覧
Driving Lesson
エンジン・ドライビング・レッスン
「エンジン・ドライビング・レッスン2017」の受講生募集を開始します。今年の開催は全3回…
NEWS
ROLLS-ROYCE CULLINAN/…
ついにこの日がやって来た。前々からその存在が公言されていたロールス・ロイス初のSUV、カリナンが5…
NEWS
Ferrari Racing Days 201…
フェラーリ・オーナーとフェラーリ・ファンのための跳ね馬の祭典、「フェラーリ・レーシング・デイズ…
NEWS
BMW X2/ビー・エム・ダ…
BMWのコンパクトSUV、X1をベースにスタイリッシュなボディを与えたX2の日本での受注が開始された。
NEWS
KANGOO COULEUR/カング…
日本オリジナルとなる特別なボディ・カラーに塗られたカングーの限定車クルール。第8弾目となる今回…
NEWS
MINI/ミニCAR PEDIA 20…
ミニの3ドアと5ドア、そしてコンバーチブルの3モデルが改良を受け、日本市場に投入された。識別ポ…
NEWS
RANGE ROVER Sport/レン…
ジャガー・ランドローバー・ジャパンは2018年モデルのレンジローバーおよびレンジローバー・スポーツ…
NEWS
MAZDA CX-3/マツダ CX-3…
デビューから3年3ヵ月で4度目の改良を受けたCX-3。これまでの3回は一部改良レベルだったが、今回…
NEWS
TOYOTA Yaris WRC/トヨ…
2017年、18年ぶりにWRCへの参戦を再開し、2勝を挙げたトヨタ。2018年もハンニネンに替わりフォードか…



バックナンバーページの定価表記について
「ENGINE 2014年3月号」以前の定価表記は、発売時の定価になっております。
予めご了承くださいますようお願い申しあげます。



▼試乗記 最新5件
 純ガソリンのポールスター、いよいよ最後かも?
 もっとも手頃なボルボに乗る。
 マイナーチェンジしたキャデラック・エスカレードに乗る。
 ミニ一族では初の電化モデル、クロスオーバー・クーパーSEに乗る。
 フェイスリフトを受けて進化した新型ルノー・ルーテシアR.S.に箱根で試乗。