ENGINE online/エンジン オンライン

ジャガーの切り札、新生XJにパリ、ヴェルサイユで乗る。


JAGUAR XJ/ジャガーXJ
クリックすると拡大
JAGUAR XJ/ジャガーXJ


あたらしい革袋に入れられた美酒。


昨年夏のロンドンでのデビューから待つこと8カ月。
ようやく新型XJのステアリングを握れる日がやってきた。
パリ近郊を舞台に開かれた国際試乗会からの報告。

文=村上 政(本誌) 写真=ジャガー・カーズ


 ヴェルサイユ宮殿の脇に建つ豪華ホテルの一室、今回の国際試乗会のプレゼンテーション会場となった部屋の壁には、新型XJのデザインにインスピレーションを与えた、様々な事物の写真が飾られていた。
 ヘリティッジ(遺産)と題されたパネルに1968年の初代XJが写っていたのはともかく、アジリティ(俊敏さ)にはパワー・ボート。ピュアリティにはヨットの内装。プロポーションにはクルーザーを真横から見た外観。ライン・オブ・ビューティには躍るバレー・ダンサー。ディテールには飛行機のジェット・エンジン。インターフェイスにはアイポッド…という具合。
 これまでのジャガーのイメージを打ち破る新生XJのまったくあたらしいデザインがどんな想像力から生まれたのか、その根源をかいま見るようですこぶる興味深かった。
 とりわけナルホドと頷かされたのは、クルーザーのイメージとの重なり方だ。パリの街を走る新型XJを真横から捉えた右の写真を見ればわかるように、このデザインのキモは下3分の2以上を占める分厚く堅牢なボディ・パネルとその上に乗った薄いグラス・エリア、そして思い切り低く長く伸びたルーフ・ラインにある。まさにクルーザーのプロポーションそのものだ。さらに観察すると、Cピラーがブラック・アウトされて視界から消され、ルーフが中空に浮いているように見える。これもクルーザーのフライング・ルーフのイメージの引用だと気づいた。
JAGUAR XJ/ジャガーXJ
クリックすると拡大
JAGUAR XJ/ジャガーXJ
 今回の試乗会はパリの空港からヴェルサイユまで、ショーファー付きの新型XJロングホイールベースの後席試乗で始まったのだが、思えば広々とした後席からの眺めも、クルーザーに乗っているかのようだった。
 あたらしいインテリアの最大の特徴は、これまでの絶壁のように切り立ったインパネを一掃し、ヨットやクルーザーのようにラウンドしたウッド・パネルの下に、一段低められたダッシュボードを配したことにある。そのおかげで、前席はもとより後席からの眺めもこれまでとは比較にならないくらい開けている。さらに全車標準で巨大なグラス・ルーフを装備するから、開放感もひとしおだ。一見、極端に低く見えるルーフ・ラインも、数字を見れば実際にはさほど低いわけではないのだ。
クルーザーの操縦席を思わせるラウンドしたウッド・パネルを使った斬新なデザインのインテリア
クリックすると拡大
クルーザーの操縦席を思わせるラウンドしたウッド・パネルを使った斬新なデザインのインテリア。ウッドやレザーの素材や色の組み合わせは、ほとんど無限大。
 もうひとつ、後席で印象的だったのは常にフラットな乗り心地だ。リアのみエア・スプリングを組み合わせた前後ダブルウイッシュボーンの足まわりは、超高級サルーンにしては硬めだが、スロットルのオン・オフやブレーキング時の姿勢変化が少なく、ロールも浅めで、これまたクルーザーのようにスポーティかつ悠然たる乗り味を持っていたのだ。


戦闘機のジェット・エンジン・ノズルから想を得たというベンチレーター
クリックすると拡大
XF同様、ダイアル式のドライブ・セレクターを採用
クリックすると拡大
戦闘機のジェット・エンジン・ノズルから想を得たというベンチレーター。時計はアナログ式。

XF同様、ダイアル式のドライブ・セレクターを採用。ピアノ・ブラックとクロームの組み合わせは、まるでiPhoneみたい。



前のページ
1
2
次のページ



page1 あたらしい革袋に入れられた美酒。
page2 驚異のハンドリング・カー

 
 
最新記事一覧
Driving Lesson
エンジン・ドライビング・レッスン
「エンジン・ドライビング・レッスン2017」の受講生募集を開始します。今年の開催は全3回…
ENGINE ROOM
ENGINE 2019年1月号
自動車用品からファッション、時計まで、ENGINE読者必見の新製品、新店舗、イベントなど耳より情報が…
ENGINE ROOM
ENGINE 2019年1月号
いま、ボルボに乗りたいこれだけの理由。
NEWS
ENGINE beat Lupin 2018…
昭和の文士たちに愛された『銀座・ルパン』が開店から90周年を迎えた。内装も戦前のままという店を訪…
NEWS
PEUGEOT508/プジョー508…
2019年第1四半期に導入が予定されている新型508の発表に先立ち、全国の主要ディーラーでプレビュー・…
SPECIAL
ヴァシュロン・コンスタ…
愛車でクラシックカー・イベントに行く時にも、ちょっと気取って仲間のパーティに出掛ける時にも似合…
NEWS
FIAT クロスオーバーSUV …
2014年春のデビューから4年半、フィアットの小型クロスオーバー(SUV)の500Xが初めて大規模なマイナ…
NEWS
MAZDA CX-5 CX-8/マツダ…
CX-5とCX-8がアップデート。そのプロトタイプにテストコースで試乗した。今回の改良の目玉はエンジン…
NEWS
40年間封印されていた幻…
日本では1978年に短縮版のみが公開されていた、米リメイク版の『恐怖の報酬』が完全な形で復活。ど迫…



バックナンバーページの定価表記について
「ENGINE 2014年3月号」以前の定価表記は、発売時の定価になっております。
予めご了承くださいますようお願い申しあげます。



▼試乗記 最新5件
 純ガソリンのポールスター、いよいよ最後かも?
 もっとも手頃なボルボに乗る。
 マイナーチェンジしたキャデラック・エスカレードに乗る。
 ミニ一族では初の電化モデル、クロスオーバー・クーパーSEに乗る。
 フェイスリフトを受けて進化した新型ルノー・ルーテシアR.S.に箱根で試乗。