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グランドチェロキー オーバーランド 5.7 HEMIで南アルプスへ。


JEEP-GRAND CHEROKEE OVERLAND 5.7 HEMI/ジープ グランドチェロキー オーバーランド 5.7 HEMI
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(左)JEEP COMMANDER LIMTED 5.7 HEMI
06年に日本に上陸したジープブランドのフラッグシップモデル。ジープ伝統の4×4システムと3列シートを備える。全長×全幅×全高=4795×1900×1830mm。ホイールベース=2780mm。撮影車は5.7リッターV8 HEMIエンジンを搭載するリミテッド5.7。最高出力は326ps/5000rpm、最大トルクは51.0kgm/4000rpmを発揮。ギアボックスは副変速機付き5AT。車両本体価格は673.05万円(消費税込み)。

(右)JEEP-GRAND CHEROKEE OVERLAND 5.7 HEMI
“オーバーランド”は、グランドチェロキーに06年モデルから新たに登場した最上級グレード。グリルやモールなど、エクステリアに高級感のあるプラチナ調の素材を使い、インテリアにも本木目のパネルとレザーをふんだんに使用している。全長×全幅×全高=4760×1880×1750mm。ホイールベース=2780mm。5.7リッターV8 HEMIエンジンの最高出力は326ps/5000rpm、最大トルクは51.0kgm/4000rpmを発揮し、副変速機付き5ATを介して4輪を駆動する。車両本体価格は666.75万円(消費税込み)。



絶対の安心感。



1940年、アメリカ陸軍の要請に応えてウィリス・オーバーランド社が開発したジープ。
誕生から65年を経て、当時の社名の一部を冠したグランドチェロキーがラインナップに追加された。
文=塩澤則浩(本誌) 写真=望月浩彦



 ジープ・ラングラーに乗るとワクワクするのはなぜだろう。スポーツカーのようにカッコいいというわけではないし、内装も装備類もきわめてシンプル。ムダなものは一切ない。実は、このムダを省いたネイキッドきわまる素肌感がラングラーの最大の魅力だと思う。ルーツは軍用車両のジープ・ウィリスだ。
 ジープの歴史は、1940年代、ウィリス・オーバーランド社がアメリカ陸軍の要請で「速くて軽量な全地形型偵察車両」を開発したことにはじまる。同社は、軍用車両を生産する一方、そのノウハウを転用した民生用モデルも手がけた。なかでも、1945年に登場したジープ、CJ-2Aと、
JEEP-GRAND CHEROKEE OVERLAND 5.7 HEMI
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JEEP-GRAND CHEROKEE OVERLAND 5.7 HEMI
1946年に登場したジープ・ステーションワゴン、1962年に登場したジープ・ワゴニアと後に派生したチェロキーは画期的で、耐久性と悪路走破性に加えて、今でいうスポーツ・ユーティリティ・ビークル的要素をすでに兼ね備えていた。カウボーイが作業用車両として馬代わりに乗り回したCJ-2Aは、やがてジープ・ラングラーとなり、ゆったりしたキャビンと広々した荷室を持つワゴニアは、豪華なグランドチェロキーとスポーティなチェロキーに発展。2輪駆動で7人乗車のステーションワゴンはコマンダーに生まれ変わった。60年代にはすでに現在に通じるモデルがラインナップされていたというのだから驚く。
都会的

 今回は、今年6月に登場したグランドチェロキー・オーバーランド 5.7 HEMIを中心に、ジープファミリー4台を南アルプスの山懐へ連れ出してみた。チェロキーとラングラーは撮影のためのお供。4台中、最も新しいオーバーランドが主役で脇役にコマンダーを選んだ。
 現在のグランドチェロキーのラインナップは4車種。4.7リッターV8を搭載するスタンダードのラレード4.7、その上級車種のリミテッド4.7、オーバーランド 5.7 HEMIはV8 HEMIエンジンを搭載する豪華仕様モデルである。今回は登場していないが、6.1リッター HEMIエンジンを搭載するSRT8というハイパフォーマンスモデルもある。
ボディサイズは若干大きくなるが、グランドチェロキーと同じプラットフォームを使うコマンダー
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ボディサイズは若干大きくなるが、グランドチェロキーと同じプラットフォームを使うコマンダー。ホイールベースは同じ。
 オーバーランドのエクステリアの特徴は、ラジエター・グリルや18インチのアルミホイールなど、クローム類を艶消しにしていること。プラチナカラーのサイドモールやドアミラーのカバーも同様で、鏡面加工のクロームとは一味違う落ち着いた高級感がポイントになっている。
 室内も洗練されていて、内装色はカーキとグレーのツートン。シートはスエードとレザーのコンビネーションで、フロントシートの背面にはオーバーランドのロゴが刺繍されている。センターコンソールやドアパネルに木目の美しい天然木のパネルが使われた室内の雰囲気は、上品で都会的だ。
 搭載するエンジンは5.7リッターのV8 OHV。最高出力は326ps/5000rpm、最大トルクは51.1kgm/4000rpmで、運転状況によって8気筒のうち4気筒を休止させて燃費向上をはかる最新の可変シリンダーシステムを備える。中央高速で諏訪インターへ向かうクルージングの間、エンジンの状態がどんなものかと気にしてみたが、いつ切り替わったのかまったく分からないほどスムーズなことに驚いてしまった。
 もちろん燃費も大事だが、V8 HEMIエンジンの魅力はなんと言ってもそのパワフルさ。諏訪インターを降りて360度の視界で有名な入笠山を目指したが、車重2180kgのボディでも標高1800mの林道最高地点までまったく痛痒を感じることなく駆け上がってしまった。
オーバーランドとは対照的なワイルドな雰囲気のコマンダーの内装
オーバーランドとは対照的なワイルドな雰囲気のコマンダーの内装。使い込まれた鞍のようなカラーが印象的なサドルブラウンの本革シート。3列目は5対5の分割可倒式。
 一方、同じエンジンを搭載するコマンダー・リミテッドも力強さの点ではオーバーランドと変わらない。異なるのは乗り心地。わずかにボディ・サイズが大きく、3列目のシートを搭載していることもあって車重がオーバーランドより若干重く、乗り心地はよりしっとりしている。
 コマンダーのデザインコンセプトはオーバーランドとは対照的で、ボルト留めされたオーバーフェンダーやインパネなど、無骨でワイルドな演出が随所に見られる。あえて言えば、コマンダーはアウトドア派のファミリーが乗ると似合いそう。オーバーランドはアーバン派のカップル向きという感じだろうか。
 外観のイメージはともかく、本当の魅力はオンロードとオフロードの両方で優れた性能を発揮するところにある。特にオフロード性能。オーバーランドとコマンダーが搭載するクォドラドライブIIという4WDシステムは、1輪でもトラクションがかかっていれば自動的にほぼ100%のトルクをそのホイールに伝えるという優れた悪路走破性能をもつ。
 絶対の安心感。この全環境対応性能こそ、ウィリス製ジープをオリジンとするジープファミリーの証しでもあるのだ。

かつてNASCARを席捲した伝説のV型8気筒5.7リッターHEMIエンジン
モダンで落ち着いた雰囲気のオーバーランドの内装
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かつてNASCARを席捲した伝説のV型8気筒5.7リッターHEMIエンジン。現代に蘇った最新のHEMIエンジンは、可変シリンダーシステム(MDS)を得てパワーとエコを両立。

モダンで落ち着いた雰囲気のオーバーランドの内装。HDDナビゲーションシステムは標準装備。
マット調のプラチナドアミラーカバー
(左)マット調のプラチナドアミラーカバー。(中)明るい荷室。リアシートは分割可倒式。フロント及びリアパークアシストも標準で付く。バックや狭い場所での切り返しでも安心。(右)タイヤはグッドイヤー・ラングラー。サイズは245/60R18。

リアゲートには、5.7リッターHEMIとオーバーランドのエンブレムがつく
(右上下)リアゲートには、5.7リッターHEMIとオーバーランドのエンブレムがつく。

JEEP-GRAND CHEROKEE OVERLAND 5.7 HEMI
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(左端)JEEP WRANGLER SPORT
ウィリス直系のとびっきりネイキッドでフリーダムなモデル。全長×全幅×全高=3915×1740×1800mm。ホイールベース=2375mm。4リッター直6 OHVの最高出力は175ps/4600rpm、最大トルクは29.6kgm/3600rpm。ギアボックスは副変速機付き4AT。車両本体価格は291.9万円(消費税込み)。

(右端)JEEP CHEROKEE LIMTED
オンロードの走りとオフロードの走破性の両方の性能を高次元で融合したモデル。全長×全幅×全高=4520×1820×1820mm。ホイールベース=2650mm。3.7リッター V6 SOHCの最高出力は204ps/5200rpm、最大トルクは31.3kgm/3700rpm。ギアボックスは副変速機付き4AT。車両本体価格は378万円(消費税込み)。



(2006年12月号掲載)
 
 
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バックナンバーページの定価表記について
「ENGINE 2014年3月号」以前の定価表記は、発売時の定価になっております。
予めご了承くださいますようお願い申しあげます。



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