スズキの世界戦略車として04年11月にデビューした現行スイフト。走りに特化したスイフトスポーツは05年9月に登場。Limitedはこれに特別装備を加えた1000台限定モデルで06年12月に発売となっている。全長×全幅×全高=3765×1690×1510mm。ホイールベース=2390mm。1.6リッター直4DOHC VVTエンジンは最高出力125ps/6800rpm、最大トルク15.1kgm/4800rpmを発揮し、車重約1tの軽量コンパクトなボディを活発に走らせる。特別装備として、レカロのシート表皮に人工皮革のアルカンターラ(写真のグレーの部分)と一部本革を使用。外観ではガンメタのアルミホイール、ゴールド色のSportのエンブレムを持つ。価格は5MTが177.45万円、4ATが182.7万円。
おとなにこそ知ってほしい、日本のクイック・ハッチバック
スイフトスポーツの1000台限定モデルが登場。
特製レカロ・シートも装備したグッド・ルッキングなスペシャル・バージョンに本誌編集長が試乗、
これぞ転換期のモータリゼーションのクールな尖兵だ、と賞賛した。
乗って賞賛した人=鈴木正文(本誌) 写真=望月浩彦
スズキスイフトは、全長3695mmと、小型車の規範たるゴルフですら4mを超えている時代に、きわめてコンパクト。それでいて室内は広く、着座位置が高いため、視界がいいから運転しやすい。この小さなボディに125psを発生する1.6リッター直4を搭載した高性能版がスイフトスポーツである。より積極的に運転を楽しめるマニュアル仕様の場合、現代に要求される安全装備と快適装備を備えながら、車重は1060kgに過ぎない。そして、ボディ幅からハミ出しそうな勢いのワイドなタイヤ配置とより深いフロント・バンパーが伝える躍動感と安定感。スイフトスポーツのポイントを、そう整理することができる。
1000台限定版たるLimitedは、外観ではフロント下部とサイドのスポイラーがボディ同色になり(標準車はガンメタ)、ガンメタの専用16インチ・アルミホイール(標準車はシルバー)を採用、内装ではレカロシートの表皮にアルカンターラと一部本革を用いて上質感を出している。
ロング・ストロークのエンジンなので、中低速トルクに過不足はない。その一方で、6800rpmまでストレス・フリーで回る。連続的に高回転域を使っても、いささかも苦しげではない。引き締められた足回りは、同時に快適な乗り心地を実現、レカロの特製シートとあいまって、長距離も楽々こなすだろう。
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温暖化に直面する時代は、より合理的で機能的な小型車を求めている。スイフトスポーツは、その要求に応える資質と同時に、ドライブする楽しさを持っている。この地球と人類との将来のために、クルマの楽しみ方を再定義する必要性が高まりつつあるいま、スイフトスポーツのあり方はひとつの知的な提案といえるが、このLimitedは、そこにちょっとラグジュアリーな風味を添えて一層スペシャルである。
マニュアルを駆って都会を吹き抜ける一陣の風のようにそれを走らせてみて、そんなことを感じたのだった。
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