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速い! 旨い! 安い! パンダ100HPがやって来た!


FIAT PANDA 100HP/フィアット・パンダ 100HP
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FIAT PANDA 100HP



‘俺は待ってたぜ’


予告されたとおりに、パンダ100HPが日本にやってきた。
小さなボディに100PSの強心臓と6段マニュアル・ギアボックス。
きっと楽しいに違いないはず。でも、ほんとにダイジョーブかぁ?
文=齋藤浩之(本誌) 写真=小林俊樹



 パンダ100HPがついに上陸した。でも、「俺は待ってるぜ!」とイタリアで一緒に乗ったときに確かに今尾副編は言ったはずなのに、なぜかお鉢は僕に回ってきた。嬉しいけれど、なんかビミョー。
 それはともかくパンダ100HP、日本で乗ったら、いったいどんな感じなんだろう? と興味津々なのはいつわりのないところ。速く感じるのか? それとも遅く感じるのか?


速い! 速い!

 結論からいきます。パンダ100HPは、速い。日本の交通環境のなかで立派にホットな走りを見せる。小気味良いというのが正確だろうか。キビキビ、シャキシャキよく走る。身体に染み込んだ大排気量高出力車の記憶を消し去って乗れば、不満を覚えることなどないだろう。速い。
 思い出すに、イタリアで乗ったときにはいつも複数名乗車だった。ふたりか3人。プラス荷室にぎっしりの旅行鞄と撮影機材。そんな状態で空いたアウトストラーダで先を急ぎまくったわけだから、冷静に考えれば、さすがのパンダ100HPにも荷が重かったのだろう。イ副編が遅いと感じたのもやむなしというべきか。なにせ、ふだん、ロータスやベントレーに乗っているんだから。あ、ベントレーは動いていないか。
 そこへいくと今回は痩身の僕ひとり。荷物もない。パンダ100HPにとっては真の実力を発揮してみせるのに願ってもない条件が揃ったはず。果たして、パンダ100HPはみごと汚名を返上することに成功したというわけだ。
 1.37リッターのエンジンそれ自体はやはり中高速回転域で本領を発揮するタイプだけれど、細かく刻まれた6段ギアボックスのおかげで、元気よく走らせるときには、低回転域を素早くすり抜け、3500rpmから上の得意領域だけを繋いでやることができる。こうなればしめたもの。レスポンスは素早く、ピックアップも申し分ないものとなる。電子制御スロットルのモードをスポーツに切り替えておけば、アクセル・ペダルの踏み込み量が少なくても、バタフライがひょいひょいと開くから、なおさら活気づいて感じられる。これを遅いと言ったら、バチが当たりますよ、イさん。
 そういう走らせ方をするときに、素早い操作を受け付けるギアボックスは強い味方となる。ノブの位置は手元に近いし、操作ストロークは短めだし、節度はあるし、適度に軽いし、といいことずくめ。ギャンギャンいくと喜ぶエンジンをギャンギャンやるのにぴったりのデキなのだ。

FIAT PANDA 100HP
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エアクリーナー・ボックスに100HPと型押しがあるだけで、それらしさに乏しい16バルブ・ユニットだが、実力は本物。メーカーが言う最高速度185km/hは掛け値のないところだろう。3500rpmから上、とくに5000〜6000rpm辺りが美味。
 パンダの右ハンドル仕様の3ペダル・モデルを試すのは初めてなので、少し心配していたのだけれど、これもまったく問題がなかった。フィアット・グループが作ってきた右ハンドル仕様は、かつてのアルファ145といい、156といい、少なからず最初は問題のある例が少なくなかった。でも、パンダ100HPは最初から大丈夫。3つのペダルの間隔も、相互の前後奥行きの位置関係も、全体のオフセットも、とくに気になるところなし。ブレーキ・ペダルの剛性感も左ハンドルのそれに遜色ない。これなら左が欲しいとタダをこねる必要もない。嬉しい。


黒一色になったダッシュボードはパンダのイメージを変えている
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FIAT PANDA 100HP/フィアット・パンダ 100HP
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黒一色になったダッシュボードはパンダのイメージを変えている。標準装着される空調システムはオート・タイプ。


勇ましい15インチ・ホイールのスポークの間から覗くブレーキは見た目のサイズこそ頼りないものの、実力は問題なし。赤いキャリパーが健気。




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