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新登場の1.4シングル・チャージャー+7段DSGゴルフを長距離テスト


VW GOLF TSI Trendline/フォルクスワーゲン・ゴルフTSIトレンドライン
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2日間で2,000km走って18.2km/リッターをマークした!


現行ゴルフ・シリーズ最後の追加モデルとなるTSIトレンドラインが日本でも発売された。
ターボ過給1.4Lエンジンと7段DSGを組み合わせ、シリーズ随一の燃費性能を謳う。
その省燃費性能を検証するべく、2000kmの長距離テストを敢行した。
文=齋藤浩之(本誌) 写真=望月浩彦



最後の最後にやってきた本命

 もはやオフレコでもなんでもなく、次のゴルフ(VI)は、この秋のパリ・サロンでベールを脱ぐことが確実視されている。現行ゴルフVのモデル・ライフはつまり、あと3カ月で終わる。そして、そういう今になって、最後の追加モデルがゴルフ・シリーズに加わり、この6月17日に日本でも発売された。モデル名はTSIトレンドライン。日本市場ではこれまでの1.6Eに代わって、ボトム・ラインを担うことになる。
 最初に価格のことを書いておくと、車輌本体価格は248.0万円。これは1.6Eのわずか3万円高に過ぎない。1.6Eは自然吸気1.6リッターエンジンに6段ATの組み合わせ。新しいTSIトレンドラインは1基の小径ターボチャージャーで過給を施す1.4リッターエンジンに新開発の7段DSGの組み合わせだから、紙の上でもこのニューモデルはお買い得に思える。しかし、実際にその実力を体験したら、お買い得に“超”のつくことがわかった。いま1台、ゴルフ・シリーズからどれかを買うとしたら、間違いなくこのTSIトレンドラインだと思う。


VW自慢の燃費性能は本物か?

 ゴルフTSIラインナップの最後に加わったトレンドラインの最大の売りは、なんといってもその高い省燃費性能にある。先行して導入済みのツインチャージャー・モデル、GT TSIとTSIコンフォートラインも燃費性能の良さをうたい文句にしているけれど、新しいシングルチャージャー1.4を搭載するトレンドラインの燃費性能は、さらにその上をいく。日本仕様の10・15モード燃費で比べても、GT TSIが14.0km/リッター、TSIコンフォートラインが14.2km/リッターとすでに十二分に優秀な値を誇るのに、TSIトレンドラインはじつに15.4km/リッターを豪語するのである。
 前任機種たる1.6E(車重はTSIトレンドラインより10kg重い)の10・15モード燃費が12.8km/リッターであることを思えば、この改善は画期的といっていい。優れた6段ATを備える1.6Eの燃費がすでに優秀なものであったことを思い出すなら、そこからさらに20%の向上というのは、驚異的というしかない。輸入車の場合、日本車の燃費スペシャル仕様などと違って、日本独自の計測方法によるモード燃費性能にギアリングや変速制御、さらには燃料噴射マッピングを合わせ込んだりしてはいないので、その10・15モード燃費の数値は、かなり現実的な、参考とするに足るものとなっていることが多い。だから、ゴルフTSIトレンドラインの15.4km/リッターという数字にも重みがある。
VW GOLF TSI Trendline
TSI Trendline
2000km燃費計測テストを終えた翌日、兄貴分たるTSIコンフォートライン(140ps)とGT TSI (170ps)を連ねて山梨県は河口湖へと足を延ばした。
果たして、ワインディングロードでいちばん楽しかったのは、122psのTSIトレンドラインだった。
スロットル・レスポンスが良く、トルクのツキもいい。加えて、7段ギアボックスがエンジンの弱いところをすべて覆い隠すように巧妙な補完関係が築かれていて、いいところだけが出る。ツインチャージャーと比べて、スロットル操作に対するリニアリティで優位に立つのである。コーナリング速度も兄貴分に遜色ない。
ただし、タイヤのトレッド・コンパウンドの硬さが仇となり、乗り心地ではそれらに及ばないのが残念。
 でも、時にはあて外れみたいなことがあったりするのが燃費の世界。実際に確かめてみないことには、ほんとうに優れているかどうか、断言はできない。ならば、確かめてみるべしということで、燃費計測テストに出かけることにした。目標は2日間で2000kmを走破し、できるだけ精度の高いデータを取ることにある。満タン法で燃費を計測する場合、燃費のいいクルマは燃料タンク容量を使い切るぐらいでないと誤差が大きくなりやすいからである。


フォルクスワーゲン・ゴルフTSIトレンドライン
〈ゴルフTSIトレンドライン〉 ベースとなるエンジンはツインチャージャー1.4と同じ1389ccユニット。ボア・ストロークはφ76.5×75.6mmrとほぼスクウェア。圧縮比も同じで10:1。過給器は小径ターボチャージャー(タービン径φ37mm/コンプレッサー径φ41mm)が1基のみとなる。吸気マニフォールド一体型の水冷式インタークーラーを備える。最高出力122ps/5000rpm、最大トルク20.4kgm/1500-4000rpm。変速機は乾式のデュアルクラッチを使う7段DSG。出力軸を3軸化して全長の小型化(369mm)に成功した受容最大トルク250NmのDSG専用新開発ギアボックスだ。タイヤは195/65R15(テスト車はコンチ・エココンタクト2)。車重1310kg。車輌価格は248.0万円!


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page2 平均燃費計を有効利用すべし
page3 なっとくのゆく省燃費性能

 
 
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バックナンバーページの定価表記について
「ENGINE 2014年3月号」以前の定価表記は、発売時の定価になっております。
予めご了承くださいますようお願い申しあげます。



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