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ランチア・ファンに朗報! 新型デルタ上陸です。


LANCIA DELTA/ランチア デルタ
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軽やかにして上質なサルーン


ガレージ伊太利屋が新型デルタの輸入販売を開始する。
いち早くやってきたのはガソリン・エンジンを載せたモデルだ。
東京で乗ったらどうなのか。早速試乗の機会を得たので、ご報告。
文=齋藤浩之(本誌) 写真=小野一秋



 思いがけなく早い時期に、日本でランチアの新型デルタに乗るチャンスが巡ってきた。ご想像のとおり、輸入したのはガレージ伊太利屋だ。
 締め切り間際にこの原稿を書いている時点では未だ販売価格が最終決定にたどり着いておらず、ここでお知らせすることができないのが少し心苦しいけれど、近々発表とのことだから、皆さんがこの号を手に取るころには、ガレージ伊太利屋のホームページ上で分かるかもしれない。
 輸入されるのは2モデル。1.4のガソリン・ターボ過給(150ps)と、1.6のディーゼル・ターボ過給(120ps)で、変速機は今回試乗することのできたガソリン仕様には3ペダルの6段マニュアル型が、ディーゼルには2ペダルの自動変速モード付き6段シーケンシャル型が組み合わされる。右ハンドル仕様の生産が未だ立ち上がらないので、とりあえず左ハンドルで販売される。



後席でクラスレス・カーを実感

 2.7mの長いホイールベース上に構築されるロングルーフの2ボックス・ボディは全長が4.5m強、全幅は1.8m、そして全高が1.5mと、平均的なCセグメントカーよりは大きく、Dセグメントカーよりは小さい。
 軸間距離の長さは例外的にゆったりした後席膝前空間と荷室長に振り分けられていて、さらに後席は座部のスライドと背もたれの角度調整が可能だ。ガラス・サンルーフ用のサンシェードを内蔵する関係からか、後席のヘッドルームは座高の高い僕(176cm)のような旧来的日本人体型だとぎりぎりの感じはあるけれど、そこを除くと後席の空間的余裕は絶大で、どんなクラスのクルマに乗せられているのか、分からなくなる。本革とアルカンタラのコンビで覆われたシート(フラウ社製の総皮革張りも選べる)の仕立てはランチアならではの上質なそれだから、なおさらである。
ランチア デルタ
アクセントに使われている化粧トリムの質感はテージスのそれに及ばないけれど、奇抜に走らない意匠は好印象。
ナチュラルな感触にニッコリ

 思わず後席のドアを開けたくなる新型デルタだけれど、それでもいちばんの魅力は、ドライバーズ・カーとしての部分にある。
 ひとことで言って、自然な肌合い。マニュアル・ギアボックス付きのクルマに慣れ親しんだひとなら誰でも、この心地よさが気に入ると思う。
 電動アシスト式のステアリングの感触もサスペンションの働きぐあいも、そうあって欲しいと望むとおりの反応を示す。ダルでは決してなく、演出されたスポーティネスを誇示するでもなく、街乗りから高速まで、ちょうどいいぐあいに期待にそい続けてくれる。ふと気づいて「なかなかいいじゃないか、このクルマ」と感じ入る1台なのだ。
上級トリムとなるプラティーノに標準のシートは革とアルカンタラのコンビ
上級トリムとなるプラティーノに標準のシートは革とアルカンタラのコンビ。フラウの総皮革張りも選択できる。
 ステアリングもペダルもシフトレバーも操作の感触は、柔らかく繊細で軽快。なにより滑らかだ。軽すぎたりすることは決してなく、だから不安を覚えることがない。手足の動きをスローモーションで見るように扱って、ぴたりとはまる上品な仕立て。そこがとても気持ちいい。これはランチアだ。



東京でも快適だった

 乗り心地が優しいのはイタリアでの試乗のときにも感心したことだけれど、東京で乗っても、好印象はいささかも削がれることはなかった。
 唯一懸念された高架構造道路の金属ジョイント乗り越えも、タイヤがオプションの18インチではなく、標準の17インチだったこともあってか、破綻なくこなしてみせた。乗り心地性能重視のタイヤと上質なダンパーの組み合わせは、いい仕事をしているということだ。ホイールベースが2.7mにも達する上に、ノーズに収まるパワーユニットがきわめて軽いことも貢献しているに違いない。なにせベースユニットはBセグメントカーはおろかAセグメントのスモールカーに搭載可能な、小型軽量で鳴るFIRE系の1.37リッターの4気筒。そこに小型ターボチャージャーを加えただけだから、優にふたまわりは大きい2.4リッター5気筒が収まる大きさを備えたエンジン・ベイに申しわけなさそうにチョコンと収まるに過ぎない。前軸荷重負担は小さい。



小気味がよいターボ・エンジン

 だからといって、動力性能に不満を覚えることもない。150ps/5500rpmと21.0kgm/2250rpmという数字は、よくできた自然吸気2リッターに十分匹敵する。各ギア比が低めにとられた6段ギアボックスのおかげもあって、軽やかに加速する。
 試しにと思って、右足を深めに踏み込めば、過給効果が存分に発揮されて望外の加速力も引き出せる。ボディのサイズや装備からすると予想外に軽い車輌重量(1320kg)を実感するのは、このときだ。
 マニュアル・ギアボックスをスムーズに扱えることが前提となるけれど、新型デルタはランチアの名に相応しい、上質なサルーンである。
LANCIA DELTA/ランチア デルタ



(2009年1月号掲載)
 
 
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