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アバルト500、ファースト・インプレッション!


ABARTH 500/アバルト500
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ABARTH 500



やんちゃな高級車?


グランデ・プントに次いでチンクエチェントのアバルト上陸。
締め切り直前に敢行されたサーキット試乗会から、まずは第一印象をお伝えします。期待どおりです。
文=齋藤浩之(本誌) 写真=柏田芳敬



 下旬売り月刊誌の掲載締め切り直前、上陸したてのアバルト500の試乗会は決行された。登録可能になるのは早くても連休の始まる直前、もしくはその谷間ということから、試乗車はナンバーなし。場所は富士スピードウェイのショート・サーキットということになった。
 快晴のその日、東名高速を急ぐ間に空は見る見るうちに暗くなり、大井松田の辺りで大粒の雨がウィンドシールドを叩きつけ始めた。御殿場で降りてFISCOに近づいても、山並みは雨雲の下で白く霞んでいる。
 会場について尋ねると、朝から降ったり止んだりの繰り返しだったそうで、コースはヘビー・ウェット。濡れてなくても難しいコースなのに、これじゃあますます難しくなる。
アバルト500
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なんでプントより高いの?

 アバルト500の日本市場導入が発表されたとき、グランデ・プントのアバルトより高いので不思議に思った。500のそれは295万円もする。どうして? と思うのが普通だ。でも実車を見て納得した。欧州市場用の標準仕様で輸入されたグランデ・プント版と違って、アバルト500は、本来オプションの本革内装が標準。シフトノブもアルミ製のものに変更されている。明らかに上級トリムを意図した内装だ。欧州市場とは価格が逆転するわけである。


滑ってもぜんぜん怖くない

 雨のなか、ままよと決意して走らせ始めると、滑る滑る。FISCOのショート・サーキットは山の斜面をそのまま利用した、アップダウンのきついツイスティなコースだ。メインストレートで一気に駆け下り、エスケープ・ゾーンを広くとった1コーナーへ飛び込んでいく。周りこんでそのままS字が連続。バンク設定のない最終コーナーをタイトに回り込んで、またメインストレッチへという繰り返しになる。しっかりと速度を落としきり、スロットルを開けるのを我慢しながらグリップ限界を維持するのが肝のレイアウト。けれど、我慢するのが難しい。ついついオーバースピードで1コーナーに入りたくなるし、S字でもアクセレレーターを開けすぎてしまう。すると、つるつるとフロントが逃げていく。無闇にスロットルを開けると、グリップが落ちているから、トルクステアもバンバン出る。気ぜわしくステアリングが左右に振れる。水しぶきが途切れることがないぐらいに濡れた路面だから、ほんとうはもっと抑制しないとだめなのだ。
 でも、滑っても、ぜんぜん怖くない。フロント・グリップの失い方が漸進的で、一気にツゥーと滑ってそのままコントロール不能になったりしないし、スロットルを閉じれば穏やかにラインへ戻る。内輪の空転を感知するとそこへ自動的に制動をかけてLSD的な働きをさせ、外輪の駆動力を確保するTTCシステムが上手く働いているからだ。一方でリアはなかなか逃げないので、安心して遊んでいられるのである。
ABARTH 500
(上)上質な仕立てが気持ちいい。ステアリング・リムの剛性感が高いのもいい。アルミのシフトノブは標準装備。総じて手触りが高級だ。
(下)本来はオプション設定の本皮革シート(前後席)が日本仕様は標準装備になる。前席は目にも眩しい鮮やかな赤。座り心地も好印象。
 こんな路面状態だから、縁石に敢えて乗り上げでもしないかぎり、脚をフルストロークさせることも難しいけれど、敢えてそうしてみると、ボンと跳ねてけっこう簡単にインが浮く。姿勢は終始フラットで動きはソリッド。ドライのバロッコ・テストコースで乗ったときと、その感触は変わらない。姿勢変化を嫌った脚のセッティングなのだ。


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