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限定250台の後輪駆動ランボ、ガヤルドLP550試乗記


ドラマティック

 駆動の仕事から自由になった前輪のおかげか、ステアリングは、4WDガヤルドより軽めのフィールになり、しかも、路面をグリップしている感覚がちゃんと伝わってきた。そして、音がすばらしい。法定速度で巡航しているようなとき(6速での100km/h巡航は2400rpm)は、どこか遠いところからたんに平凡に聞こえていただけの排気音が、ひとたびムチを入れた加速を試みると、たちどころにオクターブを上げる。それでも手綱を緩めなければ、ならばとばかりにメカニカル・ノイズや吸気音がくっきりとした輪郭
LAMBORGHINI GALLARDO LP 550-2/ランボルギーニ ガヤルドLP550-2
を持って音場に参入してくる。レヴ・カウンターのニードルが7000を超えて8500のレッド・ゾーンめがけてハネ上がると、ウウウウウウウウウウウーンと、絶頂に達して長々と歓喜しているとしかおもえない色っぽい「声」が上がってくる。このドラマティックな音の変化は、音楽を超えた音楽となって、脳内快楽物質を分泌させるのだった。
 それが山道ならばなおさらだ。なぜなら、すばらしいハンドリングを堪能できるからだ。2WD化によって軽くなったノーズは、コーナーというコーナーで、つまりそれがタイトでもワイドでも、やすやすとインに入っていく。そこからは、ミドシップ後輪駆動車を操る醍醐味であるスロットル・ペダルによるコーナリング・コントロールの世界が待っている。それを楽しいとおもうか、恐ろしいとおもうかは、理性も込みのウデ次第だ。老ヴァレンティノは楽しい、と主張する。



後日譚

 イタリア在住のジャーナリストの話によると、ある日、ヴァレンティノはじぶんの名前のついたクルマに乗って帰宅した。通りの反対側に住む母親はいつだってそうなのだが、かれを見て「ゆっくり運転するのよ」と注意し、3人の息子たちは喝采を挙げたという。そして、15分もすると、村の全員といっていいぐらいの人数がクルマのまわりに集まっていた。翌日、出勤途中にフェルッチョの眠る墓地にさしかかると、ヴァレンティノはクルマを止めた。「ありがとう」と、こころのなかでフェルッチョにお礼をするために。
 いいクルマはいい話をつくる。

LAMBORGHINI GALLARDO LP 550-2/ランボルギーニ ガヤルドLP550-2
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LAMBORGHINI GALLARDO LP 550-2/ランボルギーニ ガヤルドLP550-2
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ドライバーの後方に縦置きされる90度Vの自然吸気DOHC4バルブ5204cc直噴10気筒エンジンは、12.1対1の高い圧縮比を得て、550ps/8000rpmの最高出力と540Nm(55.1kgm)/6500rpmの最大トルクを発生する。アルミ・スペース・フレームのシャシーに、アルミと樹脂のボディ・パネルを与え、車重は1430kgと、4WDのLP560-4よりおよそ100kg軽い。変速機は6段MTまたは6段セミATで、こんかいのテスト車はセミAT仕様だった。サスペンションは前後ともダブル・ウィッシュボーン/コイルとオーソドックスだ。0-100km/hを4秒でカバーし、320km/hの最高速をたたき出す。



(2009年11号掲載)


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