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日本向け第1弾、120台は発売前に予約で完売!


CHEVROLET CAMARO LT RS/シヴォレー・カマロ LT RS
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CHEVROLET CAMARO LT RS/シヴォレー・カマロ LT RS


“写メ”して欲しい!


2002年に4代目の生産が終了してから7年。
待望のニュー・カマロがようやく上陸した。
3.6リッターV6、308psで430万円のLT RSに乗った。
文=塩澤則浩(本誌) 写真=望月浩彦


強烈な視線
 街で信号待ちをしているときに、横断歩道を渡るひとから見られるクルマと見られないクルマがある。シヴォレーの新型カマロは間違いなく見られるクルマだ。品川のGMジャパンからラリーイエローのド派手な試乗車を借り出して、最初の交差点で信号待ちをしていると、学生風の女の子にいきなり真正面から写メされたのには驚いた。その後もたびたび交差点で写メされ続け、大型トラックのドライバーから指までさされると、だんだん見られることが快感になってくるから不思議だ。
 初代が登場したのは67年。02年に一旦生産が終了した後、06年のデトロイト・ショウでコンセプトカーが発表され、7年ぶりに復活したアメリカン・スポーツ・クーペの人気モデル、なんていうことは、クルマ好きはともかくフツーのひとは知らないだろう。街中で写メするひとには、07年に公開されて日本でも大ヒットした映画「トランスフォーマー」でロボットに変身するクルマと言った方が通りがいいに違いない。
シヴォレー・カマロ LT RS
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ボンネットのバルジを強調するオプションのラリー・ストライプ(5万400円)が付いた試乗車はかっこうの写メの標的になった。真横から見るとサイド・ウィンドウの狭さがひと目でわかる。事故にでもあって閉じ込められたら太ったひとだと脱出できないのではと心配になるほどだ。試乗車のタイヤはピレリPゼロで、サイズはフロント245/45R20、リア275/40R20である。
 それにしても、これほどアニメチックなデザインのクルマも珍しい。4840mmの全長に対して、全幅が1915mmもあり、逆に全高が1380mmしかないので、ワイドでぺちゃんこに見える。素の状態ですでにチョップト・トップ風のチューンドカーである。サイド・ウィンドウは窓から顔を出すのも大変なくらい天地の幅が狭い。でも、その思い切りのよさが新型カマロ・デザインのいいところだ。
 室内はお世辞にも広いとは言えない。フロント・ウィンドウもサイド・ウィンドウと同じくスタイル優先で天地幅が狭く、まるで箱メガネで外を覗いているような感じだから見切りも悪い。窓が狭いうえに内装色がブラックだから、ますます窮屈に感じてしまう。とはいうものの、後を振り返ればちゃんと2つシートがある4人乗りである。足元のスペースはミニマムだから、荷物置き場か子ども用と割り切った方がいいだろう。

デザインは個性的で面白いが、樹脂類の質感が430万円にしてはもう一歩のコクピット
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デザインは個性的で面白いが、樹脂類の質感が430万円にしてはもう一歩のコクピット。センターコンソールにはアナログ表示の油温計、油圧計、電圧計、ATF温度計が付いているところがなんともマニアックだ。
シヴォレー・カマロ LT RS
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シヴォレー・カマロ LT RS
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内装はご覧のように一面、黒一色。夜間、ライトをオンにするといたるところで妖しげなブルーの照明が点灯する様は、まるでバー・ラウンジのようだ。


洗練されたモダンカー
 絵に描いたような往年のアメリカン・マッスルカー的外観だから、パワーはあるけれどモッサリした走りを想像していたら、いい意味で裏切られた。乗ってみれば、洗練されたモダンカーだった。試乗したLT RS(430万円)が積むのはキャディラックCTSにも搭載されている最新の直噴式3.6リッターV6である。回転フィールはウルトラ・スムーズ。7000回転までストレスなく吹け上がる高回転型だ。カタログ上の数値だけを見れば、308ps/6400rpmの最高出力と、37.7kgm/5200rpmの最大トルクは、1710kgの車重に対していまひとつ、と思うかもしれない。ところが実際は、コレで308psしかないの? と思うほどパワフルで速い。
 ラグジュアリーが売りのCTSと違ってカマロはスポーティさが肝だから、エグゾーストノートの演出も思い切りがいい。3000回転を超えると硬質で乾いたサウンドがガンガン室内に飛び込んでくる。
3.6リッターV6は米国の自動車誌「ワーズ・オートワールド」の2009年の10ベスト・エンジンに選ばれた
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3.6リッターV6は米国の自動車誌「ワーズ・オートワールド」の2009年の10ベスト・エンジンに選ばれた。ちなみにレギュラー・ガソリン仕様である。
 トルコン・スリップも少なくエンジンのフィールを気持ちよく伝えてくれる6段ATも優秀である。Dレインジのままでも車速が落ちるとダウン・シフトのときに勝手にブリッピングしてくれるのが面白くて、ハード・ブレーキングが癖になりそうである。ステアリングの裏にあるタップ・スイッチを駆使すればマニュアル・シフトも思いのままだ。
 モダンで洗練されているのはシャシーも同様だ。基本設計はGM。開発、熟成を担当したのはオーストラリアのホールデン。ニュルブルクリングで鍛えたコーヴェットやキャディラックCTS-Vで培ったスポーツカー作りのノウハウも生かされているに違いない。ボディ剛性は欧州車と同等かそれ以上。ユルいアメ車は遠い昔の話である。
CHEVROLET CAMARO LT RS/シヴォレー・カマロ LT RS
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CHEVROLET CAMARO LT RS/シヴォレー・カマロ LT RS
 足回りも強靭だ。でも、嫌な硬さではない。ダンピングは強力で、しなやかさもあるので、高速道路で繋ぎ目の段差を越えたときでも大きな突き上げはほとんど感じなかった。
 ステアリングだってシャープだから、わずかな操舵にも切れ味鋭く反応する。ワイド・トレッドでもともと回頭性もいいので、大柄なくせにハンドリングも軽快だ。難点を上げるとすれば、タイヤがファットなために轍で進路が乱れることだ。それを除けば、正直、こんなにいいクルマだとは思ってもみなかった。V6がこうなら、今回は試乗できなかったコーヴェット譲りの6.2リッターV8を搭載したSS RSモデル(535万円)はさらに期待できそうである。ニュー・カマロは、決して見た目だけではない高性能車であった。できるなら中身も写メして欲しい。




(2010年3月号掲載)
 
 
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