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普及版ロールズはドライバーズ・カーか?


ROLLS-ROYCE GHOST/ロールズ・ロイス ゴースト
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ROLLS-ROYCE GHOST

ファンタムの下の「量販モデル」として企画されたゴースト。新生ロールズの伝統に則り、観音開きドアを採用。テスト車は、シー・シェル(貝殻)という白い内装に、ダークエスト・タングステン(濃いグレー)の外装色。シートは厚みがあり、座り心地は最高ランク。伝統とモダンを融合したデザインはゴーストの大きな魅力だ。全長5366×全幅1948×全高1550mm。ホイールベース3295mmの巨体は、ちょうどBMW7シリーズとRRファンタムの中間。専用の6.6リッターV12直噴ツインターボは最高出力570ps/5250rpm、最大トルク780Nm/1500rpmを生む。



6.6リッター12ツインターボ、2900万円のゴーストに、乗った! 語った!


さしもの酷暑も下火に向かいはじめた9月9日、ロールズ・ロイスは、入門用ロールズたるゴーストに
東京―横浜往復のルートで試乗する機会をつくった。ロールズ/ベントレー派の2人が参加した。
語るひと=鈴木正文(ス)+今尾直樹(イ) 写真=望月浩彦




関係ない!?

 いよいよデリバリーの始まったロールズ・ロイス・ゴースト。読者にはあまり関係ない、といっては失礼だけど、そもそも生産台数が限られている。
 廉価版とはいえ、車両価格2900万円ですしねぇ。
 それにしてもロールズ・ロイスの躍進は目覚ましい。この御時世に今年7月の時点で1221台つくって対前年比226%、つまり2倍以上。年間だと2000台を超えるそうだ。ちなみにトップ3のマーケットは、1位USA、2位イギリス、3位中国。だけど、今年中に中国がイギリスを抜くらしい。
 日本市場では前年同期の3倍売れている。
 「元気がない」といわれている日本でも、元気のあるひとはいるんだね。上の方に。日本では2006年の47台が過去最高で、今年はこの数字を楽に超えるだろうという。
 他人事とはいえ、景気のイイ話は聞いていて気持ちがイイ。
 今年、日本ではロールズ全体で60台が目標で、ファンタム1に対してゴースト3を見込んでいる。さて、基本的な情報はこれくらいにして、最初は君が運転した。都心の高級ホテル、リッツ・カールトンから、首都高速経由で横浜まで40kmぐらい。
 パッと乗り込んだとき、テスト車は華やかな白い内装にウッドが十分あって、モダンでありながら、やっぱりロールズ・ロイスらしいなと思った。いいなぁ、と。
 まあ、アレに乗ってイヤな気分になるひとはなかなかいない。
 第一印象としては、すごく静か。乗り心地は意外と硬い、と走り始めてすぐ思った。タイヤがグッドイヤーのランフラットで、前255/45R20、後ろ285/40R20というデカイのがついている。低速でゴツゴツするのはやむを得ない。
 最高速250km/h(リミッター制御)、0-100km/h加速4.9秒という高性能車だからね。ところが、乗っているうちにショックが小さくなっていった、とは感じなかった?
 ええ。帰り、後席に乗ったら、ぜんぜん快適だった。驚いた。
 サスペンションの初期の作動が少し鈍いんじゃないか。
 暖まるのに時間がかかる? そういえば、往路で運転しているとき、最初は首都高速のつなぎ目で、硬いくせにボディの揺り戻しみたいなのがあったのに、途中からなくなった。
 ゴーストは最新のエア・サスだが、エア・サスは一般に路面にギャップがあると、直接的な突き上げを許す。それが一種の特徴だけど、ゴーストも最初はそれが感じられた。全体のウォームアップに時間がかかる、ということはいえるかもしれない。
自由自在

 首都高速で合流するときに深めにアクセルをグワッと踏み込んでみると、まあ、これが速い! 血の気が引く。ターボ・バンがある。
 巡航中にスロットルを床まで踏み込むと2次曲線的な加速をすることは僕も認めた。だけど、フツウに運転している限りはいわゆるターボラグは感じない。あたかも自然吸気のようなフィーリング。
ROLLS-ROYCE GHOST/ロールズ・ロイス ゴースト
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 実際6.6もある。
 ターボがいらない。でも、このターボのおかげで780Nmという最大トルクが1500rpmで発生する。ロールズらしい津波のようなトルク、その前では人智は逆らってもムダであるかのようなそれが迫り来る。
 車重2360kgが軽々走る。
 といって、パワーがあり余っている感じはしなかった。適切。
 8段オートマチックがじつにスムーズ。それでもって、運転していると、クルマがどんどんちっちゃくなっていく。
 ま、自由自在。乗り込んですぐにフルスロットル。首都高速ぐらいのコーナーだったら、どんどこ入って行ける。ひとつには足が俊敏なんだ。基本的には、穏やかなんだけど、前後のバランスがすごくイイ。回転計がないからわからないけれど、1500から5250rpmまで、最大トルクのバンドに入るから、実際のところ、自在に運転できる。俊敏だよ。
 そうですね。
 これはホントにドライバーズ・カーだ! という感じが乗り出してすぐにする。
 にもかかわらず、後席は広くて居心地がイイ。ショーファー・ドリブンも十分いける。窓ガラスの昇降がスーッと厳かに動くところは、いかにも高級車。総じて、若々しいロールズということになるのでしょう。
 動きが軽いからね。それでいて、ロールズ・ロイスらしい穏やかな、紳士的な乗り心地になっている。
 夢のクルマが1台増えました。

ROLLS-ROYCE GHOST/ロールズ・ロイス ゴースト
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(2010年11月号掲載)
 
 
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