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本誌編集長、鈴木正文の「新・自動車評論」
第12回 ベントレー・ミュルザンヌ


BENTLEY MULSANNE
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BENTLEY MULSANNE/ベントレー・ミュルザンヌ


箱根、芦ノ湖スカイラインの登り中速コーナーでの限界コーナリング。
ここまで攻めてもドライバーに不安はない。後内輪も接地している。


このクルマの中に「現実」はない!
クルマの形をした大伽藍はスポーティだった。


昨年夏のペブルビーチでお披露目されてから1年あまり―。
新時代の大型ベントレーであるミュルザンヌの先行試作車への
試乗が、ようやく実現した。3380万円の値打ちはあるのか?
文=鈴木正文(本誌) 写真=柏田芳敬



オニックスの黒
 待望のミュルザンヌ・ドライブは、ベントレー・モーターズ・ジャパンが入居する都心のビルから出発した。対面したのは、深みのあるメタリック・ブラックで、オニックス(縞メノウ)と呼ばれる。標準色は28種あるが、カラー・パレットは114色も用意され、ブラック系ひとつとっても9種にのぼる。
 いっぽう、インテリアは24色、カーペットも24色、そしてウッドが9種類の選択肢を提供している。3380万円のクルマは、カラー・スペックを決めるだけでも、その10分の1の値段のクルマより、確実に10倍以上の楽しみ(悩み?)を与えてくれる。どんな組み合わせにしたところで、速さも乗り心地も変わりはしないから、そんなのはクルマの本質と無関係だというなかれ。かつて黒一色のT型フォードが、デュポンと手を組んで多彩なボディ・カラー戦略を展開したシボレーに、一敗地にまみれたことを忘れてはいけない。
横浜マリン・タワーをバックに点灯したミュルザンヌのスリー・クオーター・ビュー
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横浜マリン・タワーをバックに点灯したミュルザンヌのスリー・クオーター・ビュー。大径ヘッドライトとステンレス製の大きなメッシュ・グリルがクラシックな趣で、ミュルザンヌに威厳を与えている。外形寸法は、5575×1926×1521mm。
 もし注文するとしたら、と大型ベントレー好きの僕は妄想した。外装はソリッドのレッド(セント・ジェイムズ・レッドというのがある)、内装はカーペットをふくめてブラック(ベルーガというキャビア・ブラックだ)、そしてウッドは普通にバー・ウォルナットだな―、とすっかり注文した気分である。テスト車の内装はダッシュボード・トップとカーペットがベルーガで、シートなどはショートブレッド、つまりビスケット、ウッドは暗いほうのバー・ウォルナットの組み合わせだった。ま、そういう選択もあるだろう。


オプションのフライイング・ベントレー
ミュルザンヌのスタイリングの要とすらいえる大型ヘッドライト
オプションのフライイング・ベントレーは目印としてはいささか小振りにすぎるか?

ミュルザンヌのスタイリングの要とすらいえる大型ヘッドライト。真円ぶりを際立たせるために外縁がメッキされている。

BENTLEY MULSANNE
オプションの21インチ・アルミ・ホイール
カーゴ・ルームの容積は期待を下回る。天地が浅いのだ。カーペット張りの仕切り板の下には、テンパー・タイヤと2個のバッテリーが収まっている。タンク容量は96リッター。

オプションの21インチ・アルミ・ホイール。タイヤはピレリPゼロで、前205/40、後ろ265/40のZR21である。よりアグレッシブな5本スポーク・ホイールもある。



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page2 納車開始は来年3月
page3 約5.6メートル

 
 
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