ENGINE online/エンジン オンライン

「批評的対話」によるザ・比較テスト第12回
BMW アルピナ B5 ビ・ターボ(1495万円)vs
BMW 535i M スポーツ・パッケージ(872万円)


BMW アルピナ B5 ビ・ターボ(1495万円)vs BMW 535i M スポーツ・パッケージ(872万円)
クリックすると拡大
BMW ALPINA B5 BiTurbo
●550iベースのアルピナ仕様。
●直噴4.4リッターV8ツイン・ターボは520ps/72.9kgm。
●電子制御サスペンションはアルピナ仕様。
●冷却性能を強化した独自のバンパーを装備。

BMW 535iM Sports Package
●5シリーズ中核モデルのスポーツ仕様。
●直噴3リッター直6ターボは306ps/40.8kgm。
●専用スポーツ・サスペンションを装備。8AT。
●専用エアロで見た目もスポーティに。


アルピナ対本家、5シリーズ対決!


BMW車に絶妙な味を加えて、独自のスポーティかつ上質な世界を作り上げてきたアルピナから
5シリーズ・ベースの新型が登場した。B5ビ・ターボと名付けられたそれは、どんな乗り味を持っているのか。
本家BMW5シリーズの中核モデルと比較することで、その真価をあぶり出そうと試みた。
話す人=齋藤浩之+村上 政(ともに本誌) 写真=小野一秋



サイボーグと人間

村上 久々にアルピナに乗りました。乗って走り始めた瞬間から、ノーマルのBMWとはまるで違うと思った。人工と自然、サイボーグと人間。そのくらいの違いがある。もちろん、ナチュラルなのがアルピナです。象徴的なのはステアリング・フィールで、得も言われぬしっとりとした感触がある。そもそもステアリング・ホイール自体がぜんぜん違う。アルピナのそれは握りが細くて、径も大きい。リムが極太で径が小さいMスポーツとは正反対。可変ギアレシオのアクティブ・ステアリングもアルピナは使っていない。
齋藤 いきなりアルピナべた褒めから入るんだ。たしかにB5ビ・ターボは、BMWが7シリーズに続いて5にも採用したリア・アクスルのステアリング・システムも外して、わざわざオーソドックスなステアリング機構に置き換えている。それぐらいステアリングにこだわっているのが、いかにもアルピナらしい。
村上 一瞬、ダルに感じるほどスローで、ニュートラル付近でのレスポンスもゆったりしている。ところが、ひとつ交差点を曲がっただけで、これがじつにリニアで、切れば切っただけ曲がる、ドライバーの感覚にピッタリ合ったものであることがわかる。切り始めた瞬間にキュッと曲がる今どきのスポーティさとは違うけれど、これこそ本物のスポーティだ、と言いたくなるくらいに感動した。
BMW 535iM Sports Package/BMW 535i M スポーツ・パッケージ
クリックすると拡大
BMW 535iM Sports Package/BMW 535i M スポーツ・パッケージ
齋藤 神経質にならずに操作できて、繊細な微調整が効く。そして、切り始めから深い舵角まで、一貫したリアリティが保たれる。ほんとうによくできたステアリングとはそういうもの。似非スポーティがはびこる中で、アルピナが本物であることにこだわって、独自の主張を貫いているのはほんとうに偉い。素人向けに媚びるところがいっさいない。
村上 乗り心地の良さにも感動した。スポーティなのに決して脚が硬すぎない。いや、それどころか、コーナーを攻めていくとロールは相当に大きい。それなのに、実にきれいに曲がれてしまう。乗り心地とハンドリングのバランスが絶妙。対して、535iMスポーツの方は、とにかく脚が硬くて、街中では乗り心地が悪いと思った。ただ、高速道路や路面のいいところでは、それほど硬さが気にならない。飛ばして楽しいクルマ。アルピナは飛ばしても飛ばさなくても楽しいし、味わい深い。
齋藤 Mスポーツはランフラット・タイヤをかなり上手に使っているけれど、サスペンションの仕立てが硬いところが正直に出る。タイヤのせいではなく、そういう性格づけがされている。それが嫌だったら、ふつうの535iを買えばいいだけのことでしょう。BMWにはそういう割り切りがあるんだなと思った。一方で、アルピナは電子制御に頼らずに一発決めのダンパーを使ってタイヤとのマッチングを緻密にとって独特の味わいを出すやり方でずっとやってきたのに、この5シリーズ・ベースの新型では電子制御ダンパーはそのまま活かして、そのセッティングを独自のものとすることで、やっぱりさすがはアルピナと思わせるスキのない脚を仕立ててきた。そこがすごいなと思う。


BMW 535i M Sports
クリックすると拡大
BMW 535i M Sports
クリックすると拡大
BMW 535i M Sports
クリックすると拡大

ランフラット・タイヤを履く

BMW 535i M Sports

水平基調を強調したダッシュボードを中心に構築されたインテリア。535iは左右どちらのハンドルも選べる。スポーク裏側にマニュアル変速用のシフト・パドルが備わる。左を引いてシフト・ダウン、右を引いてシフト・アップ。Mスポーツ・パッケージはスポーツ・シートを標準装備する。BMW伝統の直6エンジンは直噴システムにバルブトロニックを組み合わせ、ツイン・スクロール型の大型ターボ過給器を1基備える最新型。最高出力は306ps/5800rpm、最大トルクは40.8kgm/1200〜5000rpm。

電子制御サスペンションはかなり硬めの設定。Mスポーツは前245/45R18、後275/40R18のランフラット・タイヤを履く。全長×全幅×全高=4910×1860×1475mm。ホイールベース=2970mm。車重=1840kg(サンルーフ付)。

BMW 535i M Sports
クリックすると拡大
BMW 535i M Sports
クリックすると拡大






前のページ
1
2
3
次のページ



page1 アルピナ対本家、5シリーズ対決!
page2 目利きのためのクルマ
page3 箱根ターンパイクにて

 
 
最新記事一覧
Driving Lesson
エンジン・ドライビング・レッスン
「エンジン・ドライビング・レッスン2017」の受講生募集を開始します。今年の開催は全3回…
NEWS
TOYOTA CENTURY/トヨタ…
20年の時を経て3代目へと生まれ変わったセンチュリー。この目で確かめたい方は是非、東京モーターシ…
NEWS
SUBARU EyeSight/スバル…
車線中央維持、先行車追従操舵という新機能を備えたツーリングアシストを加え、アイサイト・セイフテ…
SHOP
限定30本のLOCMAN×武田双…
色やデザインも大切だけど、時計を選ぶ際に気をつけてほしいのが着け心地。エンジン・オンラインには…
NEWS
HONDA N-BOX/ホンダ N-B…
いまやホンダの屋台骨といってもいい存在が、N-BOXだ。聞けば、初代N-BOXはモデル最終期でも月間2万…
NEWS
TOYOTA HILUX/トヨタ・…
2011年に三菱トライトンの販売が終了して以来、空白だった日本のピックアップ市場に大物が帰ってきた…
NEWS
Driven By Emotion Ferra…
フェラーリの名を冠したクルマが世に出てから70年、世界規模で行なわれた記念イベントが日本でも。
NEWS
MASERATI Granturismo Gr…
マゼラーティ・グラントゥリズモとグランカブリオの発表会はボディ・チェックをするところからはじま…
NEWS
35年ぶりの続編はオリジ…
世界中に熱烈なファンを持つ『ブレードランナー』の続編がついに公開される。ハリソン・フォードも再…



バックナンバーページの定価表記について
「ENGINE 2014年3月号」以前の定価表記は、発売時の定価になっております。
予めご了承くださいますようお願い申しあげます。



▼試乗記 最新5件
 もっとも手頃なボルボに乗る。
 マイナーチェンジしたキャデラック・エスカレードに乗る。
 ミニ一族では初の電化モデル、クロスオーバー・クーパーSEに乗る。
 フェイスリフトを受けて進化した新型ルノー・ルーテシアR.S.に箱根で試乗。
 ホンダ・フィットがマイナーチェンジ