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新着ドイツ車ロード・テスト3連発! #02


AUDI A7 SPORTBACK
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AUDI A7 SPORTBACK



男48歳の乗るセダン。


クーペの持つエレガントさとセダンの快適性を融合した、アウディ渾身のハイクオリティ・デザイン・カー、
A7スポーツバックに注目せよ!
文=塩澤則浩(本誌) 写真=望月浩彦



 のっけから古い話で恐縮だけれど、本誌創刊1年目の、2001年8月号で、セダンの特集を組んだことがある。その特集のタイトルは「男38歳、どのセダンに乗るか?」。
 スズキ編集長は冒頭の原稿で、人生の岐路に立つ悩み多き38歳の男の前向きな選択として、発売されたばかりのアウディA4を取り上げた。このとき編集長とともにブルーのA4に乗ったのは、当時、トレンディ・ドラマのディレクターとして鳴らしていた河毛俊作さんだった。河毛さんといえば最近、本誌の連載をまとめた単行本、『一枚の白いシャツ、男、45歳からの服装術』(小社刊)を出版したばかりだけれど、その頃からオシャレには独自のこだわりがあった。このとき河毛さんは48歳。A4の印象をこう語っていた。
「たとえばフェラーリやマゼラーティ、あるいはアルファやポルシェに乗ってるとか、そういうことじゃない何かカッコいいところがありますね。スイマセン、フツーですから気にしないでくださいって言いながら、みんながこっちを見るという感じ」
 そのときまさに38歳だったボクも、河毛さんの意見には同感だった。あれから10年。当時の河毛さんと同じ歳になったいま、魅力的なセダンを上げよと言われれば、最右翼はこのほど日本に上陸したばかりのアウディA7スポーツバックになる。
100%オヤジ世代

 A7スポーツバックはやっぱり見られるクルマだ。ナンバー取れたてということもあるけれど、週末に尾山台のアウディ・ジャパンで試乗車を受け取って、土日に自宅のある国立界隈を走っていたらジロジロ見られた。熱視線を送ってくるのは100%オヤジ世代。しかもみんなオシャレときている。
 当然と言えば当然かもしれない。なにしろボディ・サイズは、全長が4990mm、全幅が1910mmもある。価格も乗りだし900万円超えの879万円もするから、乗るひとには相応の収入と車格に合った年齢なりの風格も、ある程度は必要だ。
 そんなオヤジたちを惹きつけるのは、なんと言ってもそのカッコいいクーペ・スタイルだ。アイスシルバー・メタリックの試乗車のなんと流麗なことか。ゾクッとするほど艶めかしい。特にリアのスタイリングは秀逸で、Cピラーからリア・フェンダーへと流れるボディ・パネルの処理は、思わず掌で撫でたくなるほど滑らかだ。見どころはリアだけではない。真横から見たルーフ・ラインも、前方から見た地を這うようなワイド&ローのスタイルも、まるで空気か水が流れるような自然さで、どこにも破綻がない。ついでに言うと、4枚のドアとリアのハッチを開けても絵になる。こんなクルマも珍しい。
 コストが優先する日本でデザイナーが妥協するのはよく聞く話だけれど、デザインを大事にするアウディの場合は、デザイナーの要求に生産現場のエンジニアがとことん応える。たとえば、エンジン・フードやフェンダー、ドアなどに、成型処理の難しいアルミ素材を使いながらデザイナーのイメージを具体化できるのも、技術の追求を怠らない、強い信念があるからだ。そう思うと879万円は、いいモノを知ってるひとにとっては高くはない、と思った。
3リッターをスーパーチャージャーで過給して4リッター並みのパワーを絞り出すダウンサイジング・エンジン
3リッターをスーパーチャージャーで過給して4リッター並みのパワーを絞り出すダウンサイジング・エンジン。アイドリング・ストップやオルタネーターによるエネルギー回生など、エコ対策も万全で、10.15モード燃費は10.2km/リッター。乾いた、意外にいい排気音を響かせる。
 内装も抜かりはなく、場所や手の触れる頻度によって、スイッチ類の材質やコーティング、クリック感まで変えるきめ細やかな配慮をしている。デザインはアウディ流で、ソフトな樹脂で柔らかさを表現しながら、金属質のメッキ・パーツを随所に使ってシャープな印象も持たせている。
 4人乗りの室内はひと言でいうと落ちつきがある。試乗車は黒の内装だったけれど、ほかにグレーやブラウン、ベージュもあるので、印象は変わるかもしれない。大柄なボディのわりに包まれ感があるのは、ダッシュボードとドア・トリムをつなぐラップアラウンド型のベルト・ラインの効果もあるが、十分な空間を確保した上でキャビンを適度にタイトにしているためでもある。おかげで室内にいる限り、5m近い長さや2mに届く車幅を意識することはない。


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