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新型スイフト・スポーツは6MTと7CVTでさらに痛快。


SUZUKI SWIFT SPORT
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SUZUKI SWIFT SPORT/スズキ スイフト・スポーツ

こんどのヤツもイイ!


日本車として唯一のホットハッチだったスイフト・スポーツ。
変速機を一新してますます快活になった新型に試乗した。
文=齋藤浩之(本誌) 写真=望月浩彦



 山道を走るのが楽しくなる日本車は多くない。とくに身近な価格帯のクルマともなると、ほとんど絶滅に瀕しているような状況にある。その数少ない生き残り組の1台が、スズキのスイフト・スポーツだった。2005年に颯爽とデビューして以来、7年もの間、ほとんどライバル不在のまま、孤軍奮闘を続けてきた。途中、日産のマーチにオーテックが手を入れた12SRが出て、ちょっと違った性格ながらも、同じように希有な山で楽しい日本車として僕らを楽しませてくれたけれど、その12SRも、いまや存在しない。
 一方のスイフト・スポーツはエンジンや5MTのギアリングを微調整してますます楽しいクルマになり、ずっとラインナップされ続けてきた。ベースとなったスイフト(先代)が、素晴らしくよくできた小型車として息の長いクルマとなったからだ。そんなスイフト・スポーツは、2ペダルの4AT仕様を加えてからも、マニュアル・ギアボックス仕様への支持が圧倒的だった。そこでもスイフト・スポーツは日本車として例外的な存在だったのだ。

SUZUKI SWIFT SPORT
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SUZUKI SWIFT SPORT/スズキ スイフト・スポーツ


基本は変わらず
 スズキの小型車づくりのマイル・ストーンとなったスイフトのモデルチェンジは、基本を守って、各所を徹底的に改良するという手法をとったものとなった。新しいスイフト・スポーツもまた同じように、基本的な成り立ちを変えていない。エンジンは1.6リッターの自然吸気4気筒。前輪駆動。メイン機種は3ペダルのマニュアル・ギアボックス付き。脚はベースとなる普通のスイフトの前にストラット、後ろにトーション・ビームという形式はそのままに、ハイパフォーマンス・モデルに相応しい強化とチューニングが、古典的な方法で施されている。専用のスポーツ・シートを奢ってドライバーをしっかりとサポートし「あとはどうぞお好きにおやり下さい」というスタンスである。今はやりの電子制御運転支援装置の導入も、最小限にとどめてある。それは明確に、運転そのものを楽しむためのクルマなのだ。

吸気側カムに作用位相の可変装置
吸気側カムに作用位相の可変装置を加え、バルブ・リフト量も増やされるなどした1586ccエンジンは、高回転域の力強さを増した。最高出力136ps/6900rpm、最大トルク16.3kgm/4400rpmを発揮する。変速機の多段化と相まって、先代以上に痛快な加速性能をもたらす。回して楽しいエンジンなのもイイ。
奇をてらうことなくまとめられたスイフトの良さは
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“スポーツ”専用のシート
奇をてらうことなくまとめられたスイフトの良さは、スイフト・スポーツにもそのまま活きている。ドライビング・ポジションは申し分なしで、各部調整代も大きいから、状況に応じた運転姿勢が難なく選べるのが嬉しい。


“スポーツ”専用のシートはサイズがたっぷりとしているから、かなり大柄なひとでも不足を感じることはないはず。立派なサイド・サポートの張り出しがつくが、乗り降りに邪魔になることはなく、ほどよく体側を支えてくれる優れもの。



2ペダル仕様はCVTに

 12月中旬に一足先に出てきたマニュアル・ギアボックス付きを追いかけるようにして、自動変速機付きのモデルもこの1月下旬に登場する。先代は4ATだったが、今度はCVT(連続無段階変速機)になった。
CVTモデルのパドルとギア・セレクター
CVTモデルのパドルとギア・セレクター。マニュアル変速はステアリング・ホイール裏に固定されたパドルで行う。セレクターの方はモード選択のときのみ使う。

スズキお得意の副変速機付きで、スイフト・スポーツに相応しいものにするために、無段階変速のDレインジに加えて、7段のマニュアル変速モードを設けてある。ステアリング・ホイールの裏にはパドル・シフターが備わる。センター・コンソールから生えるシフト・レバーはP−R−N−D−Mのシンプルな直線ゲートだけで、マニュアル変速時には専らそのパドルで操作することになる。あれもこれもと欲張らずにシンプルにスポーツ・ドライビング・マシーンとして特化するスイフト・スポーツのわかりやすさが現れている。


加速するのが楽しい

 CVT付きで走り始めると、今度は2ペダル仕様にも力が入っているのが、すぐに分かる。Dレインジは副変速機付きCVTを最大限に生かして、トルキーな回転域を維持したままグイーッと加速したら、あとは早々に変速比を小さくして、燃費を稼ぐという燃費効率を重視したセッティングになっている。ところが、マニュアル・モードに入れて、手動変速に切り替えると、ギア比が低い低い。
Dで巡航中にMに切り替えた状態では7速で同じ回転数を維持するものの、いったんパドルで変速介入した後は、7速でも回転数は上がり、100km/hでも優に3000rpm以上回っている。変速マナーはベースがCVTだから、電光石火とはいかないけれど、ギア比は接近しているから加速時のつながりもいい。4ATとは比べものにならないほどワインディング・ロードを楽しめる。



痛快な6段MT

新開発6MTのシフト・レバー
新開発6MTのシフト・レバー。操作時の節度感は上々。MTの楽しさを満喫できる。

 しかし、新型スイフト・スポーツの本命は、新たに6段型の専用開発ユニットをもらったMT仕様だろう。
 6速を加えたことで、2速から5速までのつながりがこれまで以上に緻密になり、136ps/6900rpmを出す1.6リッター・エンジンの持てる力を根こそぎ引き出している実感がある。
 わずかとはいえ軽量化されて、MTモデルの車両重量は1050kgしかないから、エンジンをトップ・エンドまで回しながら、痛快な加速を堪能できる。絶対的な加速力では2リッター200ps 級のクルマには及ばないが、トルク・バンドを巧妙に繋ぎながら加速していく過程の楽しさでは、勝るとも劣らない。車両価格168万円のクルマでこれが楽しめるのだから、望外のバーゲンといっていい。


強かになった脚

 17インチ・タイヤを履く脚の印象は、街中や高速道路を走っている限りでは、「ずいぶんと締まったなぁ」というもので、明らかに先代より硬くなった感じがする。ところがどうだ。ひとたび山道に分け入って鞭を入れ始めると、印象は変わり、素晴らしくしなやかに脚をストロークさせながら、姿勢を乱すことなくコーナーの連続を飲み込んでいく。そのスピードが速い。記憶に残る先代よりも、明らかに一枚上手なのだ。これなら、サーキットへ行っても、先代モデルよりずっとタフな走りを見せてくれるだろう。
 新型スイフト・スポーツは、素晴らしいコンパクト・スポーツだ。
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(2012年3月号掲載)
 
 
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バックナンバーページの定価表記について
「ENGINE 2014年3月号」以前の定価表記は、発売時の定価になっております。
予めご了承くださいますようお願い申しあげます。



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