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アルミ・ボディを得て生まれ変わった、新型メルセデス・ベンツSL、日本上陸。


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Mercedes-Benz SL


オドロキの乗り心地。


1952年に登場したガルウィングの300SLから数えて
6代目となる新型メルセデス・ベンツSLが上陸した。
11年ぶりにフルモデルチェンジした新型の走りを試す。
文=村上 政(本誌) 写真=望月浩彦


「これ、すごく乗り心地がいいね」
 新型SL550に乗って走り始めてすぐに、オドロキの声を上げたのは、助手席に乗っていた望月カメラマンだった。私もまったく同感だったので、すぐにこう切り返した。
「この新型SLはアルミモノコック・ボディにランフラット・タイヤまで履いているんだから、普通ならもっと嫌な振動が伝わってきたり、タイヤの硬さが気になったりしても不思議じゃない。それが逆にこれまでのすべてのメルセデスの中でも最上級のとろけるような乗り心地を実現しているのだから、驚異的だよ」
 いや実際、新型SL550が標準装備するアクティブ・ボディ・コントロール(ABC)を使った新設計の4輪マルチリンク・サスペンションの威力は魔法なみだと思った。
 ABCは先代CLがデビューした時に初めて導入された油圧アクティブ・サスペンションで、金属バネのボディ側の受け皿を油圧シリンダーにより4輪個別に上下させることでロールやピッチングなどの姿勢変化を抑えて、ボディをフラットに保つ働きをする。そのおかげで、同じダイナミック性能を実現するのに柔らかめの金属バネを使うことができるから、乗り心地も必然的に良くなる。
 そのデキの良さには、そもそも定評があったが、それに加えて、今回のSLではアルミモノコック・ボディを得たことで最大140kgもの軽量化が加わったことによる相乗効果が、魔法の威力をさらに強めているに違いない。
新型SLは力強いシングル・ルーバーのグリルとヘッド・ライトが印象的な顔を持つ。プロポーションはロング・ノーズ、ショート・デッキの伝統的なスタイル。ゴージャスな内装には、エア・スカーフや電動式の遮風板のほか、オプションでマジックスカイ・コントロール・パノラミック・ バリオルーフも装備できる。トランク容量はルーフ格納時が364リッターで最大504リッター。
 それにしても、新型SLの快適性は、すでに十分に快適だった先代をさらに上回る域に達している。より大きくゴージャスになりながらも、一方でスポーティなホールド感も増したレザー・シートには、より強力になったエア・スカーフが装備されている。それに加えて、シート・バックの後部には、電動で上下させることができるウインド・ディフレクターが装備され、オープン時の快適性についても万全の態勢である。
 リトラクタブル・ハードトップには、オプションでボタンひとつでガラスの透明度を変化させることができるマジックスカイ・コントロール・パノラミック・バリオルーフも装着できるようになった。これは、デートの時には威力を発揮しそうだと思ったが、天井が10kgも重くなるので、走りのことだけを考えたら、ない方がいいかもしれない。

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バランスのいい350

 そもそも、リトラクタブル・ハードトップは相当の重量があるようで、上げたときよりもオープンにして後ろに格納した時の方がずっとハンドリングが良くなる。重心が下がり、前後重量のバランスも良くなるからだろう。550の4.7リッターV8ツインターボは、どこから踏んでもパノラミック・ルーフ付きで1870kgの試乗車のボディをなんの躊躇もなく加速させてくれたが、箱根の山道を飛ばしていると、ABCの威力を持ってしても、ややフロント・ヘヴィな感じは否めなかった。車検証では前軸が980kg、後軸が890kg。やはり、鼻先が相当重いのだ。
 それに対して、まことにスポーティな胸のすくような走りを見せてくれたのは、次に乗ったSL350だった。試乗車には、オプションのAMGスポーツパッケージが付いていたから、標準仕様のサスペンションではなく、ABC付きのAMGスポーツ・サスが装着されており、先の550より大きな19インチのタイヤを履いていた。乗り心地はさすがに550より硬めだったが、それでも十分に快適といえるものだ。
 自然吸気の3.5リッターV6は実に気持ちよく吹け上がり、レスポンスも抜群にいい。そしてなにより、ハンドリングが極めて自然で、クルマの動きがすこぶる気持ちいいのだ。この試乗車にもパノラミック・ルーフが装着されており、車重は1790kgだったが、特筆すべきは前後重量配分で、前軸が900kg、後軸が890kgと、実にバランスがいい。
 この350で山道を飛ばすのは、至福のひと時だった。言われなければ電動パワー・アシストとは気づかないほど自然なステアリング・フィールと相まって、ゴージャスでスポーティなドライブを楽しむことができた。価格差を考えると350はかなりお買い得感がある。オススメだ。

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オプシディアンブラックの個体がSL550。後者のエンジンは直噴4.7リッターV8ツインターボで、435ps/5250rpmと71.4kgm/1800-3500rpmのパワー&トルクを発生する。標準車の車重は1860kg。車両本体価格は1560万円。

テノライトグレーの試乗車がSL350
  
 メルセデス・ベンツSL350 ブルーエフィシェンシー
駆動方式エンジン・フロント縦置き後輪駆動
全長×全幅×全高4615×1875×1315mm
ホイールベース2585mm
車両重量1710kg
エンジン形式直噴V型6気筒DOHC24バブル
総排気量3497cc
ボア×ストローク92.9×86.0mm
最高出力306ps/6500rpm
最大トルク37.7kgm/3500-5250rpm
トランスミッション7段AT
サスペンション形式(前)マルチリンク/コイル
サスペンション形式(後)マルチリンク/コイル
ブレーキ(前後)通気冷却式ディスク
タイヤ(前/後)255/40R18/285/35R1
車両本体価格1190万円
  



(2012年8月号掲載)
 
 
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予めご了承くださいますようお願い申しあげます。



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