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ルノー・スポールが手掛けた3台の最新モデルに富士スピードウェイでイッキ乗り。


Renault Megane R.S.
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メチャクチャ楽しい!


量産前輪駆動車ニュル最速の金看板を引っさげて、マイチェン版ルノー・メガーヌR.S.が日本上陸。
ほかの2台の最新モデルと富士で試乗した。

文=村上 政(本誌) 写真=佐藤正勝



 メガーヌ・ルノー・スポール・トロフィーが、ニュルブルクリンク北コースで量産型前輪駆動車で世界最速となる8分7秒97の記録を打ち立てたのは、昨年の6月17日のことである。以来、メガーヌRSでニュルを走りにやってくるヨーロッパ各国の走り好きが急増したそうで、今や、メガーヌはポルシェ911と並んで、ニュルの定番となりつつあるらしい。
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 その大記録を打ち立てたトロフィーと同じ265psに増強されたエンジンを持つ、マイナーチェンジ版メガーヌRSが日本に上陸した。同時期に日本上陸を果たした、ルノー・スポールが手掛けた2台、すなわちトゥインゴ・ゴルディーニRSとメガーヌ・エステートGTとともに富士の本コースで試乗会をやるというので、喜び勇んで駆けつけた次第だ。
 そして結論から言ってしまえば、新型メガーヌRSで富士を走るのはメチャクチャ楽しかった。いかに世界広しと言えども、サーキットを走らせてこれほど楽しい量産型前輪駆動車はほかにないと断言できる。その最大の理由は、メガーヌRSが、ドライバーの意志をとことん尊重して、余計なお節介をしない設定にしてあることが大きいと思う。昨今のクルマ、とりわけ量産型の前輪駆動車は、電子制御による車両安定装置の介入がどんどん強くなる傾向にある。たとえ、オフ・スイッチがついていても、ABSが効いたことなどをキッカケにして車両安定装置が自動的にオンに復帰してしまう。もちろん、一般道では車両安定装置は常にオンにしておくべきだし、その助けを借りるような運転はすべきではない。しかし、サーキットのような走りの場では、そういう枠を取り払って、ドライバーの意志にゆだねるということがあってもいいのではないか。そういう個人の自由を最大限に尊重するフランス人の気質が、こういう楽しいクルマを残し、それがニュルでの大記録につながっている、と考えるのは行き過ぎだろうか。
自由に操れる感じがイイ

 話を試乗リポートに戻そう。新型メガーヌRSの旧型との最大の違いは、2リッター直4ターボ・エンジンが265psに増強されたことにあるというのは、すでに書いた。しかし、これには少し説明が必要だ。というのは、新型メガーヌRSも、エンジン始動時のノーマルな状態では、旧型と同じ250ps/34.7kgmに設定されているからだ。ところが、ESP(車両安定装置)のスイッチを、スポーツかオフに切り替えると、エンジン・マネージメント・システムのマップが変更されて、265ps/36.7kgmのパワー&トルクを発生するようになるのである。どうやら、欧州での炭酸ガス規制に関連して、ノーマルではパワーを抑えておかないと、炭酸ガスの排出量が一定のラインをクリアできないということがあるらしいのだが、それはともかく、走行中でもボタンを押してスポーツ・モードを選ぶと、突如、同じアクセル開度でも速度が増して、音も明らかに変化するのだから、誠に正直なクルマだと言うべきだ。
 富士を走ってわかったのは、ギア比が低い上に、低速トルクが太いから、ほとんどのコーナーをフツーのクルマで走るのよりも高いギアでクリアできてしまうことだ。そしてなによりも、自由に操れる感じがするハンドリングがメチャクチャ楽しい。アクセレレーターの微妙なオン・オフを使って向きを変えることができる。こと今回の試乗車に関して言えば、私は19インチより18インチの方が、ハンドリング特性が素直に感じられて良かった。ただし、ニュルの記録は19インチで出されていることは言っておかなねばなるまい。
Twingo Gordini R.S.
Twingo Gordini R.S.
トゥインゴ・ゴルディーニR.S.は、今回のマイナーチェンジで外観に大きな変更を受けた。ルノーの新しいデザイン戦略に基づくデザイン・コンセプトを用いた初の市販モデルとなる。中身は基本的に旧型と同じで、1.6リッター直4は134ps/16.3kgmのパワー&トルクを発生。5段MTを介して前輪を駆動する。設定は左ハンドルのみ。ボディ・カラーはこれまでの青に加えて、白が追加された。足まわりは、「シャシー・スポール」。車両本体価格は245万円。
 今回乗ったほかの2台にも触れておこう。エステートGTもステーション・ワゴンにしてはよく走る。それに315万円はちょっとお買い得感アリ。トゥインゴ・ゴルディーニRSは思った以上に重心が高く、コーナーを攻めていくとグラッとする感じもあって、サーキットより一般道を楽しむのに向いていると思った。
 というわけで、圧倒的に楽しかったのはメガーヌRS。さすがは先月のホット100で、ポルシェ、フェラーリに続いてホット4に入っただけのことはある。これを選んだ選考委員はエライ。私も次回からは絶対に選びたいと思います。ハイ。

Megane Estate GT
Megane Estate GT
メガーヌ・エステートGTもルノー・スポールが手掛けたホット・モデルで、ノーマルよりフロントが10%、リアが6%硬めの専用設計のシャシーを持つ。2.0リッター直4ツインスクロール・ターボは、180ps/30.6kgmのパワー&トルクを発生。6段MTを介して前輪を駆動する。設定は左ハンドルのみ。ボディ・カラーは白とグレーがある。日本では60台の限定販売で、車両本体価格は315万円。

Renault 01
Renault 02

Megane R.S.
Megane R.S.
新型メガーヌR.S.の特徴のひとつは、右ハンドル仕様であること。2台の試乗車のうち、白い19インチ装着車には、レッドパイピング・ブリリアントブラック・ホイールやレザー・レカロ・シート、固定サンルーフなどが装着されていた。黄色は18インチのノーマル仕様。いずれもエンジンは2リッター直4ツインスクロール・ターボで、これまでの250psから265psにパワーアップされている。



  
 ルノー・メガーヌR.S.
駆動方式エンジン・フロント横置き前輪駆動
全長×全幅×全高3714×11683×1414mm
ホイールベース2640mm
車両重量1430kg
エンジン形式直列4気筒DOHC16バルブ・ターボ
排気量1998cc
ボア×ストローク82.7×93.0mm
最高出力265ps/5500rpm
最大トルク36.7kgm/3000rpm
トランスミッション6段MT
サスペンション形式(前)マクファーソン式ストラット/コイル
サスペンション形式(後)トーションビーム/コイル
ブレーキ(前)通気冷却式ディスク、(後)ディスク
タイヤ235/40ZR18
車両本体価格385万円




(2012年9月号掲載)
 
 
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