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メルセデス・ベンツSLの頂点、63AMGが上陸!


Mercedes-Benz SL63AMG
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Mercedes-Benz SL63AMG

洗練度、ここに極まる。


11年ぶりにフルモデルチェンジしたメルセデス・ベンツ
の高級ロードスター、SL。そのトップ・パフォーマー、
63AMGを夜の銀座と箱根に連れ出してテストした。
文=塩澤則浩(本誌) 写真=望月浩彦


 まるでステルス戦闘機。受注オプションとなる艶消し塗装のセルサイト・グレーを纏ったSL63AMGを前にしての第一印象は、そんな感じだ。闇夜の烏のごとく光を吸い込む姿はなんとも不気味。夜の銀座で撮影していても、誰ひとりとして近寄って来ない。ワルの匂いがプンプンしているのだからそれも当然である。
 各グレードにAMGスタイリングのオプションが用意されているので、ノーマルのSLとの外観上の違いは、実はそれほど多くない。グリルのルーバーがツイン・タイプになるのと、フロントのリップ・スポイラーの形状が若干異なり、フロント・フェンダーとドアの間に設けられたエア・アウトレットにV8ビターボのエンブレムが付き、マフラー・エンドが4本出しになる、といったところが63AMGの識別点だ。妖しい雰囲気はプラス20万円のマット塗装によるところが大きい。ちなみにこの塗装、スイッチひとつでガラスの濃淡が変わるオプションのマジックスカイ・パノラミック・バリオルーフ(63AMGは標準装備)との組み合わせでノーマルのSLでも選択できる。
 銀座の街を走り回って驚いたのは、見た目と違って乗り心地がすこぶる上質だったことだ。油圧式アクティブ・サスペンションのアクティブ・ボディ・コントロール(ABC)を採用した前後マルチリンクのアシ周りの効果は絶大で、ハイパワーのAMGでも乗り心地は驚くほどいい。537psというだけでも凄いのに、試乗車はさらにパワフルな564psのAMGパフォーマンス・パッケージ付き。おまけに前19インチ、後ろ20インチの前後異型の超扁平タイヤを履いてこの乗り心地というのが信じられない。さらに驚くのは、乗り心地がいいだけでなく、軽快感もあることだ。これにはメルセデスの量産モデルとしてはじめて採用されたオール・アルミニウム・ボディが貢献している。特に63AMGではトランク・リッドもカーボン化され、先代と比べて125kgも軽くなった。 乗り心地も良く、軽快でもあり、その乗り味は、どんなライバルにも負けないほど洗練されている。

オプションのAMGパフォーマンス・パッケージでは
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オプションのAMGパフォーマンス・パッケージでは、エンジン・カバーとトランク・リッドのリップ・スポイラーがカーボン製になる。
Mercedes-Benz SL63AMG
Mercedes-Benz SL63AMG




夜の銀座から箱根の峠へ
 夜の銀座を激走するわけにもいかないので、翌日箱根のワインディングを走り回ってみた。箱根に向かう高速道路は極楽特急。AMGスポーツ・シフトMCTと呼ばれる7段ATの制御モードをアイドリング・ストップもするC(コンフォート)にしていれば、限りなく静かに速く走る。7速100km/h巡行時の回転数はわずか1500rpmにすぎない。5.5V8ツイン・ターボはまるで眠っているかのようだ。もちろん右足を床まで踏み込めば、瞬時に目覚めてあっという間に超法規的速度に達するはず。なにしろ最高出力は564ps/5500rpm、最大トルクは91.8kgm/2250〜3750rpmもあって、0-100km/h加速は4.2秒。最高速はパフォーマンス・パッケージだけに許された300km/hである。
ナッパ・レザーとバックスキンのコンビネーションのハンドルも専用品
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ナッパ・レザーとバックスキンのコンビネーションのハンドルも専用品。試乗車は50万円のバング&オルフセンのビジュアル・オーディオ・システムも装備していた。
 箱根では、長尾峠、箱根スカイライン、芦ノ湖スカイライン、ターンパイクを走ってみたが、道幅が狭くタイト・コーナーが連続する長尾峠ではさすがにパワーを持て余す感じがした。楽しいのは中高速コーナーが多い芦ノ湖スカイラインやターンパイクだ。そこではとにかく速い。速過ぎてあっという間にコーナーが迫って来る。ABCでスポーツを選び、ATのモードはスポーツとより俊敏にシフトするスポーツ・プラスを試してみた。63AMGが凄いのは、徹頭徹尾、走りが洗練されていることだ。ほとんどロールを感じさせず、路面に貼りつくようなコーナリングは爽快で、実に気持ちがいい。まるでツイン・クラッチのように素早くシフトするATは、中低速でややショックの大きいスポーツ・プラスよりスポーツの方が箱根向きなのか、印象が良かった。
白基調の内装は、受注生産のフル・レザー仕様

白基調の内装は、受注生産のフル・レザー仕様。シートにはお馴染みのエア・スカーフが装備されているほか、シート・クーラーも付く。最近流行りの間接照明のアンビエント・ライトは、3つの色が選べる。

 ひとことだけつけ加えておくと、ワインディングでは屋根を開けて走った方がいい。前970kg、後ろ910kgのややフロント・ヘヴィな状態が緩和されることに加えて重心も下がるので、走りがより自然な感じがした。第一、せっかくAMGに乗っているのだから、迫力あるバリトン系のエグゾースト・ノートを堪能しない手はない。おススメです。


Mercedes-Benz SL63AMG
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Mercedes-Benz SL63AMG


  
 メルセデス・ベンツSL63AMG AMGパフォーマンス・パッケージ
駆動方式フロント縦置きエンジン後輪駆動
全長×全幅×全高4645×1875×1310mm
ホイールベース2585mm
車両重量1880kg
エンジン形式ターボ過給式水冷V型8気筒DOHC
総排気量5461cc
ボア×ストローク98.0×90.5mm
最高出力564ps/5500rpm
最大トルク91.8kgm/2250-3750rpm
変速機7段AT
サスペンション形式 前マルチリンク式
サスペンション形式 後マルチリンク式
ブレーキ 前/後通気冷却式ディスク
タイヤ 前後225/35ZR19 285/30ZR20
車両本体価格1980万円(AMGパフォーマンス・パッケージ195万円)



(2012年10月号掲載)
 
 
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バックナンバーページの定価表記について
「ENGINE 2014年3月号」以前の定価表記は、発売時の定価になっております。
予めご了承くださいますようお願い申しあげます。



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