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Audi A3 2.0 FSI Sport Alfa 147 2.0 Twin Spark Selespeed


伊独スポーツ・ハッチ2台で、白山スーパー林道まで突っ走る旅
伊独スポーツ・ハッチ2台で、白山スーパー林道まで突っ走る旅

アウディA3 2.0FSI スポーツ
今年9月から販売のはじまったアウディの第2世代スポーツ・コンパクト。VWゴルフと車台を共有しつつ、1クラス上の高級感を備える。新開発の2Lガソリン直噴、4リンクのリア・サス、電動パワステと技術的にも見所が多い。最高出力=150ps/6000rpm、最大トルク=20.4kgm/3500rpm。ギアボックスは6AT(ティプトロニック)。
全長×全幅×全高=4215×1765×1415mm。車重=1390kg。車両本体価格=330.0万円。

アルファ147 2.0ツインスパーク・セレスピード
2001年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーに輝く名門アルファのスポーツ・コンパクト。156の車台を260mm短いボディで包み、価格は抑え目、動的性能は156以上の評価を得る。2.0ツインスパーク・ユニットは最高出力=150ps/6300rpm、最大トルク=18.4kgm/3800rpm。テスト車のギアボックスはいわゆるF1ギアセレスピード。ATモード付き5段シーケンシャル。
全長×全幅×全高=4170×1730×1420mm。車重=1300kg。車両本体価格=288.0万円。


情熱の赤いアルファ、冷静の白いアウディ、世界遺産の村で紅白クルマ合戦!


7年ぶりに新型に生まれ変わったアウディA3を、スポーツ・ハッチの最右翼、
アルファ147と一緒に長距離ドライブに連れ出した。行き先は、全長33kmのワインディング・ロード、
白山スーパー林道。
 ドイツの世界的建築家、ブルーノ・タウトが絶賛した合掌造り集落にも寄ってみた。
文=今尾直樹(本誌) 写真=内藤敬仁

Audi A3 2.0 FSI Sport Alfa 147 2.0 Twin Spark Selespeed
(左)225/45R17 91Yのミシュラン・プレマシー。(右)205/55R16 91Wのコンチスポーツコンタクト。
高山市郊外で見つけたワインディング・ロードにて
高山市郊外で見つけたワインディング・ロードにて。大規模林道と呼ばれる道で、交通量皆無。A3は安定感抜群。
深山幽谷

 その日は小雨が降ったりやんだりで、行こか戻ろか逡巡していた。白川郷荻町の合掌造り集落は夏休みの後半とあってすごい人で、竹下通りほどではないにしても、これでは写真が撮れない、とカメラマンをぼやかせた。こんな天気では白山スーパー林道に行っても、ガスでなんにも見えないのではないか。それが逡巡の理由だった。
 スーパー林道のふもとのガソリン・スタンドの若い店員さんは、今日はダメでしょう、と予想した。雲が山の中腹まで降りてきている。
それでも、せっかく来たのだから、とその先の料金所で2台分の片道、6300円を支払い、ドライブ・ウェイを登り始めた。最初は意外と視界がよかった。そのうちガスが出てきて、あたりは真っ白になった。こりゃ、ダメだ。
 と思ったけれど、お金払っちゃったから、どんどん登っていくと、雲の上に出た! 標高1500m。それがこの写真。本気で飛ばすと、ストレートがけっこう長いからスピードが出すぎる。ブラインド・コーナーも多い。でも、軽く飛ばす分には、なかなか気持ちのいい道である。ときどきミニバンなんかでのんびり走っている観光客もいる。地元の走り屋は来ない、とさっきのガス・スタンドの店員さんは言っていた。3150円の道路代が高すぎることもあるに違いない。
 それにしても、絶景である。こんな山奥によくぞつくった、という道。とりわけ、トンネルをくぐって石川県側に出ると、深山幽谷、滝があり、渓流があって、水墨画的世界を思わせる。昔はホントに秘境だったろう。クルマから降りると、山の清涼な霊気を感じる。
 白山スーパー林道を目的地に走ってきた新型アウディA3とアルファ147、2台のスポーツ・ハッチ、それもプレミアム・ブランド! 山道を走ってどちらが楽しいか、と問われれば、迷うことなくこう答える。  それは、アルファ147です。
 ということで、時間を1日前に戻して出発のシーンの描写から。
睡眠時無呼吸症候群

 スタートは8月某日の13時45分。東京品川にあるフィアット・オート・ジャパンからだった。私は新型アウディのステアリングを握り、アルファ147はカメラマンの内藤さんに託した。アウディ・ジャパンから借りたA3は走行距離1755kmのまるで新車で、ノーマルより10%硬い乗り心地と17インチ・タイヤを履く「スポーツ」。白いボディがまぶしいぐらい白い。ボディの剛性感の高さが印象的で、乗り心地はそうとうビシッとしている。
白山スーパー林道を走る147
白山スーパー林道を走る147。デビュー以来3年を経るも、ますます独自の魅力を放つ。
 首都高速に上がると、日本独特の目地段差が連続して、路面のつなぎ目を超えるたびにタンタンとカラダに響く。首都高速4号線、中央フリーウェイは右に競馬場、左にビール工場を見て山に向かって走っていく。昼間のことで、まるで滑走路、ではない。夏休みの後半で、けっこう込んでいる。走り出して早々、昨晩よく寝たはずなのに睡眠時無呼吸症候群の人のように眠くなる。
 A3 2.0FSIスポーツの日本仕様は、右ハンドル、ギアボックスはTT用と同じ6ATのみ。その6ATの6速トップでの100km/h巡航は2200rpmに過ぎず、いたって平穏。そこから加速しようとすると、ややもたつく感があるのは、ギア比がかなり高めだからだ。5速に落としても3000rpm弱。キックダウンすると4速まで落ちる。5000rpmまで回ると、FSIユニットは無機的なメカニカル・ノイズの音量を上げる。高速スタビリティは巌の如しで、200km/h巡航を軽々やってのける実力の持ち主だが、日本ではそれを発揮する場所がない。
 淡々と2時間15分走り、双葉SAでアルファ147に乗り換える。
Audi A3 2.0 FSI Sport Alfa 147 2.0 Twin Spark Selespeed
(左)4リングは歴史の発掘でますます光る。(右)なんだか知らなくてもスゴイ、人を呑むヘビ。
Audi A3 2.0 FSI Sport Alfa 147 2.0 Twin Spark Selespeed
(左)直噴リーンバーンの恩恵で、燃費はATながら9.1km/リッター!(右)セレスピードは燃費に有利。9.7km/リッター!
Audi A3 2.0 FSI Sport Alfa 147 2.0 Twin Spark Selespeed
(左)シンプル&クリーンな運転席まわり。品質感高し。(右)GTライクな運転席。アウディにも影響を与えた?


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