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フランス車は実用4座ハード・トップ・カブリオレの先駆者だ。


ルノー・メガーヌ・グラス・ルーフ・カブリオレ
ルノー・メガーヌ・グラス・ルーフ・カブリオレ
メガーヌ・シリーズはマイナー・チェンジを行っている最中。日本仕様はボディ形態ごとに順次切り替えという運びになっていて、グラス・ルーフ・カブリオレは順番としては最後になり、この秋にニュー・フェイス・モデルが発売される予定だ。借り出した個体はモデル末期といってもいい現行型のそれだが、現在販売されているモデルのシートはレッドもしくはダーク・グレーのモノ・トーン・タイプになる。自然吸気2.0リッターエンジンは133ps/5500rpm、19.5kgm/3750rpm。これに電子制御4段ATの組み合わせとなる。車輌本体価格は388.5万円(税込み)。
もう少し軽やかにいきたいなら
 307CCのあとにメガーヌ・グラス・ルーフ・カブリオレに乗り換えるのには、少し躊躇いがあった。導入直後に乗った仲間内から聞かされていた印象があまり芳しいものではなかったからだ。
 ひとの好みにもよるだろうけれど、少なくとも僕の目には、最もスタイリッシュな1台に見えるし、先行したプジョーに対して後出しジャンケンになることからグラス・ルーフというエクストラを携えて現れたということもあって、期待させるものがあった。でも、乗ったらちょっと、と聞いて、腰が引けたままだった。
 で、乗り換えた途端に薄暗い気持ちがパッと晴れた。307CCのそれよりも明確に軽めのステアリングを備えたメガーヌGRCは、車重が1.5t超えとさらに30kgほど重いのに、身動きに軽やかな感触がある。パワートレインの仕立てがそうなっているせいもあってか、柄に似合わずキビキビと走る印象が強い。
 ルーフを載せた状態では307よりさらに上屋が重いはずなのに、これも気にならない。なにより、聞いていたのと違ってボディにヤワな感触がない。がっちりと剛性感に満ちたそれとは違うけれど、ワナワナブルブルするようなことは全然ない。
ルノー・メガーヌ・グラス・ルーフ・カブリオレ
 205/55R16と抑制の効いたタイヤ選択をいかんなく活かした感の強い307CCと違って、メガーヌGRCは17インチ・ホイールを欲張って、205/50R17サイズのタイヤを履いているが、穏やかな性格のそれとすることで、大径ホイールのネガを押さえ込んでいる。まとまりのよさということでは307CCに及ばないものの、十分な説得力を持ちえている。
ルノー・メガーヌ・グラス・ルーフ・カブリオレ
 この手のクルマはベースとなる固定ルーフのモデルに比べれば当然、走る性能や乗り心地は見劣りするものにならざるをえない要素をいくつも抱え込む。だからこそ、何かしらはっきりとした性格付けをしてやらないことには、冴えないことになってしまう。そこのところを潔く見切って仕立てないことには、オープンに変身できる魅力も活きてこない。
プジョーの2台はそこが上手いわけだけれど、メガーヌGRCも落としどころを見つけることに成功したようだ。2+2サルーンとして使って、これなら大きな文句が出ることもないだろう。首都高速の金属ジョイント責めにあっても眉をひそめたくなるようなことはなかった。日々の友として立派に及第である。
屋根を開けたら
 ここまでの3台はクーペ・カブリオレだから、簡単操作でフル・オープンになる。ただし、206CCについてはスイッチひとつで、というわけにはいかず、オープンにする際にはAピラー上部両端のロックを、レバーを操作して解除してやる必要がある。307CCとメガーヌGRCについては文字通りスイッチ操作ひとつで済む。で、ここではひとつ意地悪なテストをしてみた。ごろごろとした石を覗かせる土の不整地で、開閉操作をやってみた。
ルノー・メガーヌ・グラス・ルーフ・カブリオレ
すると307CCとメガーヌGRCは条件に拠らず常にルーフの開閉が行えたが、206CCはボディの微小な捩れからくる開閉機構のストレスを感知してエラーが表示され、開くことができない場合があった。『RC』仕様の脚の硬さが仇になったらしい。
 さて、それはともかく、肝心のオープン時のマナーはどうかというと、これはもうどれも爽快。そのまま高速道路へ乗り込みたいかと問われれば、そこまでではないけれど、春の陽気を体一杯に感じながら、若葉に色づき始めた山道を走るのは、嬉しいばかりだった。でも、やっぱりこれは仕事ではあるのだからと、コーナーを攻めてボディを捻る大きな入力にさらしてみたりもしたけれど、足取りが心許なくなるようなこともなければ、過大なスカットル・シェイクに見舞われることもなかった。どれも信頼するに足る。




 
 
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