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高性能的先端の部 その4


ALFA ROMEO 8C competizione/アルファ・ロメオ 8C コンペティツィオーネ
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ALFA Romeo 8C competizione


アルファ・ロメオ 8C コンペティツィオーネ
これぞアルファ・ロメオ!


プロトタイプが華々しいショウ・デビューを果してから4年。
アルファ8Cコンペティツィオーネに試乗するチャンスがついに巡ってきた。
アルファ・ロメオの聖地ともいうべき、バロッコから本誌記者が報告する。
文=齋藤浩之(本誌)
  写真=フィアット・グループ・オートモビルズ・ジャパン(小川義文)




「8Cは僕の愛娘さ」

 フランクフルト・ショウのプレスデイ初日。あちらのブースからこちらのブースへと移り歩いている最中に、ウォルフガング・エッガーと出くわした。やぁやぁ久しぶり、元気でやってる? アウディはどう? と手を差し出しながら挨拶すると、「まだまだこれからさ」と答える。来月、君がアルファに残した息子に試乗するんだよ、8Cに、と返すと、「息子じゃないぜ、愛娘さ。そうだろ」と、一瞬遠くを見るような眼を見せた。骨の髄までアルファ・ロメオを愛していたエッガーにしてみれば、娘の晴れの日を待たずにアルファを去るのは断腸の思いだったにちがいない。
 あれから1カ月、いま目の前に、そのアルファ8Cコンペティツィオーネがある。バロッコ・テスト・コースのゲスト・ハウス前に、陽の光をうけて佇むスーパー・アルファ。ワイン・メタリックに近い8Cレッドに塗られたグラマラスなボディをギラつかせながら、テスト・コースへの出陣はまだかと待ちわびているように、それは見えた。
 これから2008年までの間にデリバリーされる8Cコンペティツィオーネの生産予定台数は500台こっきり。そのすべてにシリアル・ナンバーが刻まれて、待ち焦がれるオーナーのもとへと届けられる。
 今日、ここに来ている2台は、その500台にはカウントされないプリ・プロダクションのテスト・カーだ。しかし、その仕様内容は最終的にフィックスされたものだと、開発プロジェクト・リーダーのドメニコ・バニャスコは説明する。
ALFA ROMEO 8C competizione/アルファ・ロメオ 8C コンペティツィオーネ
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ALFA ROMEO 8C competizione


親戚縁者総動員の組み立て

 早く乗せてくれと逸る気持ちを抑えがたくなっている僕らを前に、バニャスコ氏が教えてくれた仕様確定後の8Cの概要は次のようなものだ。
 専用のスチール製ファブリケート・プラットフォームはフィアットのミラフィオーリ本社工場でプレスと溶接組み立てを行う。そこへ外部のスペシャリストから送られてくる炭素繊維強化樹脂製(CFRP)のアッパー・ボディを合体。接合には接着とボルト留めを併用する。捻り剛性は24000Nm/°という。その後、完成したモノコックはカーボン・ボディへの塗装技術をもった専門業者へと送られ、8Cレッド、アルファ・レッド、ブラック、イエローのどれかに塗られてモデナのマゼラーティの工場へ移送。そこでパワートレーンの組み付けや内装の組み込みをはじめとするファイナル・アセンブリーが行われ、然るべき完成車検査を経てデリバリーされる。
ひと目でアルファと分かるインテリア
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ひと目でアルファと分かるインテリア。
 プラットフォームの前後にはスチール製のサブフレームが接合され、強固なスチール製トルクチューブで剛性結合されたエンジンとトランスアクスルがマウントされる。サスペンション・アームは組み込み時の幾何学的配置も含めてマゼラーティから流用。ただし、ブッシュ、スプリング、ダンパー等、チューニングに関るパーツは総て8C専用のものを使う。前後車軸間距離は2.65m。トレッドは前1.61/後1.58m。複合素材の大量使用のおかげで、4.34×1.88×1.28mという3サイズをもった8Cの車輌重量は、1585kgに収まっている。乾燥重量は1.5t弱だ。ドア・パネルやダッシュボード表層部にCFRPが使われているほか、そのインナーは重さ100kgのアルミ塊から機械加工で削り出していって最終的にわずか5kgになったシングルピースのパーツに陽極酸化処理を施して強度を出し、これで総てのパーツを支えている。
シートは深いサイド・サポートをもったフルバケット型だが、リクライニング調整が可能
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シートは深いサイド・サポートをもったフルバケット型だが、リクライニング調整が可能。手触りのいい革を張った仕立ては高級車のそれ。
 ボア・ストロークをφ94×84.5mmとして総排気量を4691ccまで拡大したフェラーリ製のV8エンジンは、その前端がアクスルよりも後ろに位置する完全なフロント・ミドシップ搭載。その甲斐あって、前後重量配分は前49%、後ろ51%を達成している。450ps/7000rpm、49kgm/4750rpmをひねり出す強心臓から送り込まれる駆動力をリアの2輪だけで路面に叩きつけなければならない8Cとしてみれば、さらにリア荷重が欲しいところかもしれないが、足りない分はTRCとVDCの助けを借りて、ということらしい。
 8Cは戦後アルファ・ロメオが送り出すロード・カーとしては文句なしに最速の1台となるが、バニャスコ氏が言うには、0-100km/h加速が4.2秒、100km/h-0制動に要する距離が33m、最高速度は292km/hだそうだ。
 ハイパワーをアスファルトに伝達するシューズのサイズは、前245/35、後285/35の20インチ。ブレーキも前φ360mm、後φ330mmの大径ディスクを配する。フロント・キャリパーは6ポッドだ。
 8Cはこれ見よがしなエアロ・フォイルを一切まとわないが、これはエッガーの手がけたスタイリングをいささかも損なわないよう徹底した空力開発を行った結果だという。


ALFA ROMEO 8C competizione/アルファ・ロメオ 8C コンペティツィオーネ
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6段変速機の操作はフェラーリやマゼラーティのそれと同じように、ステアリング・コラムに固定されたパドル・シフターで行う。変速モードはオートマティックとマニュアルが選べる。どちらのモードにあるときでもスポーツ・モードを作動させることが可能で、それをオンにした場合、変速時間は0.4秒から0.2秒に短縮される。
ALFA ROMEO 8C competizione/アルファ・ロメオ 8C コンペティツィオーネ
(写真左)トルクチューブ剛結のトランスアクスル。ここに見えているフロアパネルはプラットフォーム下に貼り込まれるカーボン・パネル。床下を流れる気流はグラウンド・エフェクトを利用したダウンフォース発生にすべて利用される。
(写真中)4.7リッターまで拡大されたフェラーリ謹製のV8ユニット。3000rpmですでに最大トルクの8割が引き出せる。


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