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第7試合 アルファ・ロメオ159 2.2JTS vs ホンダ・アコード・ユーロR


ホンダ・アコード・ユーロR & アルファ・ロメオ159 2.2JTS
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HONDA ACCORD euro R & ALFA ROMEO 159 2.2 JTS



イタリアの名人芸、ホンダ・スピリットにタジタジ?


 目立たない存在ではあるけれどもホンダ魂を宿した本格派のスポーツ・セダン、
アコード・ユーロR(265.65万円)が、欧州Dセグメントきってのスポーティ・
セダン、アルファ159 2.2 JTS(399.0万円)に挑む。ホンダ対アルファ・ロメオ。
日本車の実力は、イタリアの老舗が見せた挑戦を超えることができるのか。

文=齋藤浩之(本誌) 写真=小野一秋


 1台のクルマに最低でも10年以上乗ると決めている僕が自己所有したクルマはこれまでに5台。父から譲り受けた最初の1台をカウントから外すと、4台買ったうちの3台がイタリア車である。これからあと買えてもせいぜい2台。そういう歳になった。でも、次もまたイタリア車を買うだろうと思う。突き詰めて考えると、なぜイタリア車なのかはわからない。肌に合うからとしか言えない。そんな僕にイタリア車との対決を判定せよとは、あまりに酷な展開。
 しかし、そんなことよりも、読者の皆さんにはなぜ世界チャンプがアルファ159なのか、ということを説明しておくことのほうが大切かもしれない。この対決は、Dセグメントのスポーティ・サルーンの優劣を決する戦いである。「ならば世界チャンプはBMWの3だろう」という声はあるだろう。しかし、確かに3シリーズは王者に値するかもしれないが、エンジニアリングという側面でみれば、エンジンと電子制御技術を除けば保守派の代表選手のような成り立ちであり、部分的には先代よりも後退しているところさえある。


攻めに出たアルファの力作

 そこへいくと、アルファの159は156までの総てを捨てて攻め抜いた設計で貫かれている。甲斐あって、それは156とは別物の出来栄えを見せる。クラス最高水準の高いボディ剛性と、それに支えられたシャシーは、完全にドイツ勢に伍するかあるいは抜こうかという高みに達している。シャシー横剛性の高さを追求するのが技術的なトレンドになっているが、その点において159はクラス随一だろう。キャパシティが異様なまでに大きい。静粛性の高さも、イタリア車であることを忘れさせるほどだ。前輪駆動(もしくは4輪駆動)でありながら、BMWに匹敵する走りの高い質感を達成していること、さらには、そのスタイリングひとつで欲望を刺激できる商品になっていることまで考え合わせると、これこそ欧州Dセグメントカーの最高到達点とするに足る1台だと、贔屓目なしに思う。
 贔屓したくても、できない。なぜなら、僕個人にとってははなはだ不都合なことに、相手がホンダのアコード・ユーロRだからである。


アルファ・ロメオ159 2.2JTS
アルファ・ロメオ159 2.2JTS
アルファ156の後継モデルとして開発されたアルファ159は、いよいよこれからが熟成期。2.2JTSは4気筒ガソリン・モデルの最大排気量仕様だが、日本ではこれがベース・モデルの扱い。2.2リッター・エンジンは185ps/6500rpm、23.4kgm/4500rpmを出す。これもバランスシャフトを組み込んでいる。パワフルでスムーズ。変速機は6段マニュアル(とそのロボタイズド版がある)。新開発プラットフォームは上位セグメント用のクルマでの使用を見込んだもので、強度、剛性、シャシー容量ともに大きい。そのせいで、車重は1570kgに達する。外寸は4690×1830×1430mm。
ホンダ・アコード・ユーロR
ホンダ・アコード・ユーロR
すでにモデル・ライフの終盤にある現行アコード。ユーロRは極めつけのスポーツモデルで、変速機はマニュアル6段のみ。エンジンはDOHC VTECの4気筒2.0リッター。最高出力220ps/8000rpm、最大トルク21.0kgm/6000rpmを発揮する。ユーロR用はバランスシャフトが組み込まれていて、VTEC切り替え前のおとなしい回転領域で顕在化するはずの2次振動を押さえ込んでいる。静かでスムーズなのだ。高回転域の炸裂感はシビック・タイプR用に遜色ない。前ダブルウィッシュボーン、後マルチリンクを使う脚の仕立ても公道用にドンピシャ。3サイズは4665×1760×1450mm。車重1390kg。


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