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135iクーペは小粒でも、クオオオオンッと速い。


BMW 135i Coupe M-Sport
BMW 135i Coupe M-Sport(6MT/5,380,000yen)



ちっちゃくて元気の出るクルマ。


いま、時代の気分はこっちでしょう。
きっかけは、BMWの135iクーペ。なんと306馬力。
すでに好評の130iを、もっと元気よく、そして2ドア化によって、もっとパーソナルにしたこれは、イメージ的にはかつての2002ターボを彷彿させる。
ATで549万円、MTで538万円と、ちょっと高価だけれど、子どもがいない夫婦や子どもがちっこい夫婦、独り者の男と女などの人たちに、密かな楽しみを与えてくれるリトル・ボムの雰囲気たっぷりだ。
2人乗りスポーツカーはカッコイイけど不便、デカイ大パワー車はいまの時代の空気のなかでは「KY」的、という考え方をすると、やけに魅力的に映じてきませんか。まずは、135iクーペを大々的にフィーチャーしました。


トビラ写真=小林俊樹



ちっちゃくて元気の出るクルマ。プレミアム・コンパクト篇



そういうわけ(前リード文参照)で135iクーペなのである。
306psの3リッター直噴ストレート6ターボ・ユニットを搭載したリトル・ボム。
その実力を計るべく、アクティブ・ステアリングのあるなし、紅白2台の135iクーペで、
春の八ヶ岳までのドライブを敢行。内心、ちょいとした疑問を携えつつ。



文=今尾直樹(本誌) 写真=小林俊樹




おめでたい紅白の組み合わせ

 ちっちゃいクルマが時代の気分であることは間違いない。なにしろ日本で一番売れている自動車は、軽を除くとホンダ・フィットである。こんな世の中だからこそ元気の出るクルマがほしい、と私も思う。でも、だからといって306psものパワーを誇る135iクーペが時代の気分なのか?
 編集会議で議論した末に決まったことではあるけれど、私はそのような疑問を抱きつつ、135iクーペMスポーツのステアリングを握ったのだった。本年2月に発売された135iクーペは、ATモデルが上陸する6月頃までマニュアルのみ。2ドア、4座、マニュアルということだけで、すでにスペシャル感がある。いまや絶滅危惧種のマニュアル派にとっては495万円の130iと並ぶ希望の星? お値段は538万円。スポーティなパーソナル・カーとしてはポルシェ・ボクスターやケイマン2.7、アウディTTクーペ3.2クワトロあたりがライバルとなる。価格は50万円ほどお求めやすく、動力性能は余裕で上回り、実用的な後席も荷室も備わる。実用になるから、スポーツカーを購入するより心理的なバリアはグッと低い。だからといって135iクーペが魅力的なのか。気候変動の時代、化石燃料も残り少ないといわれる現在、内燃機関を楽しむのなら本物のスポーツカーに、それも、もうちょっと馬力の低いヤツにしたほうが、結局は環境にも財布にもいいはずだ。


フロントの18インチ径アルミ・ホイールの奥に対向6ピストンのブレーキ・キャリパーが見える
フロントの18インチ径アルミ・ホイールの奥に対向6ピストンのブレーキ・キャリパーが見える。片持ち式が多いBMWでは珍しい。ストレート6はBMWが理想に掲げる前後重量配分50:50に近づけるべく、フロント・ミド気味に配置される。テスト車の場合、前800:後750kgだから、52:48。このエンジン・ベイに収めるためにBMWはビッグ・ボアの3.5リッター直6をつくらなかった。


 ま、内心そうは思っていても、私も社会人ですので、口には出さないのです。黙って、135iクーペMスポーツをアクティブ・ステアリングのあるなしで2台借りた。それが写真の白いクルマと赤いクルマだ。白はソリッドで“アルピン・ホワイトIII”、エンジっぽい赤は、メタリックの“セドナ・レッド”と呼ばれる。速度に応じてステアリングのギア比が変わるアクティブ・ステアリングはロック・トゥ・ロック2回転で、極低速ではステアリングをちょっと切っただけで前輪がグイグイ曲がる。車庫入れはスイスイである。19万3000円のオプションである。
 このアクティブ・ステアリングの有無の違いについては後述するとして、バイエルン・エンジン製造会社の製品であるからして、まずはそのエンジンから語らねばならない。



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