ENGINE編集部サイトーが信念をもって推す9台 |
![]() 最良のクルマは安いクルマのなかにある。 ダイハツ・エッセからトヨタ・プロボックスまで 話すひと=齋藤浩之(本誌) 森 慶太(まとめも) 写真=小野一秋
はじめに それはアウディA4とBMWの座談記事を収録している最中に起こった。うかつにも「安いクルマのなかにこそいいクルマがいっぱいある」とつい本音を口走ってしまったのを、村上副編は聞き逃さなかったのだ。「だったら、その思いをぶちまけてよ、さっそく次の号で」と、強引に話は進んだ。『でも、エンジン読者にはひょっとしたら興味のないクルマのオン・パレードになってしまうかも……』という僕の不安の表情を、村上副編はまったく察知してくれないのだった。「じゃあ、わかりました。常日頃思ってること洗いざらい書いちゃいます。いいんですね」と開き直ると、「ちょっと待った。ひたすらそれを書きまくるとヘビーになりすぎちゃうからね。ここは対談形式でいこう。うん、それがいい」と、段取りまで決まってしまった。そして、この企画はどうどう12頁ものボリュームをもって特集のなかに組み込まれることになったのである。 突っ込み役を買って出てくれたのは森 慶太さんだ。彼も事がこういう内容となれば、言いたいことはいっぱいあるだろうに、今回は自ら聞き役に徹してまとめをやってくれることになった。 自動車雑誌読者歴37年、自動車運転歴35年、自動車雑誌記者歴23年の自動車人生をかけ、信念をもって推す9台。68万2500円のダイハツ・エッセから399万円のアルファ・ロメオ159まで、どれもが「最良のクルマは安いクルマのなかにある」というタイトルに相応しい内容を携えていると信じています。
クルマを走らせる喜びぜんぶ。
――これのココロは? 齋藤 5MTであること。3ATで実用上なんの問題もないけれど、MTなら価格を超えた価値を享受可能。 ――どうしてですか? 齋藤 オートマでなんら問題なく気持ちよく走れるよくできた実用エンジンだからこそ、変速を自分でやることで内燃機関の正しい扱いをきわめて効果的に学ぶことができるわけ。要するにこれ、すごくファン・トゥ・ドライブよ。路地裏でもどこでも。もう1つ重要なのは、いまや軽自動車で標準的な2BOXのボディ形態のクルマがほかにないってこと。唯一の存在。ドライビング・ポジションとか視界とかが、要は上のクラスのハッチバックと相似形。だから、エッセをちゃんと体得して乗り換えたときにはもう身についているわけ。車両感覚だとかなんだとかが。 ――でも、いまのクルマはたいがいミニバン体型じゃないですか。 齋藤 そうなんだけど、ミニバンの人は最初っからミニバンだから。ほかへはいかない。軽でもミニバン。免許とっていきなりゴルフGTIに乗る必要なんてないでしょ。エッセみたいなクルマでちゃんと運転学んでおいたほうが、いざゴルフGTIに乗ったときもずっと上手くクルマの能力を引き出すことができます。それは間違いない。 ――そうですか。 齋藤 エッセは、エンジンのトルクが最大でも6.6kgmしかない。排気量に対しては優秀なんだけど、絶対的には小さい。それをキッチリ使って走ることができるようになれば、コワいものなし。フェラーリ乗っても大丈夫。これ、冗談じゃないよ。
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