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ENGINE編集部サイトーが信念をもって推す9台


過剰品質の成せる高い動的質感。

齋藤 念のためいうけど、いちばん安い仕様ね。ホイールは16インチ。
――そのココロは?
齋藤 乗り心地ベスト。ハンドリングもベスト。あらゆる日本仕様159のなかでベスト。Dセグメント輸入車のなかでベストのシャシー、でもあります。それが399万円。
――バーゲン。
齋藤 というか、価格を超えてるよ。安くてイイ、という程度じゃない。そもそも159というクルマじたい、完全にオーバー・クオリティなわけ。
――とは?
齋藤 もともとEセグメント用を想定して開発されたプラットフォームをなかば無理やり156後継機種に使ってるから、ものすごく過剰な作りなの。そのなかで、エンジンやタイヤその他のスペックがもっとも無理してない仕様がこれ。シャシーのキャパひとつとっても、余りまくってますよ。実際トバすときは、タイヤのグリップ残量がどれだけあるかだけをみてればいい。しかもそのタイヤが16インチのおとなしいサイズだから、接地状況がきわめて把握しやすい。路面の不整にも強い。
――あとは、重さに対して動力性能が不足していなければ文句なしと。
齋藤 不足してないよ。6段MTのギア比配分が絶妙だから。日本の山道によくあるような上りだと、V6よりもむしろ速い。
――それ、ネタ? ジマン?
齋藤 違う違う。両方自分で乗って較べて確かめたことだから。ほんと驚いた。V6、ついてけなかった。だからこそ、価格を超えた価値があると僕はいいたいわけです。軽量化が入る前に買うのがいいと思います。


RENAULT KANGOO
RENAULT KANGOO
価格を超えた価値見積もり 260万円
ルノー・カングー(4段ATもしくは5段MT) 
車輌本体価格 213万円-223万円
排気量1.6リッター/最高出力95ps/全長4.04m/車重1170-1200kg

良いところ
プレスティッジ・サルーン並みとはいかないけれど、そんじょそこらの乗用車では太刀打ちできない乗り心地のよさ。3名乗車が苦にならない後席の居住性もよし。荷室容量はまんま商用車のそれで広大。走る性能もよし。
気をつけたいところ
とくに気をつけるところはないけれど、ATに乗るとすぐにマニュアルでガチャガチャと変速したくなってしまう向きは、始めから5MTモデルを選ぶべき。そういうせっかちな使い方に向いたATではありません。念のため。



ほんとうに奇跡的な実用車です。

齋藤 松竹梅あったうち、現時点で買えるのは竹グレードのみとなりました。猶予わずか。残部僅少。
――これはほんと、そうやって焦りをあおりたくなるいいクルマです。
齋藤 というか、あおるまでもなくほんとにあとわずかだから。
――次のもイイ、かもしれない。
齋藤 きっとイイだろうけど、でもいまのほどちっちゃくはないよ。それと、後席の居住性はいまのヤツのほうがベター。実は。
――あらまあ。
齋藤 新型は、ワン・タッチで畳めるようになったしわ寄せでサイズが小さくなってるから。もっとも、座面の角度を前上がりにしてネガが最小になるようにはしてあるけれど。
――現行カングーは奇跡の実用車。
齋藤 その言葉に誇張はないでしょ。優れた商用車をベースにして乗用車を作るとどんなにイイものができるか。その好例、典型だと思う。もう、こんなクルマは出てこないよ。
――フィアット・フィオリーノは?
齋藤 現行カングーほど広くない。
――プジョー・ビペールとシトロエン・ネモは?
齋藤 フィオリーノと同じクルマ。
――こないだ清水和夫さんが箱根で編集部のカングーに乗って激賞してました。「これのタイプRがあってもいい!」って。
齋藤 そんなクルマなのに、出自が商用車だから荷物の積載能力はハンパじゃなく高い。見た目どおりに。何度もいうけど、奇跡的ですよ。
――価格どうこうじゃない。
齋藤 おまけにMTも選べる!
――10年後まで語り種ですね。
齋藤 間違いなく伝説になります。


TOYOTA PROBOX 1.5
価格を超えた価値見積もり 180万円
トヨタ・プロボックス1.5(FFもしくは4WD/5段MT) 
車輌本体価格 118万4400円〜157万8150円
排気量1.5リッター/最高出力105-109ps/全長4.2m/車重1030-111kg

良いところ
コンパクトな外寸、広大な荷室、優れたフロント・シート(特にハイバック・タイプ)、軽い車重(2WD)がもたらす十二分な速さ(MT)、驚異的な小回り性能(4ナンバー仕様)、クルマ酔い皆無(当家確認の実績)の乗り心地。
気をつけたいところ
マニアックにいくならビスカス・カップリングを使った4WDモデルというセンもあり。ただし、いずれの場合も運転を楽しみたいのなら4ATという選択はなし。乗用車として使うなら、あくまでも5MTで乗るべきクルマ。



TOYOTA PROBOX 1.5
バン(4ナンバー)のほうがベター。

齋藤 広報車がなかったのでウチのクルマを撮影に使いました。標準装着ホイールに戻そうと思ったら夏タイヤが枯れきってて、しかたがないので自腹で交換しました。4万円弱。
――もう何年乗ってます?
齋藤 もうすぐ6年になります。
――イヤになってませんか?
齋藤 4年後にもう一度買います。
いまのに10年乗ったら同じ型のにスイッチ。あるうちに。ギリギリ。
――そこまで気に入っている理由は?
齋藤 乗り心地がよくないのとステアリング・フィールがアマいこと以外は、カングーと同じだから。奇跡のトヨタ車、かな。正確には半分ダイハツ車だけど。
――ユーザーの目が厳しい商品に関しては、トヨタはそれなりのモノを作るでしょ。
齋藤 要はそういうことなんだけど、プロボックスはフロント・シートがイイ。あと、高い巡航速度を不安なく保つことができる。燃費もイイ。
――要するに、ヘビーに使われるクルマとして大事なところがちゃんと。
齋藤 してますよ。MTを選べば、ちょっとしたホットハッチにもなる。なにしろクルマが軽いから。アシは潔くカタいし。過積載前提だから。
商用車だから。しかも安い!
――価格を超えた価値がある?
齋藤 僕がウチのクルマとして実用車を買うにあたって悩みに悩んだあげくの結論がこれだったの。カングーは背が高すぎて車庫に入らなくて、どうしようとずーっと悩んでたところにこれが出た。で、すぐ買った。買ったあと試乗会で、10年間作るとわかった。だからまた買います。次買うグレードも、もう決めてある。


 
 
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バックナンバーページの定価表記について
「ENGINE 2014年3月号」以前の定価表記は、発売時の定価になっております。
予めご了承くださいますようお願い申しあげます。



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