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ロールズ・ロイス・ファンタム・クーペに乗る


ROLLS-ROYCE Phantom Coup/ロールズ・ロイス・ファンタム・クーペ
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「ふつう」じゃない!


昨年はついに年間1000台超を生産して好調なロールズ・ロイスは、このほど、「ファンタム」
「同ドロップヘッド・クーペ」に次ぐ、3つめのニュー・モデル、「ファンタム・クーペ」のデリバリーを開始した。
この世界最高級クーペの実力を、本誌編集長が診断する。
文=鈴木正文(本誌)



全長5609×全幅1987×全高1592mm、ホイールベース3320kg
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全長5609×全幅1987×全高1592mm、ホイールベース3320kg。車重2590kg。左ページ上列左側は、オプションの「スターライト・ヘッドライニング」。数百の光ファイバーを埋め込み、天井を満点の星状態にする。その下は容量395リッターのトランク。下半分のリッドを引き出すように倒せば「ピクニック・ブート」として座ることができる。



大きさについて

 ファンタム・クーペは大きなクルマだ。いきなり数字で語るのは恐縮だが、全長が5609mmもある。大きいといわれているメルセデス・ベンツSクラスのなかでも最大の600のロング・ボディ版が5250mm。ベントレー・アルナージが5400mm。だから、大きいぞ、と警告したいわけではない。スポーティなルックの3本スポーク・ステアリングに手を添えて走り出すと、さほど大きくないぞ、と感じることをまずいいたかった。サイズが気にならない。
 しかし、サイズの問題は、ロールズ・ロイスのような「世界ベスト」を名乗るクルマにとっては、あだやおろそかにできないビッグ・イシューだ。なぜなら、メルセデスのSクラスやBMW7シリーズのように「ふつうに大きい」というのでは、「ふつう」で語られる範疇から出られないからだ。ロールズ・ロイスはロールズ・ロイスである以上、どんな意味でも「ふつう」であってはならない。王様は並みの貴族とおなじ衣装を着るわけにいかないし、おなじ椅子に座ってもいけないのだ。
 1998年にBMWグループ企業となった新ロールズ・ロイスの第1弾であった2003年デビューの「ファンタム」も、ストレッチ・リムジンばりの5835mmもの全長によってベントレー・アルナージに、まずはサイズの面で決定的な差をつけ、視覚的存在として並ぶもののない超越的地位を得ようとした。威風堂々たる見た目を持たないロールズ・ロイスなぞあり得ない。ロールズにたいして「大きすぎる」とか「堂々としすぎている」なぞといっても、批判にはならない。ファンタム・クーペもロールズのクーペにふさわしい大きさを得ている。
ROLLS-ROYCE Phantom Coup/ロールズ・ロイス・ファンタム・クーペ
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 しかしこのクーペは、運転してみると小さく感じる。4ドアのファンタムも、運転者が占める指揮官的に高い視座と、いずれも四角い4コーナーゆえに、車両感覚がつかみやすく、巨大であることをさほど意識させないが、クーペの場合はもっと積極的に小さく感じる。それには、ホイールベースが250mm短い、ということだけではない理由がある。ファンタム・クーペは、頭のてっぺんからつま先まで100%ドライバーズ・カーたらんとしたロールズ・ロイスだからである。

ROLLS-ROYCE Phantom Coup/ロールズ・ロイス・ファンタム・クーペ
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