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トヨタiQ vs スマート・フォーツー比較対論篇!
TOYOTA iQ vs SMART FORTWO


トヨタiQ & スマート・フォーツー
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可能性をとるか、運転快楽をとるか。


全長3m以下で、大人4人乗りを実現したトヨタiQがかしこいか。
トヨタiQがヒントとした元祖マイクロ・カーのスマート・フォーツーのほうがかしこいか。
iQ派vsスマート派、ガチンコ勝負で、あしたの自動車のための対論に挑む!
話すひと=今尾直樹+齋藤浩之 写真=望月浩彦



――今年の国産実用車ではiQが最大のニュースだね。しかし、この値段はどうかな。つまり、リッターあたり100万円というのが日本車のこの10年以上つづく相場。もとはといえばトヨタが決めたものだけれどね。しかるにiQはたった1リッターなのに最低グレードでも140万円。
齋藤 ベース・グレード車(10065X)はしょぼいですよ。テッチン(鉄鋳物)ホイールだし。
今尾 それのどこがいけないの?
齋藤 100万円だったらいいけど、同排気量のちゃんとした4人、または5人乗りの1.4倍。変則的な4人乗りとなると、高すぎない?
今尾 それをいったらスマートなんてふたり乗りのクーペで176万円。しかもエンジンは1リッター3気筒でiQと同じ。どういうこと?
齋藤 はなから、ふたり用に最適化されているから広い。誰も窮屈な思いをしない。iQの後ろは大人は乗れないでしょ。乗りたい?
今尾 それはともかく、iQは軽自動車よりも40cmも短いところに価値がある。おかげで車重890kgと軽い。これは燃費に利く。10-15モードが23km/リッター。22km/リッターのヴィッツよりちょっといいだけだけど、実用燃費はもっといい、とトヨタのエンジン担当者がいっていた。
――それで何km乗れば、装備的に同レベルの118万円ぐらいのヴィッツとの差を取り返せるのか。
今尾 元は取れないかもしれない。でも、そんなこといったらディーゼルのメルセデスだってガソリンに対して元はとれないぐらい高価だ。
齋藤 そのかわりCO2の排出量はぜんぜん低い。それが目的。得しようというわけではないんだよ。
今尾 そうそう、僕もそれがいいたかった。iQも得したいというひとのためのクルマじゃない。そろそろ、ガチンコ評価対決に移ろう。



ハードウェアを評価する

――では、あらかじめ設定した5項目評価の結果をふたりに発表してもらおう。まず「扱いやすさ」。
齋藤 iQ7点、スマートに8点!
今尾 iQ10点、スマート7点。
――評価が逆だね。由々しい問題だ。
齋藤 iQはたしかに数字上の小回り(回転半径3.9m)性能は高いけれど、見切りが悪い。ボディ・サイズが把握しづらい。
今尾 そう? スマートはシーケンシャルのギアボックスが、アップシフト時にやっぱりギクシャクする。駐車時の前進、後退のオペレーションがやりづらい。トルコン付きCVTのiQにそういう問題はない。
齋藤 iQは前方視界の広がりが小さい。穴倉にいるみたいだ。
今尾 iQにはバックモニターもつくんだよ、あんなに小さいのに。キイも、スマート・エントリーとかあって、便利なことこの上ない。
齋藤 バックモニターつけると、200万円になっちゃう。
今尾 スマートはついてないけど200万円近い。
齋藤 正しくは176万円。スマートは回転半径は大きい(4.2m)けれど、視界が広く、ノーズがきわめて短いからサイズを把握しやすい。自信をもって狭いところに入っていける。東京とかローマとかパリとか歴史のある大都会にはもってこい。
――では次、乗り心地。
今尾 iQ8点、スマート9点。やっぱりスマートはメルセデス設計だから骨太で、iQにその太さはない。iQの課題だ。シートは特に。
齋藤 わかってるじゃん。僕はどっちも7点。スマートはときにフロントにピッチングに近いものが出ることがある。リア・エンジンのむずかしさはあるよ。軸間距離短いし。
――昔の911と同じだな。
トヨタiQ & スマート・フォーツー
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(左)TOYOTA iQ
2008年10月発表。全長3m弱のボディの四隅にタイヤを配して居住空間を最大限確保したパッケージングが評価され、08-09日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞。テスト車は100G“レザーパッケージ”、車両価格160万円の最豪華仕様。全長×全幅×全高=2985×1680×1500mm。ホイールベース2000mm。車重900kg。タイヤはBSエコピアEP25。サイズは175/65R15。横置き直列3気筒DOHCは68ps/6000rpm、と9.2kgm/4800rpmを発生。ギアボックスはCVT-i。
(右)SMART FORTWO
2008年1月発売。初代誕生から10年目にして登場した2代目のこれは、ボディも排気量も若干拡大され、自動車らしさをグッと向上させた。テスト車はオープンのカブリオ、205万円。全長×全幅×全高=2720×1560×1540mm。ホイールベース1865mm。車重830kg。コンチ・エココンタクト3は前155/60、後175/55のともに15インチ。999ccの横置き直列3気筒DOHCは最高出力52ps/5800rpm、最大トルク9.4kgm/4500rpm。ギアボックスは5段セミATのみ。


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バックナンバーページの定価表記について
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予めご了承くださいますようお願い申しあげます。



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