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オープン・エア・バージョンのアバルト500C登場。


ABARTH 500C/アバルト500C
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ABARTH 500C/アバルト500C


太陽と2ペダル


アバルトの国際試乗会はいつも夏の太陽がやってくる頃に開かれる。
今回は、500のオープン・エア・バージョンとプント・エヴォの2台だ。
文=齋藤浩之(本紙) 写真=フィアット・グループ・オートモビルズ・ジャパン


 ギラギラと照りつける太陽。目にも鮮やかな緑の芝生に覆われたバロッコ・プルービング・グラウンドを、時おり優しい風が吹き抜けていく。日差しを避けて軒下へ逃げ込もうかと思い始めていた気持ちをゆり戻す。いつものように早い者勝ちの試乗順を待ち続けることにした。
 ほどなく帰ってきたアバルト500Cの1台がエンジンを切る前に奪うようにして乗り込むと、屋根はすでに開いていた。ギラつく太陽はそのままだった。う〜ん、どうしようか、干からびてしまうかも、と答えを出しかねたまま、ええい、スタートしてしまえ、と左足を動かしたら、空振りした。クラッチ・ペダルがない。シフトレバーも、ない。あ、そうだ、アバルト500Cは2ペダルの仕様しかないんだった。気恥ずかしさを隠しながら、センター・コンソールの操作パネルを見ると、プッシュ・ボタンが4つ並んでいる。
“アバルト・コンペティツィオーネ”とオープン・エアの組み合わせは誰にも笑みをもたらす魔法だ
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“アバルト・コンペティツィオーネ”とオープン・エアの組み合わせは、誰にも笑みをもたらす魔法だ。こんなにわかりやすいファン・トゥ・ドライブはない。
N、1、R、A/M。ステアリング・ホイールの裏に立派なサイズのパドルが2つ。右に+、左に−。ということはつまり、1のボタンを押してスタートということだな。1を押して右足を踏み込むと、チンクエチェントはングッと動き出した。


パドルをガンガン使いましょう。

 自動変速モードのままで、コース導入路の看板の指示に従って走り始めると、これがシングル・クラッチ型のトランスミッションだということがすぐにわかった。シフトアップの度にングッとやる。となれば、A/Mボタンを押してマニュアル・モードに替え、パドルを操る。シフト・アップに合わせて右足をほんの少し戻してやれば、ングッの加速度変化は小さくて済む。本コースに進入する前に段数を確認しておく。〜4、5速まで。アバルト500のMT仕様と段数は同じ。臆する必要なし。
 看板の指示はいつものコースと違うところへ案内していく。合流して走り始めると、コースが狭い!
よくできたキャンバス・ルーフのおかげで、スタイリングはメタル・ルーフのアバルト500と同じ
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よくできたキャンバス・ルーフのおかげで、スタイリングはメタル・ルーフのアバルト500と同じ。専用のルーフ・エンド・スポイラーが巧妙に組み込まれている。黒/白の2トーン色は500C専用。他に濃淡グレーの塗り分けもある。エッセエッセ・キットも組み込める。
カーブというよりコーナーの連続。急なアップ&ダウンまである。ステアリング操作が忙しい。シフトも忙しい、はずなのだけれど、2ペダル+パドル・シフターのおかげで、楽チン至極。ヒール&トウも要らない。エンジンが勝手にやってくれる。コーナーの曲率を読んでガンガンいける。小さいのにズシリとした重厚感、姿勢変化の少ないソリッドな感触を湛えて、弾けるように走る!
 マルチエアは採用されていないものの、C専用のチューニングが加えられて、140ps/5000rpmを発揮する1.37リッター・ターボ過給エンジンは、2000rpmで早くも21kgmの最大トルクを発揮する。
ABARTH 500C/アバルト500C
ギアをこまめに変えながらトリッキーなワインディング路を攻めるのに向いている。ピックアップ命みたいな特性だ。楽しくて何周も何週も嬉々としながら僕は走り回った。ふと緊張を緩めると、軽やかに巻き込んでくる風が嬉しかった。「これはアリだな」と独り言が口をついて出た。ファン・カーとしてのアバルト500ここに完成、と僕は思ったのだった。

ABARTH 500C/アバルト500C
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ステアリング固定式のパドルは大型で使い易い。
フェラーリもかくやのシフトレバーはなし!
ステアリング固定式のパドルは大型で使い易い。
500Cに採用された2ペダル変速機の名はアバルト・コンペティツィオーネ。1949年に、カルロ・アバルトがフィアット・トッポリーノ用に、ステアリング・ホイールにシフターを備えるレーシング・ギアボックスを売り出したことにオマージュを寄せての命名。

フェラーリもかくやのシフトレバーはなし!
発進するさいにはセンター・コンソール上に菱形配列された頂点の“1”ボタンを押す。あとはアクセレレーターを踏み込むだけ。A/Mボタンでマニュアル・モードを選択したら、変速はもっぱらパドル・シフターを使って行うことになる。パドルは扱い易い。





 
 
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