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ゴルフ何するものぞ。いいわけ要らずに選べるアルファ!


ALFA ROMEO GIULIETTA/アルファ・ロメオ・ジュリエッタ
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ALFA ROMEOGIULIETTA
溌剌としながらも艶かしさもある姿態。光が強ければ強いほどに魅力的に見えてくる。QVはフェンダーの肩に“幸運の四葉のクローバー”が入る。アルファの盾のグリルは空間に浮いたように見える。フラットでロールも少ないのに、当たりは優しい。スッキリとした乗り味。




愛しのジュリエッタ。


最初はそんなでもなかったのに、2度目に会ったら、もうだめだった。
ジュリエッタ。ジュリエッタ。心のなかでつぶやいている自分がいる。1日いっしょにいたら、もうすっかり魂を奪われていたのだった。
文=齋藤浩之(本誌) 写真=フィアット・グループ・オートモビルズ・ジャパン



 ボーっと見惚れていた。快晴の北イタリア。照りつける日差しの下、キラキラと光るジュリエッタに魂を奪われていた。「どうして、あのとき気づかなかったんだろう? ジュネーヴ・ショウでも見ているのに。こんなに魅力的だったなんて」。バロッコで再会したジュリエッタは俄然、輝いていた。
 絶世の美女ではないかもしれない。でも、ひとたびその魅力にやられてしまうと、目を離したくなくなる。いつまでも、見つめていたくなる。
 しかも、ジュリエッタは、見た目だけのクルマではなかった。走らせてみたら、もっと良かったのである。
いいわけが要らないアルファ!

 妹のミトも欠点の少ないクルマだ。でも、厳しい目で見れば、バネ下の重さが時として気になったりするし、ハンドリングだって、クラス・ベストとはちょっといいがたい。ところが、このジュリエッタは違う!
 上品で、誰よりも物静かに振舞うこともできるし、そうかと思えば快活な美声で歌うこともできる。人当たりは優しく穏やかなのに、踊らせれば誰よりも麗しい身のこなしを披露する。優美に舞う。欠点がない。
ALFA ROMEO GIULIETTA/アルファ・ロメオ・ジュリエッタ
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 欠点がないクルマはともすると、つまらなかったりすることもあるけれど、ジュリエッタに限っては、そんなことも全然ない。素晴らしい!
 どうやったら一緒にいられるようになるだろうかと、意中の女性との来るかどうかもわからぬ未来に想いを馳せ続けずにはいられなくなる。これってひょっとして、恋ですか?
 それはともかく、こんなにデキのいいアルファって、何年ぶり? というより、そもそもこれまでにあったの? アルファとしては、という但し書きの中ではなく、強豪ひしめく欧州Cセグメント・カーのなかで、ひいき目一切なしに比べて、どの分野でも優秀と認めざるをえないアルファが、ここに生まれたのだ。
なにもかも新しいからこそ

 そういうアルファがほんとうにできちゃったことが、にわかには信じられないこの気持ちを、アルファに親しんできたひとになら、わかってもらえるのではないだろうか。
 でも、その中身を知ると、それが偶然でもなんでもなく、むしろ必然だったということがわかってくる。
 まず、土台となるプラットフォームが新しい。フィアットのスティーロに始まった多分割モジュラー構造方式で作る手法がブラーボやランチア・デルタで完成をみて、その成果の上に全くの新規起こしで開発された”コンパクト“プラットフォームは、軽量高強度鋼板の多用によって軽く、しかも剛性が高い。
“1750i TURBO BENZINA”の刻銘も誇らしげなQV用235psエンジン
“1750i TURBO BENZINA”の刻銘も誇らしげなQV用235psエンジン。優に3リッター級のパワーを出しながら、ターボ・ラグも極小。
 さらに、前部衝突時の応力分散吸収路をこれまでの片側2本から3本に、左右6本のパスを作ることで、衝撃エネルギーの吸収能力を飛躍的に上げることにも成功している。つい最近発表されたユーロNCAPの評価は文句なしの5つ星。87/100点でクラス・トップ。ゴルフ級コンパクト・カーで最も安全なクルマというお墨付きをもらったほどだ。
 そこへ組み込まれるサスペンション・システムも完全新開発。フロントはごく普通にストラット式だが、大型パーツとなるナックル(ハブ・キャリア)と、ロワ・アームを支えるクロス・メンバーがアルミ製。リアは3要素構成のマルチ・リンク式で、BMWがE36やE46型3シリーズやローバー75、ミニに採用したものとほぼ同形式のものだ。これも前後方向の大入力を受け止めるトレーリング・アーム(兼ハブキャリア)とクロス・メンバーがアルミで作られている。バネ下重量の軽減に本気で取り組んでいる。サスペンションは、159以来のテーマとなっている高い横剛性の確保が貫かれている。
 加えて、ホイールベースを2634mm、前後トレッドを1554mmと、大きくとったことも相乗効果を発揮して、当たりが柔らかでNVHの遮断吸収効果に優れ、なおかつ応答遅れのないハンドリング特性と、高い操縦安定性が実現されたのである。
 電子制御式の完全電動アシストを備えた新しいステアリング・システムも、ラックに噛むピニオンをアシスト専用にもうひとつ設けた理想的な構造のものとなって、軽やかでソリッドな感触を失わない操舵フィールを実現している。しかも、エンジンのダウン・サイジングで業界最先端を突っ走るフィアット・グループだけに、ジュリエッタに搭載されるエンジンも、とくにガソリン版は軽く、鼻先が劇的に軽くなっている。鼻の重いFF車の初期アンダーステアを消すためにトリックを弄する必要も、アシストを強めにかける必要もなくなったおかげで、ステアリングの感触がとにかくスッキリしている。至極ナチュラルなのだ。
 新しい諸々の設計や構成が有機的に結びつき、アルファをして自信満々に “クラス・ベストだ”と言わしめるクルマが完成したのである。
 それは、軽やかに、平らかに、当たり柔らかく疾駆できるクルマだ。
 プジョー308、BMW1シリーズ、VWゴルフ、アウディA3、そしてフォード・フォーカスといった優秀なクルマがひしめくなかで、アルファ・ジュリエッタは、NVHとエンジン・ノイズで最優秀、ロード・ノイズは308とイーヴンながら、他のどれよりも優秀、ロール角の小さいことでもクラス1位で、操舵に対する横G発生の遅れも最も少ない。ステアリング・フィールも1位だとアルファは言う。さらに加えるなら、少なくとも左ハンドル仕様では、ペダル・ストロークの激減したブレーキの感触も優れている。まだ、ある。なんとアルファ・ロメオとしては画期的なことに、5.4mの最小回転半径もクラスで最小! なのである。
 ああ〜神様、と感謝に手を合わさずにいられようか。


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