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第1試合 スーパースポーツ対決 快楽とはなにか―、ふかい思考を迫る2台。


SLS 2 弱点をあげつらう

 じっさい、SLSの能力の高さは想像を大きく超えていた。しかし、狭小なトランク・ルーム以外に弱点をあげつらうとしたら、2つある。
内装は赤と黒の2トーンだが、華やかというよりもいくぶん重い感じだ
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 ひとつは、日本の順法速度内の領域での平和なドライブでは、路面が悪いと、しばしば鋭い突き上げを許す乗り心地だ。ジャーナリストのハードなテストに耐えるようにインポーターがおもんぱかったためだろう、この個体はオプション価格175万円の「AMGパフォーマンス・パッケージ」を与えられていたから、そもそも乗り心地はつねに硬い。このパッケージは強力な制動力を持つカーボン・セラミック・ブレーキ、強化サスペンション、鍛造アロイの10スポーク・ホイールなどを内容とする。シャシーの剛性が高められているわけだ。それだけに、首都高の舗装継ぎ目の目地段差や凸凹道では、ゴツゴツ感が強調される。
内装は赤と黒の2トーンだが
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内装は赤と黒の2トーンだが、華やかというよりもいくぶん重い感じだ。インテリアの造形はメルセデス流で、とくに新鮮な趣向はない。
 とはいえ、0-100km/h加速3.8秒、最高速317km/hを謳うスーパー・マシンだ。毛足の長い絨毯を歩むような乗り心地が求められているわけではない。これしきのことを弱点と断じるのは不当だから「あげつらう」といった。
 それに、ガツンと来ても、そのショックは一度だけで、名刀で竹をスパッと切り落としたようにあとくされなく始末がつく。衝撃を引きずらないダンピングに、足回りのチューンの確かさを実感する。さらに、ホワイト・ボディの単体がわずか241kgというオール・アルミのボディ・シェルの剛性が比類ない。シャシーが受け止めたショックを、こっちも引きずらない剛体だ。ボディに余分な動揺もない。シャシーとの結合部を受け持つラバー・ブッシュのチューニングにも、並々ならない努力が支払われたのにちがいない。
 もうひとつの弱点、またはささやかな不満は、箱根で走ったときに感じた。積極的にスポーツ・ドライビングに興じているときに、シフト・ダウンが電光石火に決まらないのだ。ゲトラグ製の7段デュアル・クラッチ変速機は、最速10分の1秒の早業変速を誇るのだけれど、それはアップ・シフト時の話だ。シフト所要タイムはセンター・コンソールのスイッチで4種に切り替えることができる。もっともソフトなC(コントロール・エフィシェンシー)、より速いS(スポーツ)、もっと速いS+(スポーツ・プラス)、そしてM(マニュアル)である。S+で自動変速していると、アップ・シフトに気づかない。加速Gが途切れないスーパースムーズな変速に舌を巻いた。
 しかし、ダウン・シフトには、半拍の遅れがある。S+でもMでも、モードにかかわらず、フェラーリ458のような間髪入れないダウンには持ち込めない。ギアボックスおよびエンジン保護のためなのだろうか、メルセデス=AMGは、あえてそういう設定にしているのだ。最初はそれに不満を覚えたけれど、しかし、身体が慣れていくにつれて、競技に出ているわけではないのだから、それはそれでひとつの立場だな、と理解するにいたった。このクルマは、ドライバーをヒロイックなレーサー気分にすることを目的にしていないことに、気づいたからでもある。
 とんでもない能力を秘めたスーパースポーツのSLSのドライビング・プレジャーには計りしれないものがあるけれど、どんなに攻め込んで走っても、そのためにドライバーを疲労困憊させることがない。限界ドライビング時ですら、クルマの動きに角が立たない味付けにしている。ダウン・シフトの半拍の「遅れ」は、クルマ全体の性格のなかでは適度な「間」だ、とおもうにいたった。

7段のデュアル・クラッチ機構付きオートマチック
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V8はフロント・アクスルの後方に押し込まれて
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7段のデュアル・クラッチ機構付きオートマチックは、ファイナル・ディファレンシャアル・ギアより背後に搭載され、前47%、後ろ53%の良好な重量バランスを得る。


V8はフロント・アクスルの後方に押し込まれてホイールベース内に収まっている。




 
 
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