ENGINE online/エンジン オンライン

モーガン4/4に乗って確信した!


MORGAN 4/4
クリックすると拡大
MORGAN 4/4

オープン・カーは実用車だ!!


オープン・カーとは、オープンのカーである。
カーとは、箱型の車両のことで、一定程度の防御性能を持つものをいう。
最低限、せめて普段着で乗れる実用性を持たねばならない。
ENGINE編集長はそう定義する。
90年代をモーガン4/4とスーパーセヴンのレース、それにMG RV8で過ごした
オープン原理主義者が、最新型のモーガン4/4に乗ってなにを思ったか。
語り=鈴木正文(本誌) 文=今尾直樹 写真=柏田芳敬
車両協力=モーガン オート イワセ


実用の道具

 翌日は晴れるという天気予報を信じて、環状8号線と第2京浜国道のクロスするあたりにあるモーガン・オート・イワセに前日の夕方、4/4の最新モデルを取りに行った。たまたま秋山さんという秦野中井在住のお客さんが自分の4/4をメインテナンスのために持って来ていた。歳の頃は僕と同じくらい。紺色にパールが入ったボディ色のクルマで、4、5年前に買って、毎日20kmの通勤に使っているという。すでに走行距離7万km。奥さん用にBMWミニがあるけれど、彼のクルマは4/4しかない。農業もやっていて、農機具を入れるトレーラーを引っ張ったりもしている。雨さえ降らなければオープンで、サイド・カーテンは立てない。顔に冷たい風が針となって刺す。「あれが気持ちいい」と秋山さんはいった。
 もちろん常識的、世間的な区分でいえば、モーガンは実用車には入らない。だけど、秋山さんにとっては完全な実用車で、つまり実用車と呼ぶかどうかは実用の道具として使うかどうかの問題なのだ。
 それから、雨のなか、乗り出して思い出した。フォード製1.6リッターのトルクはかつてよりひと回り太いけれど、基本的には20年前と同じフィールだ。道がよければ、当たりが柔らかくてソフトな乗り心地も。こぶ状の凸凹が連続すると、あ、硬いんだな、とわかる。サスペンションがそれほどストロークするわけではなくて、基本は硬めのバネ・レートを持つ。吸収しきれないショックがあると、スライドディング・ピラー式固有の、尺取り虫みたいに痙攣する動きをする。ノン・パワーだが、ごく軽いステアリングも同じだった。


モーガン4/4
クリックすると拡大
モーガン4/4
1936年

 僕にとって最初のオープン・カーがモーガン4/4で、1991年から3年間、足として使った。雨の日は傘をさしながら乗ったものだった。
フロント・ミドに搭載される1.6リッター
クリックすると拡大
フロント・ミドに搭載される1.6リッターはフォーカスなどに載るものと基本的に同じ英国フォード製の1595cc。直4DOHC、115ps/6100rpm、142Nm(14.5kgm)/4600rpm。5MTにより後輪を駆動する。
 モーガンへの憧れはいまも続いている。モーガン4/4のデビューは1936年に遡る。初代4/4はラジエター・グリルがフラットで、フロント・アクスルより明瞭に後ろにある。とはいえ、スティール製のラダー・フレームに木骨のボディ・フレームを載せ、そこにアルミと鉄のパネルを貼り付ける、という基本構造は変わっていない。
 ドアはないにも等しいカッタウェイ式。アクリル製のサイド・ウィンドウは取り外し式だ。直列4気筒エンジンをフロント・ミドに置き、後輪懸架は古典的なリーフ・リジッドながら、前輪はかのランチア・ラムダがそれを参考にしたというスライディング・ピラー式、自動車史上、これぞ前輪独立懸架の嚆矢といわれているメカニズムを備えている。
モーガンの魅力
クリックすると拡大
モーガンの魅力の少なからぬ部分がオールド・カー的な、ということは工芸的なディテールにる。
 165/80R15という細身のタイヤ・サイズ、2440mmと言う短めのホイールベースは、今回モーガン・オート・イワセから借りた最新型の4/4も僕が乗っていた赤い4/4もまったく同じだ。ただし、現代の衝突安全基準をクリアするために、ボディは全長で60mm、全幅で130mmほど拡大されている。ドアは1インチ(2.54cm)延びた。
 エンジンは同じフォードの1.6リッターだけれど、技術の進歩に合わせて、最新モデルは4バルブとなり、最高出力は95psから111psに、最大トルクは13.8kgmから14.5kgmへと増強している。ギアボックスは5段マニュアルのみだ。


センター・パネル
クリックすると拡大
6500からレッドの回転計
クリックすると拡大
センター・パネルの集合メーター(左は速度計)
6500からレッドの回転計はスミス製。

平面ガラスを拭う
クリックすると拡大
カットアウェイ式
クリックすると拡大
平面ガラスを拭う3本ワイパー

カットアウェイ式のドアのハンドル(下)とサイド・カーテンのステイ(上)

ノック・オフ式のワイア・ホイール
クリックすると拡大
スロットル調節はローラー式
クリックすると拡大
ノック・オフ式のワイア・ホイール

スロットル調節はローラー式



前のページ
1
2
次のページ



page1 オープン・カーは実用車だ!!
page2 スポーツ・ドライブ・カー

 
 
最新記事一覧
SPECIAL
今年もやります!“FUJIオ…
エンジン・ドライビング・レッスンの午前中のプログラムとしてお馴染みのオーバル・レッスン。
Driving Lesson
エンジン・ドライビング・レッスン
「エンジン・ドライビング・レッスン2017」の受講生募集を開始します。今年の開催は全3回…
NEWS
東京の代官山スクエアを…
BESSが木の文化に親しんできた日本人の感性でつくり、世界に向けて発信する新世代ログハウス「G-LOG(…
NEWS
ヴァンクリーフ&アーペ…
3月1日(水)〜4月18日(火)の20:30〜26:00、ヴァンクリーフ&アーペル銀座本店のウィンドウが、光…
NEWS
東京の日本橋三越本店本…
3月15日(水)〜28日(火)、東京の日本橋三越本店本館6階 時計サロンにて、「ラルフ ローレン SAFAR…
NEWS
ミュージカル映画を仕掛…
2月26日に授賞式が行われるアカデミー賞。その大本命とされるミュージカル映画を仕掛けたのは、3年前…
NEWS
「トヨタ・マスター・プ…
4月15日(土)〜26日(水)、トヨタ自動車はウィーン国立歌劇場の特別協力のもとウィーン・フィルハー…
NEWS
全国16カ所のスキー場に…
3月31日(金)まで、全国16カ所のスキー場にあるサロモンレンタルステーションと、全国11ヵ所のサロモ…
NEWS
CORVETTE GRAND SPORT CO…
「ENGINE大試乗会」の1台でもあったシボレー・コルベット・グランスポーツ。内外装をさらに精悍なイ…
NEWS
東京オートサロンで決起…
NASCARに挑戦する日本人ドライバー、古賀琢麻選手が東京オートサロンで決起集会!



バックナンバーページの定価表記について
「ENGINE 2014年3月号」以前の定価表記は、発売時の定価になっております。
予めご了承くださいますようお願い申しあげます。



▼クルマの取材ストーリー 最新5件
 作家、真山仁、F1シンガポール・グランプリを見に行く。
 マクラーレンが放った久々のロード・カー、MP4-12Cに英国・ダンスフォールドで乗る。
 ベントレー・コンチネンタルGT&GTCに加わったV8モデルに英国の本拠地、クルーで乗る。
 ベントレー・コンチネンタル・フライングスパー・スピードとジャガーXJスーパースポーツ
 アウディS4 と ポルシェ・パナメーラ4S