ENGINE online/エンジン オンライン

超高級車初のフル電気自動車、登場!
“ロールズ・ロイス102EXファンタム・エクスペリメンタル・エレクトリック”に乗る!


給油口の場所に充電口がある
クリックすると拡大
給油口の場所に充電口がある。外観は同一だが、ナノ粒子を使ったペイントは初の試み。アトランティック・クロムと呼ぶ。



これは、“グリーン・カー”ではない!


ロールズ・ロイスは3月のジュネーヴ・ショウで発表した実験車、
102EX、またはファンタム・エクスペリメンタル・エレクトリックに試乗する
機会を、世界中から選んだ少数のジャーナリストのために設けた。
バッテリー・ファンタムの狙いはなにか? 編集長が取材した。
文=鈴木正文(本誌) 写真=ロールズ・ロイス・モーターズ


ちがう解釈
 過日、都内で自動車業界と無関係なイギリス人と話をした。相手がイギリス人なので、サーヴィスのつもりで「こんど、グッドウッドに行くよ」といった。「あの古いクルマのレースをやるグッドウッドかい?」。「そう。でも、行くのはロールズ・ロイスの本社だけどね」。
 ロールズ・ロイスの本社工場は、BMWがロールズの支配権を獲得した2003年から、ロンドンを南に100kmあまり下った風光明媚なリゾート地、グッドウッドの丘陵地帯にある。そこに、ロールズの電気自動車をテストしに行くのだ、といったら、かれはちょっとビックリした表情を浮かべていった。「ロールズに乗るスーパーリッチは、ガソリン代なんてなんでもないんだから、電気自動車はいらないだろう。オウナーにとって問題なのは、ロールズが世界最高のクルマだ、と思えることだけじゃないの」と。
 しかし、3月のジュネーヴ・ショウでロールズが実験車として、バッテリーでモーターを動かして走るファンタムを発表したとき、僕はちがう解釈をしていた。つまり、いかにスーパーリッチ、スーパーエリートのためのクルマしかつくっていないとはいえ、いや、それだからこそよけいに、石油価格が高止まりし、温暖化問題が世界的イシューになって、市井のモータリストの関心がハイブリッド車や電気自動車に集まっているいま、かりにジェスチュアだけでも、ロールズはみずからがよき「世界市民」であることを示したいはずで、だから、エミッション=CO2フリーの“グリーン”なロールズを発表したのだ、と。
今年はスピリット・オブ・エクスタシー登場100年目にあたる
クリックすると拡大
今年はスピリット・オブ・エクスタシー登場100年目にあたる。実験車であることを示す赤いRRのエンブレムの上に載るそれは、青いLEDライトの照明を受けるマクロロン樹脂製だ。
アトランティック・クロム塗装は
クリックすると拡大
アトランティック・クロム塗装はラインの輪郭をクッキリと際立たせる効果を持つ。他の色の個体よりはるかにエッジィだ。


 僕がそう説明したら、イギリス人のかれは、釈然としない表情を浮かべて、「でも、ロールズはトヨタみたいにたくさんつくっているわけじゃないよね」といったのだった。たしかに、昨年グッドウッドから出荷されたロールズ・ロイスは、約2700台でしかない。その程度の数なら、いくらガソリンを使っても目くじら立てるようなことではない、とかれの目がいっているようだった。




前のページ
1
2
次のページ



page1 これは、“グリーン・カー”ではない!
page2 ファンタム

 
 
最新記事一覧
Driving Lesson
エンジン・ドライビング・レッスン
「エンジン・ドライビング・レッスン2017」の受講生募集を開始します。今年の開催は全3回…
NEWS
BMW M4 CS/BMW M4 シー…
BMWはM3とM4に一部改良を施すとともにM4にサーキットでの性能を高めた限定車を投入した。
NEWS
AUDI Q2/アウディCAR PE…
「新しいアウディを創造しました」
NEWS
VW up!/VW アップCAR PE…
2016年のジュネーブ・ショウでデビューした新型アップ!
NEWS
en Provence/アン プロ…
早くも2017年に入って3つ目の限定車が登場した。
NEWS
Porsche 911/ポルシェ91…
1963年の1号車ラインオフから54年の時を経て、100万台めの911がツッフェンハウゼン本社工場を出た。
WATCH SPECIAL CONTENTS
セイコー アストロン ジ…
世界初のGPSソーラー・ウォッチを世に送り出したセイコーが、ドライバーのためのスペシャル・モデルを…
Cars Driven/試乗記
CADILLAC/キャデラック…
キャデラック・セダン・シリーズに交代で乗りながら、ワンデイ・トリップを楽しんだ。
NEWS
写真作家・柏木龍馬氏の…
フランス・パリのギャラリー「PHOTO4/LWS」に所属する写真作家、柏木龍馬氏。



バックナンバーページの定価表記について
「ENGINE 2014年3月号」以前の定価表記は、発売時の定価になっております。
予めご了承くださいますようお願い申しあげます。



▼クルマの取材ストーリー 最新5件
 作家、真山仁、F1シンガポール・グランプリを見に行く。
 マクラーレンが放った久々のロード・カー、MP4-12Cに英国・ダンスフォールドで乗る。
 ベントレー・コンチネンタルGT&GTCに加わったV8モデルに英国の本拠地、クルーで乗る。
 ベントレー・コンチネンタル・フライングスパー・スピードとジャガーXJスーパースポーツ
 アウディS4 と ポルシェ・パナメーラ4S