アウディS4 と ポルシェ・パナメーラ4S |
ドイツ流スポーツ・セダンの究極。 アウディS4とポルシェ・パナメーラ4Sスポーツ・セダン市場をリードする ドイツ勢の中でも、もっか最注目のモデルとして 編集部が選んだのが、アウディS4とポルシェ・パナメーラ4Sだ。 エンジンをフロントに縦置きし、4輪を駆動するという共通点を持つ2台をテストした。 文=村上 政+齋藤浩之(ともに本誌) 写真=柏田芳敬
A4シリーズのベスト 村上 本当だったら、ドイツ流スポーツ・セダンの究極といえば、BMW・M3が真っ先に出てこなくちゃいけない。でも、残念ながら、新型3シリーズは出たばかりで、まだMの投入には到っていない。そこで、マイナーチェンジしたばかりのアウディS4を究極と認定した。 齋藤 えっ、誰が認定したの、それ。 村上 そんなの乗ってみれば誰にでも一乗瞭然でしょ。ドイツ車に限らなくたって、いま最も勢いのあるスポーツ・セダンといえば、S4をおいて他にない。アウディは昔のアウディならず。ただアウトバーンで矢のような直進安定性を見せるだけじゃなく、伊豆のワインディング・ロードを走っても、見事なコーナリング性能を見せつける。しかも、少し前のSモデルのように脚がカチカチに突っ張ったりすることもなく、ほどよいしなやかさを持っているから、街乗りでも気持ちいい。高速でよし、峠でよし、街でよしの3拍子揃ったオールマイティなスーパー・スポーツ・セダンというべきでしょう。 齋藤 最近は、BMWもメルセデスも防戦一方の感なきにしもあらず。迎撃にやっきになっている。それぐらい、アウディ全体に勢いがある。Sモデルはアウディでいちばん魅力的な存在といってもいいよね。MやAMGに真っ向勝負のRSモデルが性能はピカイチなのに、ステアリング・フィールや脚の味付けなどが今一歩だから、なおさらSの完成度の高さが印象に残る。逆に、Sに対応するモデルがBMWやメルセデスにないのも、Sを唯一無二の存在にしている感がある。
ひと目でデザイン品質の高さが伝わってくるアウディのインテリア。ステアリング・コラムとセンター・パッドの間にピアノ調ブラック塗装の部品を挟み、視覚上の緩衝地帯を設けるなど、芸がじつに細かい。細かなスイッチの周囲の隙間の均一性やクロームリングのフィッティングなども見事のひとこと。ともすれば滑りやすくなる革シートだが、サイドの張り出しが程よく効いて、ホールド性能は高い。 ![]() まるでFR車のようにバランスのよいプロファイルを見せるアウディS4。エンジンの脇下ではなく直後にフロント・ディファレンシャルを置くクルマとしては限界的に詰めた機械レイアウトが、ここに活きている。ダウンサイジングで軽くなったエンジンとのシナジー効果で、ハンドリング性能も申し分ない。
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